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赤ニキビの皮膚科治療の種類と注意点は?

更新日:2017.09.14
公開日:2014.01.29
ドクター画像
この記事の監修者
銀座ケイスキンクリニック 院長 慶田朋子

炎症を起こしている赤ニキビは、放置したり、自己判断で間違ったケアを行うとニキビ跡が残ってしまうことがあり、一刻も早く対処する必要があります。また、繰り返し赤ニキビが発症する場合は、赤ニキビのみをケアするのではなく、赤ニキビになる前の微小面皰、白ニキビ、黒ニキビの発生を防ぐことが重要です。ここではドクター監修の記事により、赤ニキビの皮膚科治療について解説しています。

炎症を起こしている赤ニキビは、放置したり、自己判断で間違ったケアを行うとニキビ跡が残ってしまうことがあり、一刻も早く対処する必要があります。また、繰り返し赤ニキビが発症する場合は、赤ニキビのみをケアするのではなく、赤ニキビになる前の微小面皰、白ニキビ、黒ニキビの発生を防ぐことが重要です。ここでは、赤ニキビの皮膚科治療についてドクター監修の記事で解説します。

赤ニキビを治療するには

炎症を起こしている赤ニキビは、一刻も早く炎症を鎮めないと、ニキビ跡が残ってしまう可能性があります。一人で悩まず、自己流のケアをせず、早急に皮膚科のドクターに相談しましょう。

赤ニキビの治療で重要なことは、まずは早急に炎症を鎮めることです。炎症が起きている状態が長引くと、毛包を超え、真皮の広範囲のコラーゲン線維の委縮や癒着を生じ、上述の通りニキビ跡が残ってしまいます。

また、白ニキビ、黒ニキビと同様に、ニキビ内部の角質や皮脂、膿などを出すことも必要。抗生剤などの炎症を抑える治療だけより、膿などを取り除いた方が早くニキビが治ります。

赤ニキビの皮膚科治療(1)抗生物質の内服薬

抗生剤は、炎症のもとになっているアクネ菌を殺菌したり、増殖を抑えます。

ニキビ治療においては、毛包への好中球の遊走(集まること)を抑制する効果のある抗生剤が適しています。

抗生剤は、ニキビに限らず感染症の治療に使われますが、ニキビは比較的長期間の服用が必要となるため、一般的には「マクロライド系抗生物質」と呼ばれる副作用が比較的少なく、好中球の遊走を抑える抗生物質が処方されます。

具体的には、ニキビ治療に用いられる内服用の抗生物質には、以下のようなものがあります。

  • ルリッド(マクロライド系抗生物質)
  • クラリス(マクロライド系抗生物質)
  • ミノマイシン(テトラサイクリン系抗生物質)

マクロライド系抗生物質のルリッド、クラリスは副作用が少なく、比較的長期的に服用が可能です。テトラサイクリン系抗生物質であるミノマイシンのほうが、治療効果が高いことがありますが、長期で服用すると、稀に副作用で色素沈着が発生することがあり、注意が必要です。

ミノマイシンは、マクロライド系の抗生物質では効果が十分に出ない重症のニキビ、特に若い男性に期間を限定して処方されることがあります。また、ミノマイシンは妊娠中の服用は不可となります。

赤ニキビの皮膚科治療(2)抗生物質の外用薬

外用薬として処方される抗生物質には、以下のようなものがあります。

  • アクアチムクリーム/アクアチムローション(ニューキノロン系抗生物質)
  • ダラシンTゲル、ダラシンローション(リンコマイシン系抗生物質)

アクアチムの方が古くから存在し、ニキビ治療に処方されてきました。ダラシンは比較的新しい薬で、アクネ桿菌やブドウ球菌などを殺菌する効果が高いと言われています。

赤ニキビの皮膚科治療(3)面皰圧出(めんぽうあっしゅつ)

毛穴の中に詰まっている皮脂や古い角質、膿などを、「面皰圧出器(アクネプッシャー)」という専用の器具を使って押し出す治療です。上述の抗生物質の内服薬、外用薬のみの治療より、ニキビの中身を圧出によって取り出す方が早くニキビが治ります。

※面皰圧出について詳しくは、『ニキビの皮膚科治療(4)圧出治療』をご覧ください。

赤ニキビの皮膚科治療(4)注射治療

患部が激しい炎症を起こしている場合や、しこりができて固くなっている場合は、ニキビに直接抗生物質やステロイドを注入する注射治療が行われます。主に使用される薬剤はケナコルト(ステロイド剤)で、ニキビだけではなく、繊維化し、しこったニキビなどの治療にも使われます。

※注射治療について詳しくは、『ニキビの皮膚科治療(3)注射治療』をご覧ください。

赤ニキビの皮膚科治療(5)ケミカルピーリング

フルーツ酸を含んだ薬剤を皮膚に塗布し、余分な角質や毛穴の詰まりを除去または取り除きやすくします。

赤ニキビになる前の白ニキビや黒ニキビ、「微小面皰」(肉眼では見えない程度の小さな毛穴の詰まり)を取り除くことができ、ニキビの予防効果や赤ニキビへの悪化防止効果があります。

※詳しくは『ニキビの皮膚科治療(7)ケミカルピーリング』をご覧ください。

赤ニキビの皮膚科治療(6)ニキビの抗生物質以外の外用薬

1.ディフェリンゲル

ディフェリンゲルは、構造がレチノイン酸(トレチノイン)に似ているため、「レチノイド様作用」を持つニキビ治療薬です。ディフェリンゲルは黒ニキビや白ニキビ、微小面皰に作用して詰まりを改善し、また、ニキビになっていない毛穴付近の角質の肥厚を抑制して新たに毛穴が詰まるのを防ぎます。お肌が慣れるまでは表面の皮膚が粉っぽく剥けたり、赤みを帯びるなどの副作用がありますが、症状は軽度で、2週間ほどでお肌が慣れ、副作用が和らぎます。アトピー素因を持つ人や体質に合わない人には副作用が強い場合があるため、使い方など医師に相談するようにしましょう。

2.トレチノイン

トレチノインとは、ビタミンA(レチノール)の誘導体で、以下のような効果があります。

  • ピーリング作用:古い角質を積極的に剥がします。
  • ターンオーバーの促進:表皮細胞の生まれ変わりを早めます。
  • 皮脂分泌の抑制:皮脂腺の働きを抑え、皮脂分泌の亢進を抑制します。

上記のような働きにより、できてしまったニキビを治療すると同時に、新たにニキビができるのを防ぎます。

ディフェリンゲルは保険が適用されますが、トレチノインは保険適用外です。

皮膚科で赤ニキビを治療する際の注意点

最初に記載した通り、炎症を起こしているニキビは早急に炎症を抑えないと、クレーター状のニキビ跡やしこりなどが残ってしまうことがあります。また、炎症を抑えるためには、症状に適した抗生物質の服用が必要となるため、ホームケアでは対応ができません。赤ニキビができてしまったら、早めにドクターに相談し、適切な治療を受けるようにしましょう。

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