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医療レーザー脱毛のメカニズム|毛の抜ける仕組みと注意点

更新日:2017.12.21
公開日:2015.02.27
ドクター画像
この記事の監修者
新宿クレアクリニック 渋谷院 院長 上浦典子

医療脱毛の主流となっているレーザー脱毛ですが、どのような仕組みで毛が抜けるのでしょうか。ここでは、ドクター監修のもと、医療レーザー脱毛のメカニズムや施術を受ける際の注意点、副作用について詳しく解説します。

毛の構造

レーザー脱毛のメカニズムを知る前に、まずは毛の構造について知っておきましょう。

人間の体に生える毛。この毛は皮膚が変化したもので、人間の体毛は約500万本あるとされています。そのうち外に出ているのが130~140万本。全身の体毛の約3分の2が皮膚の中にあります。

毛周期(ヘアサイクル)と脱毛サイクルの関係性

毛周期とは、毛の成長サイクルのことを言います。2~3か月ごとに「成長期」「退行期」「休止期」の3つの段階があります。じつは、目に見えて生えている毛は、毛全体の半分以下。脱毛をする際には、毛周期に合わせて継続的に照射することが必要となります。つまり、この周期に合わせて脱毛を行えば、効率よく処理をすることが可能です。

毛の種類とそれぞれの持つ役割

毛も部分によって名称があり、それぞれ持つ役割も異なっています。

  • 毛幹:皮膚の上に出ている目に見える体毛
  • 毛根:皮膚の中にある毛の組織全体
  • 毛孔:皮膚の表面にある毛の出口
  • 毛球:毛根の最下部にある球状に膨らんでいる部分
  • 毛乳頭:毛母細胞に栄養を送る部位
  • 毛母細胞:体毛の元。毛母細胞が分裂することで毛はつくられ、成長する
  • 毛包:毛根を包み込むように存在する組織

レーザー脱毛の毛の抜ける仕組みとは

レーザー脱毛は、毛の黒い色素(メラニン色素)に反応するレーザーを利用した脱毛施術です。皮膚の表面からレーザーを当てると、毛のメラニン色素が反応し、毛が熱を溜めこみます。溜めこまれた熱は周囲に広がり、その熱エネルギーが毛乳頭を破壊します。毛を作り出す毛母細胞に栄養素を届ける毛乳頭が破壊されることで、毛母細胞は毛を作り出すことができなくなり、結果、毛は生えてこなくなります。

レーザー脱毛の効果を高める回数

レーザー脱毛は一度の施術で効果が期待できるものではなく、何度も照射することで毛が生えにくくなり、徐々にムダ毛がなくなるという脱毛施術です。効果的なレーザー脱毛を行うためには、ヘアサイクルに合わせた施術が必要となります。体毛は、すべての毛がいつも伸び続けているわけでなく、毛の成長にもサイクルがあります。

先ほども説明したように、このサイクルは大きく3つに分けられ、毛が成長する「成長期」、成長が止まり毛が抜け落ちるまでの「退行期」、発毛が止まる「休止期」があります。その中で、毛乳頭にダメージを与えやすい時期が成長期。退行期や休止期にレーザーを照射しても反応しないため、毛が成長している成長期に照射する必要があります。しかし、毛はそれぞれヘアサイクルが異なるため、それぞれの成長期に合わせて複数回に分けて施術を受ける必要があるのです。

レーザー脱毛を受けられるクリニックや、使用しているマシンによって必要とされる施術回数は変わってきますが、エステサロンなどで行われている光脱毛よりも医療レーザー脱毛の方が出力が高いため、一般的には通院回数は少ないとされています。

レーザー脱毛の施術での注意点や副作用

ここでは、レーザー脱毛を受ける際の注意点や副作用についてご紹介します。

1回目の治療は、事前に毛の処理をしない

毛量や毛質などの発毛状態を確認してから施術を行うため、初回の施術前は極力毛を生やした状態にしておきましょう。ムダ毛を処理する必要がある場合には、電動シェーバーやカミソリなどの毛根を残す方法で処理を行うようにします。そして、2回目からは事前に毛の処理を行います。なお、VIOゾーンは毛質が異なるため、初回から手の届く範囲で事前に処理を行っておきましょう。

女性の生理中は、VIO脱毛ができない

VIOゾーンやお尻の脱毛を行っている場合、生理中は衛生上の観点から、施術を行うことができません。

アレルギー反応や持病がある場合は事前申告

極度の光線過敏症や金属アレルギーがある方の中には、施術を行うことができない可能性があります。アレルギーや持病のある方は、カウンセリング時に相談することをおすすめします。なお、アトピーの場合は診察のうえ、炎症が強く出ていないのであれば照射可能です。

予防接種は前後2週間の間隔を空ける

予防接種を受けた際に、発熱や腫れ等の症状が出る可能性があり、照射によってレーザーの熱を受け、症状がさらに悪化してしまうことがあります。予防接種の前後2週間は、レーザーによる脱毛は控えましょう。

レーザー脱毛で起こりやすいリスク・トラブルについて

レーザー脱毛は効率化や安全性を求めて日々進歩していますが、以下のようなトラブルを完全になくすことはできません。知っておきたいレーザー脱毛のリスクについてご紹介します。

1. 赤みやヒリヒリ感

施術を行った部位は、軽度の熱傷状態となり、赤みが出ます。毛穴にかさぶたができることもありますが、これは正常な反応です。また、肌が乾燥していると熱を感じやすく、赤みが出やすくなります。施術前後は、しっかりと保湿ケアを行いましょう。

2.毛嚢炎(もうのうえん)

背中や胸などの皮脂腺が多い部位、ワキやVラインなどのような毛質が太い部分には、まれにニキビのようなもの(毛嚢炎)ができる場合があります。レーザー照射による毛嚢炎は一時的なものなので、1~2週間程度で治癒します。ただし、数日経過しても炎症が治らない場合には専門医に相談しましょう。

3.炎症、むくみ

脱毛による炎症やむくみは、照射を受けた毛穴の周りの炎症による「炎症性浮腫」と呼ばれ、医療レーザー脱毛の経過で必ず起こるものなので問題ありません。

4.やけど

一人ひとり異なった肌質や体質、毛量や毛の濃さであることから、レーザー脱毛でのやけどの危険性はゼロではありません。

5.色素沈着

施術後1か月間は、強い日焼けや摩擦などの刺激によるシミのような色素沈着が残ることがあります。

レーザー脱毛後の注意事項

脱毛後は、以下の点に注意しましょう。

毛抜きは使用しない

レーザー脱毛は毛根に反応するため、自己処理で抜いている場合、レーザーが反応しないことから効果が半減してしまう可能性があります。脱毛箇所は、事前にカミソリでシェービングするようにしましょう。

また、レーザー脱毛後の赤みがあるうちは、高温のお湯での入浴は控えるようにしてください。

日焼けに気をつける

日焼けしている肌の場合、効果的な出力で照射することができないことから、効果が少なくなることがあります。日焼け止めなどを塗り、日焼け防止に努めましょう。

保湿を心がける

肌が乾燥した状態は、皮膚の回復が遅く、肌トラブルが起きやすくなります。また、乾燥肌は痛みを強く感じることもあり、痛みを理由に出力を下げざるを得ない場合もあります。保湿クリームや保湿ローションなどを使用し、肌の保湿を心がけましょう。

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