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ビタミンC誘導体の効果

更新日:2017.11.29
公開日:2014.10.01
ドクター画像
この記事の監修者
赤坂ビューティークリニック 院長 青山秀和

ビタミンC誘導体には複数の種類があり、それぞれに性質が異なります。そのため、その特徴を知って使うのが美肌への近道です。ビタミンC誘導体の種類と美容効果、使い方について、ドクター監修の記事でお伝えします。

壊れやすいビタミンCを安定化させたビタミンC誘導体には、シミ予防や美白効果、ニキビケアなどさまざまな美容効果が期待できます。また、ビタミンC誘導体には、水溶性や油溶性などいくつかの種類があります。ビタミンC誘導体の種類や美容効果、使い方、注意点などについて見てみましょう。

ビタミンC誘導体とは

ビタミンC誘導体が美白成分として国内で本格的に使われ始めたのは、1980年代の半ばからです。美白成分としての歴史は比較的長く、それだけ効果が認められている成分だといえます。

誘導体化することでデメリットを払しょく

ビタミンCは、もともと安定性が悪く、水に溶かしたり、空気に触れて酸化したりすると効果が失われやすい成分です。肌への吸収性も低いため、化粧品への配合が難しいというデメリットがありました。そのようなビタミンCを人工的に改良し、「誘導化」することで、酸化しにくい安定型に変えたのがビタミンC誘導体です。皮膚に浸透しやすく、浸透したのちにビタミンCに変化するという特徴を持っています。

ビタミンCに期待される美容効果

ビタミンCには、

  • 活性酸素を抑える抗酸化作用
  • できてしまったメラニン色素を還元する作用
  • 新陳代謝を促す作用
  • 皮脂分泌のコントロール作用
  • コラーゲンの生成促進

などの作用があり、下記のような美肌効果が期待できます。

美白効果

ビタミンC誘導体は、チロシナーゼという酵素の働きを阻害することで、メラニン色素の発生を抑制します。また、すでにできてしまったメラニン色素を還元する作用もあり、これによりシミやそばかす、くすみを予防したり、色素沈着を改善します。なお、厚生労働省に認可されている美白有効成分のなかでも、メラニン還元作用を持っているのはビタミンC誘導体だけです。

シワ・たるみへの効果

ビタミンC誘導体には、コラーゲンの産生を促す働きもあります。真皮層のコラーゲンを増やすことで、肌の弾力やハリをよみがえらせることができます。ビタミンC誘導体にはさらに抗酸化作用があるため、紫外線や睡眠不足、喫煙で生じる活性酸素の働きを抑え、コラーゲンやエラスチンを保護することで、シワやたるみ、ニキビ跡の改善などに働きかけます。

ニキビへの効果

ビタミンC誘導体は、ニキビケアにも効果的です。ビタミンC誘導体の抗酸化作用がニキビの炎症を促す活性酸素を取り除くとともに、炎症後の色素沈着を防ぎます。さらに皮脂の過剰分泌をコントロールするため、ニキビ予防にも効果があります。

ビタミンC誘導体の種類と効果の違い

ビタミンC誘導体には、水溶性、油溶性、その両方の特性を持つものがあります。ここでは、いくつかのビタミンC誘導体と効果について解説します。

ビタミンC誘導体といっても、実際に配合されている化粧品の成分表示には、以下の成分名で表記されています。

リン酸アスコルビルMgマグネシウム(水溶性)

原料は粉末または顆粒状。クリームや化粧水、パウダーなどに安定的に配合できますが、濃度が高くなると沈殿が起こりやすくなります。生体内のホスファターゼという酵素によって、ビタミンCに転換されます。

リン酸アスコルビン酸ナトリウム(水溶性)

リン酸アスコルビルMgマグネシウムよりも効果は低いとされますが、濃度を濃く配合できるため、使いやすいという特徴があります。

テトラヘキシルデカン酸アスコルビル(油溶性)

アスコルビン酸イソパルミテートまたはイソパルミチン酸アスコルビルともいわれており、VCIPと表記されることもあります。クリームなどの油分を含む化粧品に配合されています。

アスコルビン酸-2リン酸-6パルミチン酸

APPS(アプレシエ)と呼ばれる進化型ビタミンC誘導体です。水溶性と油溶性、両方の特性を持ち、角質層のみならず真皮まで浸透しやすいのが特徴で、水溶性ビタミンC誘導体の100倍の浸透力を持つともいわれています。

※詳しくは『最強のビタミンC誘導体!APPSとは?』をご覧ください。

ビタミンC誘導体の使い方

ビタミンC誘導体は、さまざまな化粧品に配合されています。水溶性のものは主に化粧水や美容液に、油溶性のものはクリームに配合されています。また、美容液として使ったり、美顔器向け化粧品として使えたりする原液などもあります。

水溶性のビタミンC誘導体は即効性が高く、油溶性のものは皮膚に長時間とどまって働きかける性質があるので、目的によって使い分けるとよいでしょう。

原液のおすすめの使い方としては、洗顔後、化粧水をつける前に使う方法があります。その後、化粧水、乳液と順番につけましょう。コットンパックやシートパックにひたして使用したり、イオン導入などで集中ケアをしたりするとよいでしょう。

肌が敏感な人の使い方

ビタミンC誘導体には、皮脂の分泌をコントロールする働きがあるため、敏感肌や乾燥肌の方は皮脂分泌量が減ることで、さらに肌が乾燥し、肌が敏感になってしまうことがあります。肌のコンディションを見ながら、ビタミンC誘導体配合の化粧品を使う、または保湿成分を補うといった使い方をしましょう。

濃度が高いビタミンC誘導体は、その分、刺激が強くなることもあるので、敏感肌の人は注意し、高濃度のものを使う場合はパッチテストを行いましょう。

まとめ

ビタミンC誘導体の種類やさまざまな美容効果についてご紹介しました。ビタミンC誘導体は壊れやすいビタミンCを安定化させたものであり、皮膚への吸収性が高まったことで、以下のような作用を発揮します。

  • 活性酸素を抑える抗酸化作用
  • メラニン色素の発生を抑制する作用
  • できてしまったメラニンを還元する作用
  • 新陳代謝を促す作用
  • 皮脂分泌を抑える作用
  • コラーゲンの生成を促進する作用

ビタミンC誘導体には、即効性の高い水溶性と皮膚に長くとどまる油溶性、水溶性・油溶性の2つの性質を兼ね備え、高い浸透力を持つ進化型など複数の種類があります。さまざまな化粧品に配合されていますので、求める作用を活かすタイプのものを選び、上手に活用しましょう。

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