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メラニンをシミにさせない、秋の美白ケア

更新日:2017.03.06
公開日:2017.02.27
ドクター画像
この記事の監修者
銀座ケイスキンクリニック 院長 慶田朋子

秋の女性の肌の美白、それを阻害する原因や問題点はいろいろ考えられます。ここではメラニンをシミにさせない秋の美白ケアについて考え、化粧品の選び方や活用方法などをドクター監修で解説します。

女性の憧れ、「色白肌」

白い肌は多くの女性が憧れるものです。しかし、日々の生活や仕事の中で肌は紫外線や有害物質などの酸化ストレスにさらされ、色白肌を守るのは容易ではありません。人間の皮膚には、もともとダメージを回復する機能が備わっていますが、過剰なダメージには修復機能が追い付かないことがあります。その一つが女性の大敵、シミです。子供のころから無防備に浴びてきた紫外線の影響が20歳以降、次々に出てきます。紫外線を適切にブロックしつつ、受けてしまったダメージを回復させるケアを行って美しい肌を取り戻しましょう。

美白の大敵、シミの原因となる紫外線

紫外線が皮膚にあたると、表皮細胞のDNAに傷がつきます。この傷を回復する力が人体には備わっていますが、紫外線を大量または長期間浴びるとDNAの修復が追い付かず、メラニンを作り続けてしまうようになります。これがシミ(日光性色素斑)です。シミは一度できると、なかなか消えない女性の大敵です。シミの原因となるメラニンについて見てみましょう。

メラニンの役割

紫外線で表皮細胞のDNAに傷がつくと、シミや老人性イボができるだけでなく、皮膚がんになることもあります。このように有害な紫外線から核内のDNAを守る役割を持っているのがメラニン色素です。表皮の最下層にはメラニン色素を産生するメラノサイトという細胞が有ります。このメラノサイトを刺激して活性化させる要因の一つが紫外線で、紫外線を受けるとメラニン色素を作りだして皮膚を黒くし、さながら傘をさす様に表皮細胞の核や真皮を紫外線から守ります。

メラニンと活性酸素

メラニンには、ユーメラニンとフェオメラニンの二種があり、ユーメラニンは褐色から黒、フェオメラニンは黄色から赤の色素で、前者は紫外線で発生した活性酸素を消去しますが、後者は逆に活性酸素を作りだしてしまいます。

この活性酸素もメラノサイトを刺激する要因の一つで、メラノサイト刺激ホルモンが分泌されてメラニンが作られます。活性酸素を産生する要因には他にも喫煙やストレス、睡眠不足や過剰な飲酒などさまざまあります。

シミとして残らないために必要なこと

特に、紫外線に肌がさらされた夏から秋にかけてのシミ対策、セルフケアは重要です。ここではシミにならないために、そして肌のダメージを回復するために必要な美白ケアについて解説します。

覚えておきたい3つの要素

メラニン産生の主な要素として紫外線、活性酸素、炎症があげられます。紫外線と活性酸素はすでに触れましたが、虫刺されや湿疹などで生じる炎症も身体にとってはストレスです。防御反応としてメラニンが増えて色素沈着の原因のひとつになります。

肌のターンオーバー

人の細胞は常に新しく作られ続けていて、肌の生まれ変わりをターンオーバーと言います。このサイクルは年齢などの個人差もありますがだいたい28~45日といわれています。ターンオーバーが正常であれば美白の宿敵、シミの原因になる過剰なメラニン色素は体外へ排出されます。これが加齢などにより滞るとシミやくすみになるのです。ターンオーバーを整えるには、良質な睡眠など生活習慣ももちろん大事ですが忙しい現代社会では、なかなか難しいこともあります。ですから、適切な方法で刺激することも美白に効果的です。

ピーリングでターンオーバーをうながす

ターンオーバーを正常化するためにはピーリングは有効な方法です。角層をほんの少し溶かしたり、削ったりすることで表皮のターンオーバーを刺激してメラニン排出をうながすことができます。市販のピーリング剤にはせっけんやローションやジェルなどがあります。クリニックでは、濃度が濃く酸性度が高いフルーツ酸を使うケミカルピーリング、レーザーによるレーザーピーリングなどがあります。ケミカルピーリングには4段階あって、日本人には角層をほんの少し溶かす最浅層ピーリングが安全です。

美白化粧品の選び方

美白のための化粧品もさまざまなものがあって悩むことと思います。化粧品に含まれる美白成分には大きく分けて3つの作用があります。

1.シミを予防・抑制する

メラニンができる過程(チロシナーゼや情報伝達)に働きかけるもの

2.黒色メラニンの淡色化

すでにできてしまった黒色メラニンを還元し、色素沈着を防ぐもの

3.ターンオーバーの促進

代謝促進などでメラニンを含む角質を排出し、日焼けやシミを改善するもの

美白有効成分の効果と特徴

美白へのアプローチのために美白化粧品に入っている成分を知りましょう。

・ビタミンC誘導体

体内でビタミンCに変化する進化型ビタミンC。メラニンの生成を阻害し、できてしまったシミにも有効。抗酸化、代謝、色素沈着防止、皮脂コントロール、美肌作用などマルチタイプ。

・トラネキサム酸

止血剤にも使われる人工アミノ酸を技術改良したもの。メラノサイトを活性化させる酵素の働きを阻害し、シミを抑制する。抗炎症効果により肝斑にも有効。

・アルブチン

コケモモや梨などの植物に含まれる天然由来の成分。メラニンを生成する酵素に働きかけてシミの生成を阻害する。また、低刺激で安定性が高く、多くの美白化粧品に用いられている。

・プラセンタエキス

哺乳類の胎盤に含まれる。チロシナーゼの働きを阻害。皮膚の細胞分裂を促進し、ターンオーバーを促すことによりメラニン角質を排出する作用もある。

・4MSK

チロシナーゼの活性を抑えてメラニンを抑制、ターンオーバーの改善でシミになりやすい(慢性角化エラー)角質を排出する手助けをするW効果タイプ。

・カモミラET

カモミール抽出成分で、メラニンの生成の指令を出すエンドセリンという物質に作用。シミを防ぎ、できてしまったシミを薄くするW効果タイプ。

・ハイドロキノン

肌の漂白剤と呼ばれるほどの高い効果があり、皮膚科や、アメリカなどの医療機関で主流の美白成分。メラニンの生成を抑え、メラニンを作る過程もブロックすることでシミを予防する。

・ルシノール

シベリアモミに含まれる成分から開発された美白成分。チロシナーゼに作用してメラニンの生成を抑える。肝斑にも効果があるといわれている。

・リノール酸

ベニバナ油由来の美白成分。チロシナーゼの量を減らして分解を促進、メラニンの生成を抑える。肝斑にも効果があるとされている。

・t-AMCHA(ティーアムチャ)

大豆や卵黄から抽出。メラニンの生成を指示する物質と活性化する酵素を阻害、新たなシミの発生を防ぐ効果が期待できる。

・コウジ酸

お酒の原料となるコウジ菌が発酵する過程で生まれた美白成分で、チロシナーゼの活性を抑え、メラニンの生成を抑制。

それぞれ有効濃度は異なります。美白化粧品を使用して何か異常を感じたらすぐに皮膚科を受診されることをおすすめします。

シミを残さないためのスキンケア

乾燥した肌はダメージを受けやすく角質も厚くなりがちです。透明感のある色白肌を叶えるためには角層のバリア機能をキープするための保湿も大切です。角質細胞と角質細胞の間を接着しながら水分を挟みこむ角質細胞間脂質、水分を抱えこむ天然保湿因子、皮脂膜といった3要素が十分にあると、角層のバリア機能は強固になり、外部からの異物の侵入を防いでくれます。肌のうるおい補給としては水分保持効果のあるヒアルロン酸やセラミド、多糖類、アミノ酸などが配合されたものを選びましょう。

成分をパックする、シミ対策ケア

化粧水の有効成分を集中的に肌に届けるためにパックも有効です。顔型のシートに化粧水をしみこませて使用します。

パックは使い方を誤ると逆効果

シートパックは成分が浸透しやすい点がメリットですが、刺激性皮膚炎になることもあります。使用時間は取扱説明書をよく読んで時間厳守で使いましょう。化粧水を肌に浸透させるためのパックですが、パックが乾燥するとかえって肌の水分が奪われてしまうので、必ず使用時間を守り、パックの後にはクリームなどで保湿することが重要です。

パックの使用頻度

普段お使いになっている化粧水を染み込ませて使用するのであれば、短時間なら毎日の使用でも大丈夫でしょう。

パックを使うタイミング

日焼けによる炎症などが十分に落ち着いた後など、集中的にケアしたい時にパックは効果的です。

必要を感じたら迷わずクリニックへ

秋であっても紫外線は降り注ぎ、女性の肌を傷つけます。予防や対症療法、美白化粧品などさまざまな方法がありますが、使い方や間違った方法をしてしまうと逆に肌にダメージを与えかねません。化粧品などはしっかりと成分や説明を読んで、正しく使いましょう。そして何か異常を感じた時には迷わずクリニックなどを受診しましょう。

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