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中性脂肪

コレステロールは高くても中性脂肪が低ければ大丈夫?

更新日:2017/11/28 公開日:2014/10/01

松井潔先生

この記事の監修ドクター

松井クリニック院長

松井潔先生

血液検査の結果、中性脂肪は低いのに、コレステロールが高い値が出た。これは注意が必要なケースです。ドクター監修のもと、コレステロールだけが高い場合にどう考え、何に気をつければいいかを解説します。

健康診断でコレステロールの値が高いという結果が出たけれども、中性脂肪の値は低いのであれば、あまり気にしなくていいのでしょうか? 実は、中性脂肪が低くてもコレステロールが高いのは、あなたの健康にとってあまり好ましくない状態なのです。ここでは、ドクター監修のもと、コレステロールが高いのはなぜ問題なのかを解説します。

どのコレステロールが高い?

一般的な健康診断では、脂質の欄に4つの項目が載っています。中性脂肪(トリグリセリド;TG)、総コレステロール(TC)、HDLコレステロール(HDL-C;いわゆる「善玉」)、LDLコレステロール(LDL-C;いわゆる「悪玉」)です。

このうち中性脂肪は正常と判定されているのに、コレステロールが高いという判定が出ることもあります。そのような場合はまず、どのコレステロールが高いのか確認しましょう。総コレステロールはHDLコレステロールとLDLコレステロールなどを総計したものです。そのため、何が問題なのかを知るためには、LDLコレステロールが高いのか、HDLコレステロールが高いのかを見ます。以下、それぞれについて説明します。

なお、中性脂肪が基準値よりも低い場合については『中性脂肪が低いと病気にかかりやすいのか』をご覧ください。

LDLコレステロールが高い場合

LDLコレステロールとは?

脂質(中性脂肪やコレステロール)は細胞のエネルギー源になったり、ホルモンなどの材料になったりするため、身体にとって必要な栄養素です。口から摂取した脂質の一部はいったん肝臓に蓄積されますが、必要に応じて全身の細胞に配られます。肝臓から全身に配られるコレステロールのことを「LDLコレステロール」と言います。

このような機能をもつLDLコレステロールですが、俗に「悪玉コレステロール」と呼ばれています。どうして悪玉という名前が付いているのかというと、血中内に必要以上に多くなってしまうと、血管の壁に溜まってしまい、動脈硬化を引き起こす原因となるからです。動脈硬化になると心筋梗塞や脳梗塞といったこわい病気のリスクが高まってしまいます。

LDLコレステロールが140mg/dL以上になると「高LDLコレステロール血症」と診断されます。この状態では心筋梗塞などの発症リスクが2倍以上になると言われています。また、120~139mg/dLでは「境界域高LDLコレステロール血症」と診断され、内臓肥満や高血圧など、動脈硬化のリスクを高める別の因子があるかどうかを確認して、治療をするかどうか決める必要があります[1]。

LDLコレステロールが高くなる理由

LDLコレステロールが高くなる理由は、下記のようにたくさんあります[1][2]。これを改善するためには、一言でいえば「バランスのよい適度な量の食事と運動」に尽きます。耳の痛い話かもしれませんが、この中の一つだけでもいいので、改善をはじめてみませんか。

・標準体重(BMI=22)を維持する:体重が増えるとコレステロールが上がり、体重が減ると下がるという関係があります。肥満の方(BMI≦25)、肥満気味の方(BMI=23~24)は脂肪の摂取量を減らすなどのダイエットをしましょう。

・食事からのコレステロール摂取量を減らす:コレステロールは動物性食品に含まれます。卵、内臓(レバーなど)、干物(するめ、マイワシなど)、クリームなどに特に多いので、食べすぎに注意しましょう。

・魚や食物繊維を意識的に摂る:サンマやサバ、イワシなどの青魚に含まれる油(魚油)を多く摂ることで、心臓病のリスクを減らすことが期待できます。海藻類やきのこ類、野菜には食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維はコレステロールの吸収を抑えるとともに、大便とともに体外に排出してくれます。また、大豆や大豆製品(豆腐、納豆など)も心臓や脳の血管病のリスクを減らします。いわゆる日本食(和食)がおすすめです。

・抗酸化作用をもつ食品を摂る:LDLコレステロールが「悪玉」と呼ばれる理由は、血管壁で酸化されることで動脈硬化を促進するからです。ビタミンA、C、Eを多く含む食品(緑黄色食品、大豆、アーモンドなど)やフラボノイドを含む食品(緑茶、赤ワインなど)が抗酸化作用を持つとされているので、積極的に摂ってみてはいかがでしょうか。

・有酸素運動を続ける:ウォーキングやジョギング、水泳などはもちろんですが、日常の通勤や家事のなかで意識して体を動かすようにするだけでも効果があります。ストレス解消にもつながるでしょう。

・禁煙:喫煙は、それだけで動脈硬化がもたらす心筋梗塞や脳梗塞といったこわい病気のリスクを高めます。LDLコレステロールが高いならなおさら、禁煙を強くお勧めします。受動喫煙も避けるようにしてください。

HDLコレステロールが高い場合

HDLコレステロールとは?

HDLコレステロールは「善玉コレステロール」と呼ばれています。その理由は、体内で余ってしまった中性脂肪やコレステロールを回収し、肝臓に戻して体外に排泄する働きをしてくれるからです。

ですから、HDLコレステロールの場合は数値が低くなってしまうことが問題となります。HDLコレステロールが40mg/dL未満の場合を「低HDLコレステロール血症」といい、この状態が続くと将来の心臓病や脳梗塞の発症リスクを高めてしまうと考えられています[1]。特に高LDL(悪玉)コレステロール血症が合併しているような状態だと、リスクが高いとされています。

HDLコレステロールは高ければ高いほどいい?

それでは、HDLは高ければ高いほど良いのでしょうか?

実はそうでもないようです。HDLコレステロールが100mg/dL以上に極端に高い「高HDLコレステロール血症」の場合は、むしろ動脈硬化が進んでしまうことがわかっています[3]。

高HDLコレステロール血症の原因の多くは遺伝性で、生まれつきHDLコレステロールの中にコレステロールが溜まり過ぎてしまう体質です。また、長期間にわたりアルコールを大量に飲んでいる場合や、肝臓の病気がある場合でも起こることがあります[3]。

まとめ

健診でコレステロール値が高いのは分かっていても、病院に行くのは面倒くさく感じてしまうかもしれません。しかし、今のうちから対策をすることで、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気を予防することができます。病院では個人に合った生活のアドバイスをもらえるので、一度、内科や代謝内科などを受診することをおすすめします。

参考文献

  1. [1]日本動脈硬化学会.動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版
  2. [2]都島基夫.“高脂血症-動脈硬化への道”
  3. http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/obesity/pamph37.html
  4. (参照2017-08-31)
  5. [3]山下静也.“高HDL-コレステロールの成因と意義”ドクターサロン 2013;
  6. 57(4),293-297
  7. http://www.kyorin-pharm.co.jp/prodinfo/useful/doctorsalon/upload_docs/130457-2-53.pdf
  8. (参照2017-08-31)

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