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痔は悪化するとどうなる?悪化させない方法は?

更新日:2018/04/27 公開日:2015/10/29

には主に3種類あり、一番多いのが核(いぼ)、次に裂肛(切れ)、その次が瘻(あな)です。ここでは、これらのが悪化するとどうなるのか、悪化させないためには何ができるのか、解説します。

◎短くポイントをまとめると
痔核(いぼ痔)は初期ではあまり痛くないが、脱肛の程度や場所により強い痛みが出る
裂肛(切れ痔)は主に排便時に痛くなるが、慢性化すると常に痛みが現れるようになることもある
痔瘻(あな痔)は手術が必要なので、なるべく早く肛門科に受診を

悪化した痔に苦しむ男性のイメージ写真画像

「3人に1人はおしりに痔がある」と一般的にいわれており、身近な病気です。何となく、自分は痔じゃないかな…と思いつつ、恥ずかしくてなかなか病院に行けないという人も少なくないのではないでしょうか。痔は主に3種類あり、一番多いのが痔核(いぼ痔)、次に裂肛(切れ痔)、その次が痔瘻(あな痔)です。ここでは、これらの痔が悪化するとどうなるのか、悪化させないためには何ができるのか、解説します。

痔核(いぼ痔)の悪化とその対策

痔核は、排便時(運動時、歩行時)に肛門から鮮血が出ることが特徴です。痛みはあることとないことがあり、肛門にかゆみを感じることもあります。原因は、肛門を保護してぴったり閉じる肛門クッションなどの支持組織が弱くなることだと考えられています。45~65歳に多く、男女差はほとんどありませんが、妊婦(特に妊娠後期)は痔核になりやすく、悪化しやすいことが知られており、便秘も悪化の要因のひとつと言われています。

痔核が悪化するとこうなる

痔核は、できる場所によって「内痔核」と「外痔核」に分けられます。

内痔核は直腸側の粘膜にできたもので、基本的に痛みはありません。しかし、進行して排便時などに肛門から飛び出してしまうようになると痛みを感じることもあります。これを脱肛といいます。初期では排便時に脱肛しても、排便が終わると自然に引っ込みますが、悪化すると手で押し込まないと戻らない、押しても戻らずに脱肛したままになります。こうなるとひどく腫れ、強い痛みを感じることが多いです。このような時は医療機関で緊急処置が必要です。すぐ病院に行ってください。

外痔核は肛門側の出口付近の皮膚にできたもので、形が悪く、脱出の仕方によっては痛みが出ます。また、うっ血して血栓ができると激しい痛みが起こり、何もなかったところに急にイボができてビックリします。あまりに痛くて生活に支障がある場合には、医療機関に行ってください。他の病気かどうか診てもらい、場合により処置も必要です(多くは外用剤や内服で様子を診ます)。

痔核の悪化を防ぐには

痔核では肛門からの出血が特徴ですが、この出血の原因が痔核とは限りません(まれですが、大腸がんなどの別の病気の可能性があります)。まずは消化器科や肛門科を受診して、痔核か大腸の病気かをはっきりさせることが大事です。その上で、痛みや腫れなどに対しての薬物療法や、外科手術が行われます。手術は日帰りでできる医療機関もあります。

悪化を防ぐための日常生活の注意点としては、下記のようなことがあげられます[1]。

  • 長時間にわたって座ることを避ける
  • 寒い場所で作業をしない
  • 重い物を持たないようにする
  • 体が冷えないようにする(冬のみならず夏場のエアコンによる冷やし過ぎにも注意)
  • 排便時にいきみ過ぎない
  • 節酒
  • 肉体的・精神的ストレスを避ける、解消する
  • 水分を十分に摂る
  • 食物繊維を十分に摂る
  • 長時間にわたって便器に座らない
  • 便意は我慢せずにトイレに行く
  • トイレは短時間で済ませる
  • 入浴して肛門周辺の血流を促進する など

裂肛(切れ痔)の悪化とその対策

裂肛は、排便時に痛みが出ることが特徴です。硬い便などで肛門が過剰に広げられたことで裂けて、傷ができてしまいます。便やトイレットペーパーには赤い血が少し付くことがあります。裂肛は男性よりも女性に多く(男女比は2:3)、男女とも20~30歳代に多く、65歳以上ではあまり見られません[1]。

裂肛が悪化するとこうなる

裂肛は、最初は排便時、もしくは排便後に痛みが出るだけで、その程度は軽く、痛む時間も短いです。しかし、便秘が続くなどして毎回硬い便が肛門を刺激すると、傷が治るどころか、慢性化してしまいます。また、患部に細菌が感染して裂肛痔瘻となり、ひどく腫れて痛くなります(これは肛門を専門とした医師でないと診断がつきにくいことも多いです)。

軽い炎症が続く場合は、やがて肛門内には潰瘍やポリープができます。このポリープが肛門の外に出てくると「見張りいぼ」と呼ばれます。このように慢性化してしまうと、排便時だけでなく常に激しい痛みを感じるようになったり、常に筋肉に刺激が加わって肛門が狭くなり、便を出しにくくなります。この場合は手術が検討されます。

裂肛の悪化を防ぐには

裂肛の治療は、硬い便が出ないようにすることと、肛門をほどよく清潔にすることが基本です。また、細菌感染のリスクを減らすという観点から、下痢にならないことも大事です。その上で、裂けた傷が治癒するまでは、外用薬を使って痛みや炎症を緩和する治療を行います。これらが効かない場合は外科手術を検討することになります。

悪化を防ぐための日常生活の注意点としては、下記のようなことがあげられます[1]。

  • 肉類を食べ過ぎない
  • 食物繊維を十分に摂る
  • 水分摂取を十分に行う
  • 辛いもの(刺激物)や冷たいものを摂り過ぎない
  • 下痢をしない
  • 酒を飲みすぎない
  • 脂っこいものを食べ過ぎない
  • ウォーキングなどの運動をして腸の働きを活発にする
  • 排便後のウォシュレットや入浴で肛門の衛生を保つ など

痔瘻はなるべく早く専門医へ

ここまで、痔核と裂肛について悪化したときの状況と悪化しないための対策について説明してきましたが、痔瘻については触れませんでした。その理由は、痔瘻は基本的に自然治癒が望めず、外科的治療が必要であるため、悪化しないための生活上の注意点は、下痢をしない、疲労をためないなどの一般的なこと以外にはなく、なるべく早く肛門の専門医に診てもらうことが第一であるからです。

特に痔瘻の診断と治療は、肛門専門医でないと適切にできないことがよく見受けられます。したがって、その見分け方が非常に大切になってきます。日本臨床肛門病学会によれば、全国で肛門科を標榜している病院のうち、約10%だけが肛門科を主として診療しているのが実態だったそうです[2][3]。

もし、肛門から膿が出続ける、肛門の周囲が腫れる、押すと痛い、座っていると何かが当たって痛いというような症状がある場合は、早めに病院を受診しましょう。

参考文献

  1. [1]日本大腸肛門病学会編. 肛門疾患(痔核・痔瘻・裂肛)診療ガイドライン2014年版. 南江堂 2014.
  2. [2]肛門科診療の専門性に再び光を―日本臨床肛門病学会設立の理事長に聞く. メディカルトリビューン(2017年3月8日) https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0308506635/index.html(参照2018/03/06)
  3. [3]厚生労働省. 平成26年 医師・歯科医師・薬剤師調査

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