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ニキビ跡ができる原因と肌の構造と関係

更新日:2017.08.09
公開日:2014.05.01
ドクター画像
この記事の監修者
有川スキンクリニック 院長 有川順子

ニキビはとても身近な皮膚疾患の1つですが、悪化させるとニキビ跡(痕)となって私たちを悩ませます。ここでは肌の基本構造をはじめ、ニキビによる肌へのダメージやニキビ跡(痕)ができるメカニズムについての最新情報を、ドクター監修のもとまとめました。

ニキビ跡

ニキビ跡とは?

既にご存じの通り、ニキビ跡とはニキビが治った後に残る炎症後の色素沈着や、微小な瘢痕(はんこん)のことを言います。ニキビはとても身近な皮膚疾患の1つですが、悪化させるとニキビ跡となってニキビ以上に長期間私たちを悩ませることになります。

ニキビ跡ができる原因

ニキビは、キレイに治るものとそうでないものがあります。それと同じように、ニキビ跡も数ヶ月程度で消えるものと、ずっと残ってしまうものがあることにお気づきの方も多いと思います。

ニキビ跡になるものとならないもの、ずっと残るものとそうではないものの違いは炎症と炎症の悪化の程度によります。炎症が発生していない白ニキビ・黒ニキビの段階で治れば、跡は残りません。(ただし、ニキビを不適切に潰して皮膚に大きなダメージを与えると、炎症前でもニキビ跡が残る場合があります。)

しかし、炎症が発生してしまうとニキビ跡が残る確率が高くなります。炎症は、悪化すれば悪化するほどお肌の奥にまで影響を及ぼすので、ニキビ跡は残りやすくなります。

炎症を起こし始めた赤ニキビ、赤ニキビが進行し膿を持つようになった「膿疱性座瘡(のうほうせいざそう)、さらに進行して痛みを伴う「集簇性座瘡(しゅうぞくせいざそう)」が、ニキビ跡を残しやすいニキビです。「集簇性座瘡」にまで至ると、高い確率でニキビ跡が残ってしまいます。

ニキビ跡と肌の構造の関係

私たちの肌は表側から表皮、真皮、皮下組織の3層から成り、それぞれ以下のような特徴があります。

表皮の構造

皮膚の1番外側にあり、厚さはわずか0.3mm程度。表皮自体も内側から基底層・有棘層(ゆうきょくそう)・顆粒層・角質層の4層に分かれています。

色素沈着の原因の1つであるメラニンを生成するメラノサイトは、表皮の基底層に存在します。炎症が発生すると、お肌を守るためにメラノサイトが活性化しメラニンを大量に作り出します。このメラニンによって、主に薄茶色のニキビ跡ができます。

ニキビの炎症による影響は表皮層に留まる場合は炎症後色素沈着と言って、数か月で皮膚のターンオーバーにより自然に角層に排出され消えていきます。

真皮の構造

表皮の下にあるのが真皮で、肌の弾力やハリを支えています。

真皮層は表皮のようにターンオーバーが行われないため毛包下層にまで炎症が及ぶと線維化という現象が起き、周囲がしこりのような状態になり、なかなか自然には消えていきません。そのためセルフケアで治すことが大変難しく、クリニックでの治療が必要となる場合がほとんどです。

真皮層にできるニキビ跡は皮膚科学的には微小瘢痕と呼ばれており、炎症によって皮膚の真皮層が破壊されてできるクレーター状のものや、血管がダメージを受けて血液が周辺組織に流出して発生する赤黒い色素沈着などがあります。

皮下組織の構造

表皮と真皮を内側から皮下脂肪で支えています。動脈によって肌へ栄養を届け、静脈が老廃物を運び出す役割を果たしています。

ニキビの炎症が皮下組織にまで到達して損傷を与えると、かなり高い確率でクレーター状のニキビ跡やしこり状のニキビ跡ができてしまいます。このタイプのニキビ跡は、残念ながら完治させるのは大変難しいと言われています。

以上のように、ニキビ跡はニキビの炎症が悪化すればするほど残りやすく、完治も難しくなります。ニキビができたら放置せず早めに皮膚科を受診するなど、適切な処置を施して早期に治すことが大切です。

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