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「白内障」「とびひ」などアトピーのさまざまな合併症

更新日:2016.12.09
公開日:2015.12.23
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この記事の監修者
くみこアレルギークリニック 院長 向田公美子

アトピー性皮膚炎は、かゆみをともなう湿疹をくりかえし、それだけでもつらい病気ですが、ときに合併症を引き起こすことがあります。アトピー性皮膚炎の合併症にはどのようなものがあるのか、その種類や症状、対処法を解説していきます。

アトピーに併発しやすい合併症について解説していきます。

アトピー性白内障

白内障とは、目のレンズの役割を果たす水晶体が白く濁り、視力が低下する病気です。

アトピーで白内障が起こる原因ははっきりとは解明されていませんが、アトピーによって目の周りがかゆくなることで、目をこすったり叩いたりしてしまうことが原因という説が有力です。

アトピー性白内障を発症すると、以下のような症状が現れます。

  • 目のかすみがある
  • 光がまぶしく感じる
  • 霧がかかったように、ぼやけて見える
  • 物が二重・三重になって見えてしまう
  • 物が見えにくくなる

ある程度以上に水晶体が混濁し視機能に不都合をきたすようになった場合は白内障手術を行います。これは濁った水晶体を取り除き、人工のレンズと入れ換える手術で、見え方はかなり回復します。ただし、アトピーの白内障は若年でも起こる事があるので、手術後に老眼の問題も残ります。

とびひ(伝染性膿痂疹)

とびひ(伝染性膿痂疹:でんせんせいのうかしん)とは、主に乳幼児や小児がかかる細菌感染症です。夏場に発症することが多く、強い伝染力があります。体にかゆみをともなう水ぶくれができ、掻いた手でほかの部位に接触すると症状が伝染します。

とびひは、主に黄色ブドウ球菌と化膿レンサ球菌の2つの細菌が原因となります。これらの細菌が傷口などから体内に侵入し、感染が起き発症します。

アトピーの人は、掻いた傷があるためほかの人よりもうつりやすく、また、肌のバリア機能が低下していることもとびひを合併しやすい理由のひとつです。

とびひは抗生物質によって菌を死滅させることで、大半の症状は改善します。また、肌を清潔に保ち、しっかりと保湿することが重要です。

ヘルペスウイルス感染症

ヘルペスウイルスというウイルスの感染によって、体や口周りに小さな水泡ができ、ピリピリとした痛みをともないます。

子どもに多く見られる水疱瘡(みずぼうそう)もヘルペスウイルスによるもので、アトピーをもつ子どもの場合、水疱瘡にかかったときの悪化具合が激しい傾向があります。

治療には、アシクロビルという抗ウイルス薬が用いられます。

アトピー性皮膚炎の重症患者の場合、まれに水痘様(すいとうよう)発疹症を合併することがあります。水疱や膿疱といった症状が出て、ヒリヒリした痛みをともないます。症状は顔全体に広がったり、全身におよぶ場合もあります。ステロイド軟膏を塗ると、さらなる悪化を招きます。

アトピーは、通常であればかゆいものです。いつもと違って痛みがあると感じたらすぐに診察を受けましょう。

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