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皮膚疾患・粘膜の病気

虫に刺されたときの対処

更新日:2017/08/18 公開日:2017/03/31

コッツフォード 良枝先生

この記事の監修ドクター

コッツフォード 良枝先生

この病気・症状の初診に向いている科
皮膚科

虫による皮膚トラブルには、刺されてかゆくなる、血を吸われて腫れる、触れて痛くなるなどさまざまです。ドクター監修の記事で虫が原因による皮膚トラブルについてと、その原因や対処法について解説していきます。

私たちの身近にはハチや蚊など、たくさんの種類の虫がいます。無害な虫もいますが、中には皮膚トラブルを起こす有害な虫もいます。虫による皮膚トラブルは、大きく分けて以下の3点です[1]。

  1. 吸血されて起こるもの
  2. 刺したり咬まれたりして起こるもの
  3. 触れて起こるもの

吸血されて起こる皮膚トラブル

蚊、ノミ、ダニ、シラミ、ブユなどは栄養補給のために動物の血を吸います。吸血する際に毒液を注入されるため、それに対するアレルギー反応が起きて、刺された場所に炎症が起こります。症状は一般的にかゆみを伴う赤い発疹が出て、しばらくすると治まるケースが多いです。虫の種類や体質によっては強いかゆみが続くこともあります。

蚊は産卵のためにメスのみが吸血するといわれています。蚊に刺されると、赤く腫れて、水ぶくれのようになることが多いです。また、たいていは刺されてすぐにかゆみが発生します。

イエダニ・ノミ

強いかゆみを引き起こします。イエダニは赤いブツブツができます。また、ノミはネコについたものからうつることが多く、地表から人間のひざ下くらいまで高くジャンプすることも可能なので、ひざ下から足首くらいまでに発疹が出現しやすいです。発疹は豆粒大から、サクランボ大にもなる水ぶくれを発生させることもあります。

マダニ

野外に生息するマダニは、普通のイエダニよりも1~2週間、身体にくっついて吸血するので注意が必要です。マダニは口の先を皮膚に刺して、抜けないようにセメントのような物質を出して固定します。そのため、無理に除去しようとしても、うまく剥がせないことが多いです。皮膚ごと切除しなければならないので、皮膚科を受診しましょう。

ブユ

ブユは川の周辺などの野外に生息しています。哺乳類の血を好み、皮膚を噛み切って吸血します。

刺したり咬まれたりして起こる皮膚トラブル

ハチやアリなどは、自分や自分の巣を守るために攻撃もしくは威嚇(いかく)のために相手を攻撃します。ハチは毒針を刺し、アリは咬むことで攻撃します。このとき酸を含む毒液を注入するので、痛みを伴う激しい炎症が起こります。

ハチ

ハチに刺されたときは、針を刺されたこと自体に加え、ハチ毒などが体内に入ることで痛みが出ます。初めて刺されたときは2~3mmの赤みのある腫れですみますが、2回目以降は刺された部分が激痛を起こし、赤い腫れが徐々に大きくなり、1週間ほど症状が続くことが多いようです。リンパ節が腫れることもあります。刺されてから数分から10分で蕁麻疹や呼吸困難、意識障害などが起こる重いアレルギー反応(アナフィラキシーショック)が起こることもありますので注意が必要です。

アリ

現代では、海外から日本にいない生き物が入ってくることがあります。最近、話題となったヒアリは、体長が2.5~6mm程度で赤茶色の有毒アリで、きわめて攻撃性が強いため、世界各地で大きな問題となっています。刺されるとアルカロイド毒により熱をもった非常に激しい痛みが起き、水ぶくれになって腫れ、膿が出ます。ハチの毒と同じ成分も含まれていますので、ハチ毒アレルギーのある人は特に気を付ける必要があります[2]。

触れて起こる皮膚トラブル

毒蛾(どくが)や毛虫に触れることで、ブツブツやかゆみが出てかぶれることがあります。直接触れていなくても衣服などに付着した針や毛に触れることでも起こります。毛虫は暖かい季節にサザンカやツバキなどの木の周辺にいることが多いようです。また、ハネカクシという虫が分泌した体液に触れると水ぶくれを引き起こすことが知られています。

虫による皮膚トラブルの対処法

症状が軽い場合は市販の虫さされ用の薬でも十分です。かゆみがある場合がほとんどだと思われますが、できるだけかかないようにします。特に子供の場合は、患部をついついかきむしってしまい、細菌が感染してとびひなどの別の皮膚病を引き起こすこともありえます。かゆみが引かない、腫れや痛みが強い場合は皮膚科を受診しましょう。

水ぶくれ

虫さされ用の薬を塗ってから、清潔なガーゼなどで保護します。水ぶくれはむやみに破ると細菌による感染を招くことがありますので破かないようにしましょう。大きな水ぶくれや、痛みがある場合は皮膚科を受診することをおすすめします。

皮膚に毒針や毒毛が残っているとき

ピンセットなどで毒針を抜いたり、セロハンテープなどで毒毛を剥がしたりしてから、流水で洗い流しましょう。ただし、マダニは自分で取ろうとせず、皮膚科に行って取ってもらいましょう。

アナフィラキシーの兆候がある

アナフィラキシーの兆候、すなわち消化器症状(繰り返し吐く、強い腹痛)、呼吸器症状(強い咳込み、息のしにくさなど)、全身症状(唇や爪が青白い、意識が朦朧としている、失禁など)があるようなら、一刻も早く病院を受診してください。今までにアナフィラキシーを起こしたことがある人にはアドレナリン自己注射薬(エピペン)が処方されることがあります。躊躇せずにエピペンを使用し、すぐに病院に行ってください[3]。

虫による皮膚トラブルの予防

虫に刺されたり咬まれたりすると、皮膚の症状だけではなく、細菌などの微生物が身体の中に入って感染症を引き起こすことがあります。ですから、予防することが大事です。虫がいそうな場所にアウトドアに出かける際には、肌の露出している服は避けましょう。そしてハチなどは黒っぽい服に反応するので、色はできるだけ白を基調にする方がよいです。また、虫よけ剤(忌避剤)や携帯用の蚊取りなどを使用して、虫を近づけないようにしましょう。

参考文献

  1. [1]医学大辞典 第19版. 南山堂 2006
  2. [2]厚生労働省. “ヒアリに刺された場合の留意事項について” 厚生労働省.
    http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000171502.pdf(参照2017-08-18)
  3. [3]日本アレルギー学会. "アナフィラキシーガイドライン" 日本アレルギー学会.
    http://www.jsaweb.jp/modules/journal/index.php?content_id=4(参照2017-08-17)

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