ADHD

ADHDは治るの?大人のADHDの治療の目的と方法

更新日:2016/12/09 公開日:2016/05/20

医療機関を受診して「ADHD」と診断されたら、どうすればいいのでしょうか。大人になってからでも治療ができるのか、治療をすればADHDが治ることはあるのかなどADHDの治療の目的と方法について、ドクター監修の記事にて詳しくお伝えします。

大人のADHDの治療にはどんな方法があるのか、治療すれば完治するのかなど、ADHDの治療に関する疑問にお答えします。

ADHDは完治するの?

ADHDは注意欠如多動性障害とも呼ばれる発達障害のひとつで、生まれ持ったその人の特性と言えます。そのため、治療しても根本的に治るというものではありません。

しかし、医療機関で正しい診断を受け、適切な治療を行えば、本人を取り巻くつらい状況が徐々に改善され、精神的にも落ち着いて毎日を過ごせるようにすることは可能です。

大人のADHDの治療の目的

ADHDは不注意、多動性、衝動性といった症状から、職場や家庭においてさまざまな困難が起こります。いろいろなことが上手くできないため、自分を責めたり、落ち込んだりすることもたびたび。このような状況が続くと、うつ病や双極性障害(うつ状態と躁状態をくりかえす)など二次的な障害が起こることもあり、さらに状況が悪化するという悪循環に陥ります。

ADHDの治療の目的は人とのかかわりを含めた環境の整備や薬による症状の緩和などによってADHDの症状の影響を少なくすることです。そして、困難な状況を少しでも改善して悪循環を断ち切り、ADHDの症状を自分の特性として上手く付き合っていけるようにすることが治療の目標になります。

大人のADHDの治療方法

まずは、環境を改善し、社会性や対人関係能力を身に付ける「心理・社会的療法」を行い、状況に応じて症状を抑える「薬物療法」を併用します。

心理・社会的療法

まず行うのが「環境調整」です。これは、本人が自分の特性を理解し、困難の少ない暮らし方や生活環境・人間関係を見直すことなどを含みます。

たとえば、「よく考えてから話す」「集中が必要なときは気が散る原因を極力排除する」「安請け合いをせず、周囲に相談してから返事をする」などの点に気をつけましょう。自分で努力・工夫していけることもあれば、一方で、周囲の人に協力を得てやっていくことも大切です。「指示はできるだけ短く簡潔にだしてもらう」「スケジュールは人目につく場所に貼り、期日が近付いたらひと声をかけてもらう」「困った時は家族や友人に頼る」など、周囲の協力を得ながら実践し、職場や家庭の環境を改善していきます。

ほかにも、社会のマナーやルールを守り、対人関係を良好にするためのスキルを習得する「ソーシャルスキル・トレーニング」や、ものの考え方や受け取り方などを見直して適切な行動につなげる「認知行動療法」なども行われます。「ソーシャルスキル・トレーニング」については、『ADHDの心理・社会的治療ソーシャルスキル・トレーニングとは』の記事も参考してください。

薬物療法

ADHDの原因はまだ明らかではありませんが、脳内の神経伝達物質「ドパミン」や「ノルアドレナリン」が不足することで症状が起こるといわれています。そこで薬物療法では、神経伝達物質を活性化させるメチルフェニデートやアトモキセチンという薬を使用します。どちらも、服用している間はADHDの主症状を抑える効果があり、ADHD治療薬として18歳以上の人にも承認されている薬です。

治療をするうえで重要なこと

治療の効果はすぐには現れませんが、自分だけでなく周囲の人にもADHDの症状について理解してもらい、適切に対処することで少しずつできることを増やすと自信につながり、気持ちが軽くなっていくでしょう。治療をするうえでは焦らずにゆっくり成功体験を積み重ねていくことが大切になります。

ADHDの治療には、本人の努力と工夫とともに周囲のサポートを得ることもとても重要。誠実な態度で人と向き合い、素直にお願いして協力者を増やしていく努力も必要です。

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