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便秘による腹痛の原因と痛みをやわらげる解消方法

更新日:2017.11.17
公開日:2017.04.07
ドクター画像
この記事の監修者
ただともひろ胃腸科肛門科 院長 多田智裕

便秘とは、排便の際に何らかの障害があったり、排便の回数が減ったりすることを指します。長期間便秘が続くと、腹痛などさまざまな体調不良の原因となります。ここではドクター監修のもと、便秘で発生する腹痛の原因について解説します。

生活習慣や食生活などが原因で、思うように排便できない場合には便秘の可能性があります。特に、腹痛をともなうような便秘には要注意です。今回は、便秘と腹痛の関係性について見てみましょう。

便秘の定義と症状

人は食べ物を食べて活動し、不要なものや老廃物などを便や尿として排出する機能を持っています。生活するうえで、体の健康のためにも適切な排便は重要なのですが、なんらかの原因で上手に排便できない状態を便秘といいます。

医学的には、「排便の回数が1週間に3回未満」や「排便する時間の25%以上はいきむ必要がある」場合に便秘とする場合が多いようです。しかし、3日に1回の排便でも、本人が苦痛も自覚もないようなら、便秘ではないといえるなど、はっきりとした便秘の自覚については個人差があるようです。

たとえば、便秘の症状といえば「便が排出されない状態」や「排便の回数が減ってしまった状態」をイメージしやすいですが、他にも「排便時の不快感」なども症状の1つとして現れます。具体的には、便が硬く力を入れないと排便ができない状態や、排便した後に残便感がある、おなかの張りや違和感を覚えるなどの排便時の不快感も便秘の症状の1つと考えられます。

腹痛をともなう便秘の原因

便秘の症状は、主に排便関係の症状が多いと説明しましたが、最近では腹痛をともなう便秘の原因が解明されてきました。

これまで、便秘の原因としていわれていたのは、食物繊維や水分不足により硬い便になってしまうこと、生活習慣やストレスなどによる体調の変化、大腸の動きが低下して便が上手に排出できなくなることなどがありました。しかし、最近ではこれらに加えて「ねじれた腸管による腸管通過障害」が原因で、腹痛をともなう便秘になることがわかってきました。

一般的な便秘であれば、腸が動いていない状態の「腹痛をともなわない便秘」なのですが、ねじれた腸管が原因の便秘は、腸が動いているにもかかわらず、腸がねじれているため便を排出できなくなっています。その結果として、腹痛が起きてしまうのです。

このようなねじれ腸の特徴としては、子供の頃から便秘気味、腹痛をともなう便秘になる、便秘後に下痢になるなどがあげられます。思い当たる症状があれば、病院を受診しましょう。

腹痛をやわらげる解消方法

便秘の症状をやわらげるためには、いくつかの方法を組み合わせて日常的に予防することが大切です。便秘の症状を緩和する方法としては、下記の点に気をつけるとよいでしょう。

栄養バランスのとれた食べ物を摂る

食事は便秘に対する基本的な対策方法です。ポイントとしては食物繊維を1日20~25g摂取すること、十分な水分を摂取すること、脂肪分の多いものを食べ過ぎないなどがあります。

具体的な改善方法ですが、毎日3食バランスのよい食事を摂りましょう。また、食事の際にスープや汁物などを積極的に摂取するとよいでしょう。

排便習慣でお腹をスッキリさせる

排便行為を習慣づけるため、排便しなくても、毎日同じ時間にトイレに座って習慣化する方法があります。

腸を刺激するマッサージ

適切な運動やおなかを温める、下腹部を「の」の字にマッサージするなど、血行を促進したり腸を適度に刺激したりする行為もおすすめです。その他、症状がひどい場合には下剤を使用するなどの方法もありますが、原因ごとの正しい対処が必要です。形状や強さもさまざまなため、医師と相談して、症状や原因にあわせた下剤を正しく服用するようにしましょう。

病院で検査を受けるタイミング

慢性的に便秘になっていると、長期間適切な処置を行わない方がいます。しかし、便秘によって有害物質が体外に排出されないと、腸内で有害物質が発生したり再吸収されたりします。その結果、肌荒れや頭痛、最悪の場合には腹痛で救急外来を受診しなければならなくなることもあります。また、硬い便や一度に大量の便が出やすくなるため、肛門に負担がかかり、痔になりやすいなども考えられます。

このように、便秘が続くと体調に影響を与え、放置してしまうと最悪の場合には命にかかわることもあります。慢性的な便秘や痛みを感じるようであれば、なるべく早めに生活習慣の改善をし、病院で検査を受けるようにしましょう。

近年は便秘の専門的な検査を行う便秘外来が設けられている医療機関もあります。数か月以上、日常生活に注意を払っているにもかかわらず、症状が改善しないのであれば、早めに受診することをおすすめします。

大腸内視鏡検査など便秘の検査とは

医療機関で診察を行う場合、問診や触診、血液検査、腹部のX線検査などを行うことが多いです。これらの結果で異常があったり、3か月以上症状が続いていたりする場合には、念のため大腸内視鏡検査を受けた方がよいでしょう。詳しく調べることで、病気の早期発見につながり、早めの対応が可能となります。便秘の症状が続いている場合には、便秘だからと思わず、早めに医師に相談しましょう。

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