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とびひの症状を悪化させないためのホームケア

更新日:2017.07.20
公開日:2016.02.11
ドクター画像
この記事の監修者
くみこアレルギークリニック 院長 向田公美子

とびひ(伝染性膿痂疹)は急速に症状が広がるので、悪化しないよう早めの対策が大切です。こちらでは、ドクター監修のもと、とびひが悪化してしまう原因と、適切なホームケアについて解説します。

とびひ(伝染性膿痂疹)が悪化する原因を取りのぞき、適切なホームケアを行うことは、とびひの早期治療につながり、予防にも役立ちます。ここでは悪化させる原因と、悪化を防ぐホームケアについて解説します。

とびひ(伝染性膿痂疹)を悪化させる原因とは?

とびひには、水疱や膿疱(のうほう)ができる「水疱性膿痂疹(すいほうせいのうかしん)」と、膿疱が破れて厚いかさぶたを形成する「痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん)」の2種類があります。いずれも、水疱や膿疱に直接触れることで、水疱や膿疱の中の菌が拡散し、悪化する原因を作ります。また、乾燥肌やアトピー性皮膚炎などで肌のバリア機能が低下している方は、とびひにかかりやすく、悪化もしやすいので注意が必要です。

水疱性膿痂疹を発症すると、その原因である黄色ブドウ球菌の産生する毒素により、全身の皮膚がやけどのように赤く腫れたり、むけてしまうことがあります。これは、「ブドウ球菌性熱傷様(ねっしょうよう)皮膚症候群」と呼ばれ、「SSSS(Staphylococcal Scalded Skin Syndrome)」とも言います。乳幼児は入院が必要となるほど重症になることがありますので、とびひを疑う症状がでたら早めに受診することをおすすめします。

痂皮性膿痂疹は、かゆみよりは痛みをともなうことが多く、子供より成人に多く見られます。痂皮性膿痂疹が重症化すると、菌が出す毒素によって全身が赤くなることもあります。まれに合併症として腎機能が低下し、タンパク尿や血尿が出る糸球体腎炎(しきゅうたいじんえん)という病気を併発することがあります。腎障害を予防するため、10日程度は抗生物質を飲み続け、腎臓への影響を確認するために尿検査を行うことがあります。だるいなどの全身症状があるようであれば、すぐに受診しましょう。

とびひと思われる疑わしい症状(水疱、膿疱など)を見つけたら、患部を直接触らないことと、早めに皮膚科を受診することが大事です。また、抗生物質を服用する場合は、患部がよくなっても途中でやめず、医師の指示にきちんと従いましょう。

ホームケアのポイント

とびひの悪化を防ぐホームケアのポイントは、身体や身の回りを清潔にすることです。水疱や膿疱を掻くことで症状を悪化させるので、爪を短く切り、手洗いを十分に行いましょう。

水疱や膿疱が皮膚表面にあるうちは、湯船にはつからずシャワー浴に切り替えましょう。せっけんを泡立てて水疱やかさぶたを優しく洗い流し、患部が乾いてから抗生物質の塗り薬を塗ります。通気性の悪い絆創膏は使用せず、ガーゼなどを使用して患部を覆ってください。

タオルなどは家族と共有しないようにしましょう。また、家族全員で爪を短くして手洗いを十分に行うことは、とびひ対策だけでなく、ほかの感染症に対しても効果的です。普段から適切なホームケアを行って、健康的な生活を維持しましょう。

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