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免疫力

免疫力を高める食事・食生活「5つの秘訣」

更新日:2018/05/25 公開日:2015/08/13

免疫力を高めれば病気になりにくくなる」とよく言われます。病気になりにくい健康的な体を維持するためには、どんな食生活を送ればいいでしょうか。ここでは、免疫力を高める食事や食生活のポイントを「5つの秘訣」としてまとめました。

秘訣1 「免疫力」について知る

よく「免疫力を高める○○」といいますが、実は免疫力という言葉は正式な医学用語ではありません。よって、「免疫力」と言われたときに何を指しているのかは、この言葉を使う人や状況によって異なります。

一般的に、食品やサプリメントに関して「免疫力を高める」と言っている場合は、動物や細胞などを用いた試験によって、免疫細胞の一部が活性化したことや、免疫細胞同士が連携するために使われている物質(サイトカインやインターロイキンなど)の量が増えたことなどを根拠としていることが多いようです。

ただし、免疫細胞は1種類だけでなく、マクロファージ、NK細胞、T細胞、B細胞、キラーT細胞、樹状細胞など、複数の種類の細胞が複雑に絡み合って働くことで免疫システムが成り立っていますので、ある一つの細胞や物質が増えただけでは、必ずしも効果が出るとは限りません。できれば、人が参加した臨床試験で効果が証明されているのかどうかを確認する姿勢が大事です。

また、免疫は細菌やウイルスなどの病原体や体内にできたがん細胞をやっつけるシステムであることはよく知られていますが、しばしば花粉や自分の身体を構成する物質を「敵」と勘違いして攻撃してしまうアレルギーや自己免疫疾患を引き起こすこともあります。免疫は働かなさ過ぎても、異常に働き過ぎても問題が起こりますので、ちょうどよい具合に調節されていることが重要であることもぜひ知っておいてください。

この記事では、免疫システムがうまく制御されており、病気になりにくい健康的な体を維持できる状態になることを「免疫力を高める」と呼ぶことにします。

秘訣2 バランスのよい食事を心がける

免疫システムを担う免疫細胞がきちんと働くためには栄養が必要です。先ほど述べたように、免疫細胞にはさまざまな種類があり、色々な武器を作り出して応戦するためには多様な栄養が必要になります。そのため、免疫力を高めるための理想的な食事のあり方とは、多くの種類の食品をバランスよく摂れるような食べ方です。

バランスのよい食事とは、主食(ごはん、パン、麺)、副菜(野菜、きのこ、いも、海藻)、主菜(肉、魚、卵、大豆)、牛乳・乳製品、果物を組み合わせた食事のことです。この後、免疫力を高める食べ物(食材)を紹介しますが、これらだけをたくさん食べていればよいということではなく、バランスのよい食事を前提としてうまく取り入れることが大事なのです。

なお、バランスのよい食事について詳しくは、厚生労働省と農林水産省が共同で作成した『食事バランスガイド』『毎日の食生活チェックブック』を参照してください。

秘訣3 善玉の腸内細菌を増やす

免疫細胞は外界と接しているところ、すなわち皮膚と消化管に多く配置されています。特に腸には、腸内細菌が100兆個以上も生息していると言われており、免疫細胞も多く配置されています。免疫細胞は感染症を起こす細菌やウイルスなどが身体の中に入ってこないか見張っていますが、腸内の細菌の状態により影響を受けます。

腸内細菌の中でも善玉菌と呼ばれる乳酸菌やビフィズス菌は、免疫細胞を成長(分化)・活性化させたり、ウイルスと戦うための武器(サイトカインなど)を作り出すのをサポートしたりする作用があると言われています。また、腸内細菌の一部が作り出す多糖類には、行き過ぎた免疫反応を制御する機能もあるそうです。実際に、人を対象とした臨床試験において、乳酸菌の摂取によりインフルエンザの予防やアレルギー症状の改善などが見られたと報告されています[1-5]。

乳酸菌を摂取するには、乳酸菌が含まれた乳製品(ヨーグルトなど)があります。乳製品が苦手な人は、乳酸菌を配合したタブレットやドリンク、お菓子なども販売されています。また、きな粉やバナナ、はちみつなどと一緒にとるのもおすすめです。これらには、乳酸菌のエサとなるオリゴ糖が含まれているので、腸内の善玉菌増加に効果的です。

秘訣4 ビタミンやミネラルをたっぷりと

ビタミンやミネラルは、免疫細胞のみならず全身すべての細胞が生きていくために必要な酵素がきちんと働くのをサポートしたり、抗酸化作用で脂質を酸化から守ったり、粘膜を丈夫にしてウイルスなどが侵入してくるのを防ぐなどのさまざまな働きがあることが分かっています。免疫によいとされている代表的なビタミンやミネラルは下記の通りです[1-2]。

  • ビタミンA(βカロテン)
  • ビタミンC
  • ビタミンE
  • ビタミンD
  • 亜鉛
  • マグネシウム

これらの栄養素が免疫にどのような作用を及ぼすのか、どんな食材に多く含まれるのかについては、『免疫力を高める食べ物・食材と効果的な摂取方法』をご覧ください。

秘訣5 タンパク質はしっかり摂り、脂質はほどほどに

栄養不足は免疫機能の低下を引き起こすことが知られています[1-2]。とくに細胞そのものを作り上げるもととなるタンパク質が不足しないよう、肉、魚、卵、大豆などの良質なタンパク質を十分に摂ることが大事です。おすすめは豆腐や味噌、納豆などの大豆製品。食物繊維や腸管粘膜を強化するビタミンB群も豊富に含み、整腸作用も期待できます。

また、過剰な脂質や糖質の摂取も免疫を下げると言われています[1-2]。ただし、n-3系脂肪酸については炎症を抑える働きがあり、中性脂肪や高血圧の低下、血栓の防止などにもよいと言われています。n-3系脂肪酸は植物油(特にアマニ油やえごま油)に含まれるα-リノレン酸や、青魚に多く含まれるDHAやEPAが該当します。とはいえ、n-3系脂肪酸も脂質ですので、摂り過ぎには注意してください。

参考文献

  1. [1]森下芳行.腸内細菌を健康に活かすプロバイオティクスとプレバイオティクス.  日本食物繊維研究会誌2000:Vol.4 (2); 47-58
  2. [2]田中沙智. 食品成分による免疫制御メカニズム. 信州大学農学部紀要 2015: 51; 1-8
  3. [3]Sugimura T et al. Immunomodulatory effect of Lactococcus lactis JCM 5805 on human plasmacytoid dendritic cells. Clin Immunol 2013: 149; 509‒518
  4. [4]鈴木弘章ほか. 乳酸菌Lactococcus lactis subsp. lactis JCM 5805含有飲料の摂取による抗ウイルス免疫応答および体調の維持に対する効果-プラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間比較試験-. 薬理と治療2015: 43(10); 1465-1472
  5. [5]Sakata K,et al. Preventive effect of Lactococcus lactis subsp. lactis JCM 5805 yogurt intake on influenza infection among schoolchildren. Health,9:756-762,2017

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