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毛細血管拡張症による赤ら顔の原因と治療

更新日:2017.10.27
公開日:2015.04.30
ドクター画像
この記事の監修者
立川皮膚科院長 伊東秀記

顔の赤みの原因のなかでも、特に多いといわれているのが「毛細血管拡張症」です。毛細血管拡張症のメカニズムや症状などについて、ドクター監修のもと解説します。レーザーによる治療法だけではなく、自宅でできる対策も紹介します。

顔の赤みの原因にはさまざまなものがありますが、中でも、もっとも多いといわれているのが鼻や頬などの血管が浮いて赤く見える「毛細血管拡張症」です。今回は、この毛細血管拡張症の種類や原因、医療機関における保険適用の治療法、自宅でできる効果的な赤み対策について解説します。

毛細血管拡張症(赤ら顔)とは

毛細血管拡張症とは、皮膚の上から二層目にある「真皮」にある毛細血管が拡張し、血流が増えることで肌が赤く見える状態で、「赤ら顔」とも呼ばれています。

真皮層には毛細血管が密集しています。通常であれば血管は自律神経の働きによって拡張や収縮がくり返され、血流の量や速度などが調整されています。しかし、なんらかの原因で毛細血管が拡張したままになって血流量が増加してしまうと、血液の流れが大量に滞り、それが透けて皮膚表面が赤く見えてしまいます。これを「毛細血管拡張症」と言います。特に、頬や鼻などに症状が現れやすい傾向があります。

毛細血管拡張症(赤ら顔)の4つのタイプ

毛細血管拡張症は、主に以下の4つのタイプに分類することができます。

単純タイプ(線状タイプ)

広がりや長さはさまざまで、赤や青の血管がまっすぐに見られるタイプです。年齢を重ねるにつれて鼻や頬、上腕部などに見られるようになります。

枝分かれタイプ

線状タイプとよく似ていますが、血管に枝分かれが見られるタイプです。

クモ状タイプ

中心の血管から周囲に360度放射状に広がり、枝分かれして見えるタイプでクモ状血管腫とも呼ばれます。腕や顔に多く、比較的年齢の若い人に多く見られます。出産や心疾患、肝疾患とともに見られるケースが多く、卵胞ホルモンとの関連も指摘されています。

丘疹タイプ

皮膚表面がわずかに盛り上がった赤い斑点状の血管拡張で、直径1mmから1cmほどになることもあります。単発にできることもあれば、複数できることもあり、胸や腹、背中などに見られ、老人性血管腫とも呼ばれます。

毛細血管拡張症(赤ら顔)の原因

毛細血管拡張症の原因には、主に以下のことが考えられます。

  • 気温による毛細血管の拡張
  • ニキビの炎症
  • 皮脂による炎症(脂漏性皮膚炎)
  • アルコールや香辛料などの過剰摂取
  • 手術による侵襲やステロイド剤、放射線治療などの影響
  • 紫外線の影響
  • ステロイドの長期使用など

毛細血管拡張症の原因はまだはっきり解明されていませんが、自律神経のうち、血流など、体の各器官の働きを促進する「交感神経」が緊張したままになることが原因ではないかという説があります。

毛細血管は通常、肌表面からは見えませんが、皮膚上部の表皮が薄く透けていると赤く浮き出ることがあります。また、ニキビや皮膚炎による炎症で皮膚の赤みをともなうことがあります。毛細血管を広げる作用のあるアルコールや香辛料の過剰摂取、手術や放射線治療・ステロイド剤などの影響、気温差の激しい場所をくり返し行き来することも、原因になるといわれています。

毛細血管拡張症(赤ら顔)の治療法

毛細血管拡張症の赤みを消す治療には、「レーザー治療」や「フォトフェイシャル」が用いられます。

レーザー治療

レーザー治療とは、特殊な装置で発生させた光を患部に照射する治療法です。「赤み」の原因となっている血管中のヘモグロビンだけに反応する光を照射することで、毛細血管を凝固、収縮させます。毛細血管の消失によって赤みの少ない透明感のある肌になるほか、毛穴が目立ちにくくなったり、肌の調子がよくなる作用も期待できます。

レーザー治療は毛細血管拡張症(赤ら顔)のほか、赤あざやニキビ、ニキビ跡、ケロイドの治療などにも用いられます。毛細血管拡張症の治療については保険が適用れるケースもあるので、詳しくは医療機関にお問い合わせください。

フォトフェイシャル

レーザー治療は気になる部分にピンポイントで照射していきますが、フォトフェイシャルは顔全体にソフトな光線を当てていきます。

フォトフェイシャルもレーザー治療と同じで、毛細血管を収縮させて赤みを目立たなくさせます。ただし、波長が弱いので、効果はレーザー治療よりもマイルドです。施術時間が短くダウンタイムもないため、すぐにメイクが可能です。

自宅での赤み対策も重要

毛細血管拡張症による赤みを改善するためには、日ごろから次のようなことに気をつけることが大切です。

自律神経を整える

交感神経は活動的なときに優位なる神経ですが、ストレスがかかっているときも活発に働きます。できるだけストレスを溜めないよう、自分なりのストレス発散方法を見つけましょう。また、リラックスしているときや眠っている間は副交感神経が優位になるので、意識的にリラックスタイムを設けたり、十分な睡眠時間を確保することも大切です。

悪影響を与える飲食物を控える

香辛料やカフェインなどの刺激の強いものやアルコールを摂りすぎると、血流が増加して停滞しやすくなり、顔の赤みが目立ちやすくなります。なるべく控えましょう。

腸内環境を整える

毛細血管拡張症には、腸内環境の悪化も関係しているのではないかという説があります。便が溜まったままになっていると、発生した腐敗物や有害ガスが腸壁から血液に取り込まれ、全身を巡ることでさまざまな肌トラブルを引き起こす可能性があるためです。バランスのよい食生活を心がけたうえで乳酸菌や食物繊維を積極的に摂り、腸内環境を整えるよう努めましょう。

寒暖差に注意

寒暖差の激しい所を行き来していると、皮膚の温度を調節している自律神経が疲れ、毛細血管が拡張したままになりやすいです。冬の外出時にはマフラーなどで顔を覆うなど、できるだけ顔を冷やさないよう心がけましょう。

スキンケア

肌が薄いと毛細血管が透けて見え、顔の赤みにつながります。クレンジングや洗顔などの際に必要な角質まで取ってしまわないよう、ゴシゴシこする洗い方はやめましょう。また、刺激が強すぎる化粧品も、皮膚を薄くする原因になります。

保湿する

角質層を健全な状態に育てるには、保湿ケアが欠かせません。洗顔後は、保湿成分が入ったスキンケア用品を使って、しっかりと保湿しましょう。ただし、血行促進剤の成分の入ったものは避けた方がよいでしょう。

まとめ

「赤ら顔」とも呼ばれる毛細血管拡張症の症状や種類、原因、治療法などをご紹介しました。毛細血管拡張症は加齢とともに起こるもの、若いうちから見られるものなど複数のタイプがあり、原因もはっきりとは解明されていません。日常生活では自律神経を整えるとともに、寒暖差に注意し、スキンケアを見直すなどの対策を実施しましょう。

また、見た目が気になるときは医療機関でレーザー治療などの施術を受ける方法もあります。保険が適用される治療もあるので、まずは医師に相談してみましょう。

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