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性器カンジダ症が自然治癒することはある?放置は危険?

更新日:2017/12/25 公開日:2015/09/28

この病気・症状の初診に向いている科
婦人科

性器カンジダ症は女性に多い性感染症であると同時に、日和見感染症という側面もある病気です。カンジダは膣内にいる真菌(かび)の一種で、何らかのきっかけで症状を引き起こします。ここでは、性器カンジダ症の「自然治癒」について、ドクター監修のもと解説します。

性感染症でもあり、日和見感染症でもある性器カンジダ症

性器カンジダ症は、男性よりも圧倒的に女性に多い病気であり、多くの女性が一生に一度は経験するといわれています[1]。真菌(かび)の一種である「カンジダ」が異常に増殖するために膣や外陰が炎症を起こして、外陰や腟のかゆみとおりものの増加などの症状が現れます。

女性の性器カンジダ症は性行為(セックス)によって稀にうつることがあるため、性感染症の一種であるとも言えます。しかし、どこからうつったのかわからない場合も多いのが実情です[3]。腟内にカンジダがいる人の割合は、非妊婦で約15%、妊婦で約30%と報告されており、単に膣内にカンジダがいるだけでは治療の必要はありません [2]。

どうして、膣内にカンジダがいるのに治療の必要がないのかというと、健康な女性の膣内は他の微生物との共存バランスが保たれていて、カンジダだけが突出して増殖しないようにコントロールされているからです。ただし、環境の変化(抗菌薬の投与、妊娠や糖尿病などによる免疫力の低下、性行為による感染など)があると、カンジダはその制御から逃れ、異常に増殖を始めてしまいます。そうなるとさまざまな症状が出てきます。

このように、性器カンジダ症はもともと体内にカンジダを持っている人の免疫力が低下したときに発症しやすいという性質があるため、日和見感染(健康な人には感染症を起こさない微生物が原因菌となる感染症)のひとつとして捉えることもできるのです。

性器カンジダ症の「自然治癒」とは

ここまでに解説したように、人間とカンジダは体内で共存できる関係できる反面、何らかのきっかけで性器カンジダ症を発症・再発する可能性もあることから、何をもって「自然治癒」と言うかというのは難しい問題です。実際に、膣内にカンジダがいる人で治療が必要な人は妊婦でない場合は約35%、妊婦で約15~30%だったという報告[2]もありますので、体内にカンジダがいても症状がなければ「自然治癒」の状態であると言えるかもしれません。

しかし、外陰や腟のかゆみとおりものの増加といった症状が現れている場合は、カンジダが異常に増殖している証拠です。時には、運よく身体の抵抗力がカンジダの増殖を食い止めてくれることがあるかもしれませんが、もともとカンジダが増殖を始める何らかの原因があったわけですから、あまり期待しすぎず、早めに婦人科などを受診することをお勧めします。

カンジダは適切な治療により、1~2週間でほぼ治ります。しかし、再発を繰り返す人もおり、新たに再感染したか、残っていたカンジダが再増殖したケースが考えられます。

日常でできるケアとしては、陰部の清潔と安静を保つこと、陰部は石鹸で洗わずにお湯で軽く洗う程度にすること、陰部が蒸れないように通気性の良い下着を着用すること、症状のあるときは性行為を避けることなどです[2]。また、普段から栄養バランスのよい食事、十分な時間と質のよい睡眠、適度な運動など、できるだけ健康を維持できるように生活習慣を整えることも大切です。

病院に行かなくても治療できる

性器カンジダ症かもしれないけれど、まだ病院にかかったことがない人は、自己判断で自然治癒を待ったり、つらい症状を我慢したりせずに、早めに病院に行くことをお勧めします。もしかすると別の病気である可能性もありますので、しっかり診てもらった方が安心です。

一方、以前に病院で性器カンジダ症と診断されて治療をしたことがあり、その時と同じような症状が出てきた場合は、薬局で売っている薬で自己治療することもできます。薬剤師と相談しながら試してみるのも良いかと思います。ただし、それでも症状が治まらない場合は別の病気かもしれませんので、病院を受診してください。

※性器カンジダ症の治療法については、『カンジダ(性器カンジダ症)の治療法・治し方』をご覧ください。

性器カンジダ症と症状が似ている病気

異常なおりものが出るもの
膣トリコモナス症:量が多く、白色から黄色。強い悪臭がある
細菌性膣炎(さいきんせいちつえん):色が灰色で水っぽい。魚のようなにおい
子宮頸管炎(しきゅうけいかんえん):薄黄色から薄緑色で水っぽい~粘っこい など
かゆみがあるもの
性器ヘルペス:性器に水ぶくれや発熱、痛みがある
接触性皮膚炎:いわゆる「かぶれ」。かゆみを伴う湿疹が出る
皮膚掻痒症(ひふそうようしょう):見た目に目立った異常はないが、かゆみが出る など

カンジダが増殖しやすい環境

  • 免疫力が低い状態、糖尿病または妊娠中である
  • 抗生物質やステロイドなどを服用している
  • 通気性の悪い下着・服を着用している
  • 膣洗浄剤を必要以上に使用している
  • 患部を無意識に掻いている など

参考文献

  1. [1]川名尚. ”外陰および腟の感染症.婦人科疾患の診断・治療・管理” 日本産科婦人科学会
  2. http://www.jsog.or.jp/PDF/61/6101-047.pdf(参照2017-06-09)
  3. [2]日本性感染症学会. 性感染症 診断・治療ガイドライン2016, Jpn J Infect Dis 2016: 27(1); 1-171
  4. [3]東京都福祉保健局. ”性感染症ってどんな病気?” 東京都福祉保健局.
  5. http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/koho/kansen.files/sti.pdf(参照2017-06-09)

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