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FGF(線維芽細胞増殖因子)って何?

更新日:2017.03.26
公開日:2017.03.24
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この記事の監修者
肌クリニック大宮 院長 相馬孝光

「FGF」とは、細胞の分化や増殖を促進する「線維芽細胞増殖因子」のことです。耳慣れない言葉ですが、早くも美容や発毛の分野でFGFの活用が始まっています。FGFの種類や効果について、ドクター監修の記事でお伝えします。

FGF(線維芽細胞増殖因子)は、美容や発毛の分野で利用されている細胞増殖因子のことです。まだ解明されていない点が多い物質ですが、FGFを利用することでアンチエイジング効果を得られることもあります。

FGF(線維芽細胞増殖因子)とは

FGFとは「Fibroblast Growth Factor」の略で、線維芽細胞増殖因子のことを指します。FGFは人の細胞から作られる、細胞の分化や増殖を促進するタンパク質です。FGFは23種類に分類され、さまざまな機能を発揮します。FGF1から10は「線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)」と結びつくことで効果を発揮し、傷の治療やアンチエイジングなどさまざまな分野に活用されています。FGF11から14はFGFRとは結合せず、FGF1から10とは性質が異なります。また、FGF15以降は発見されてからそれほど時間が経っておらず、まだ解明されていない点が多いといわれています。

FGFの種類

前述の通り、FGFには23種類あります。この記事では、比較的身近な分野で活用されるFGF-1、FGF-2、FGF-7について解説します。

FGF-1

FGF-1はaFGFとも呼ばれ、線維芽細胞の増殖を促進します。線維芽細胞とは、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などを作り出し、真皮を形成するのに不可欠な細胞です。また、真皮の形成以外にも血管の修復作用などの働きがあるとされています。

FGF-2

FGF-2は、FGF-1と同様に線維芽細胞の増殖を促進する因子ですが、bFGFの方がより強力な増殖促進作用があるとされています。また、FGF-1が酸性の成分であることに加え、FGF-2は塩基性であるという性質の違いがあります。

FGF-7

FGF-7は、毛母細胞に含まれる因子です。毛母細胞とは毛穴の中にある細胞で、この毛母細胞が活発にはたらくことで毛髪を構成する成分であるケラチンというタンパク質を集め、毛髪を成長させます。このことから、FGF-7は「ケラチノサイト増殖因子」「角化細胞増殖因子」とも呼ばれています。

FGFが身体にもたらす効果

FGFは身体のさまざまな部位で細胞の分化や増殖を促進するため、ダメージを受けた身体の組織を回復させることができます。たとえば、FGF-1やFGF-2はコラーゲンやエラスチンなどを生成して真皮を形成するので、ケガをしたときにダメージを受けてしまった皮膚や粘膜を修復することが期待できます。こうした作用を応用して、美容や発毛などの分野でFGFを活用する動きが広まっています。

美容分野でのFGFの活用

美容外科などでは、FGFを肌に注入して美肌効果を得ることを目的とした施術が行われています。これはFGFのはたらきによってコラーゲンやエラスチンの生成を促し、加齢などによってできてしまったシワやくぼみなどを解決するという方法で、肌の悩みを抱える女性に人気です。コラーゲンやエラスチンなどの成分は、細胞と細胞の間をつなぐ役割を果たしており、これらが真皮にあるおかげで肌にハリや弾力が生まれます。

こうした施術ではFGFを肌の表面に注入しますが、通常、美容成分などが肌の表面である角質層から真皮まで届くことはありません。しかし、FGFの場合は受容体であるFGFRが皮膚の表面に存在しているので、表皮層へFGFを注入することにより成分を真皮層まできちんと届けることができるとされています。FGFとFGFRが結びつくことによってコラーゲンやエラスチンを増殖させる命令が線維芽細胞へ届き、真皮層が充実することでシワやくぼみなどの改善が期待できます。

ヒアルロン酸注入なども真皮層の充実をはかる施術ですが、効果は極めて一時的なもので、3か月から1年程度しか効果を維持することはできません。それに対し、FGFを使った施術ではヒアルロン酸のように体内に吸収されて消えてしまうまでの時間が長く、個人差はありますが3年近く効果が続く場合もあり、肌にハリやうるおいを取り戻したいという女性から注目を集めている美容法です。

発毛分野でのFGFの活用

発毛分野では、FGF-1、FGF-2、FGF-7やその他の細胞増殖因子や成長因子を組み合わせ、さまざまな方向から発毛促進を目指します。

FGF-1、FGF-2

FGF-1やFGF-2が直接、頭髪の成長を促進することはありません。しかし、線維芽細胞の成長や血管の修復を促進するはたらきを利用し、頭髪に栄養を届けるために重要な頭皮の血管や頭皮の状態を改善させます。頭皮が弾力を取り戻し、ハリのある地肌を作ることにより、間接的に頭髪の成長を助けます。

FGF-7

前述の通り、FGF-7は毛穴の中の毛母細胞の活動を活発にします。毛母細胞の分裂や増殖を促進し、頭髪を成長させる効果が期待できます。

IGF-1、PDGF

IGF-1は「インスリン様成長因子1」と呼ばれる肝臓で作られる成長因子で、さまざまなものの成長を促進します。PDGFは「血小板由来増殖因子」の略ですが血小板以外の細胞からも生成されることがわかっており、毛乳頭にあるPDGFの受容体と結びつかせることで、成長をストップさせている休止期の毛髪の成長を促すことができます。

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