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マダニに刺されたら症状は?感染症を防ぐ対策と注意点

更新日:2017.12.07
公開日:2017.03.31
ドクター画像
この記事の監修者
おおり医院 院長 大利昌久

マダニは、細菌やウイルスを持っている可能性が高いダニです。刺されると、さまざまな感染症を引き起こす危険性があるため、できるだけ刺されないよう予防する必要があります。その方法などをドクター監修のもとご紹介します。

マダニは、家にいるダニとは違って、山や林などで野生動物に寄生して生きています。そのため、人間がマダニの被害に遭遇するケースというのは、山へのキャンプや山菜採り、キノコ狩りといった場合が多くなります。マダニには、細菌やウイルスを持つ個体もあり、さまざまな感染症を引き起こす可能性があるため、山や林などの生息場所に行くときには十分注意する必要があります。

アレルギーを引き起こし、皮膚炎などの原因となるダニ

湿疹・皮膚炎は、肌バリア機能が外部からの刺激に対して防ぎきれずに、その刺激に身体が免疫反応を起こすことによって起こります。外部の刺激には、紫外線や細菌、ウイルス、ハウスダスト、そしてダニがあります。とくに、ダニによって刺されたり、吸血されることで痛みやかゆみだけでなく、深刻な症状を引き起こすこともあるため注意しましょう。

家ダニの特徴と駆除ポイント

家の中にいるダニの弱点は「乾燥」です。湿度が55%以下になると、ほとんどのダニは死滅してしまいます。そのため日中、留守をしているときにも湿度がこもらないように換気扇などを回しておくとよいでしょう。また、湿気がこもりやすい洗濯物の部屋干しは、できるだけ避けましょう。

ダニは髪の毛やフケ、皮膚の角質を好物とします。これらには、不飽和脂肪酸が含まれており、エネルギー源となって動きが活発化します。こまめに掃除をして、ダニのエサを取り除くようにしましょう。

マダニの生態と寄生動物の種類

マダニは、ダニのなかでも大型です。体長は20~30mmで、堅い外皮を持っています。マダニは寄生して吸血しますが、その時間はとても長く、1週間におよぶことがあります。そして、十分吸血した後の体長は1cm以上にもなります。十分に吸血し終わったら、転げ落ちて自然と宿主から離れていきます。

マダニは、野ウサギやシカ、タヌキやキツネといった山里に住む野生動物に寄生します。そして、動物から動物へ寄生をくりかえし、その血を栄養源として生きています。たまたまキャンプや登山などで人間が遭遇すると、人間にも寄生してしまいます。

マダニに吸血されたときの症状とは

マダニが吸血するときには、口から頭の部分をすっぽり皮膚の中に埋め込んでしまいます。そのため、少しくらいの振動や刺激では離れることはありません。さらに、吸血されている間、痛みやかゆみといった症状が出ないため、目に見えないところに寄生されると気がつかないということもあります。

マダニに刺されて怖いのは、感染症です。有名なもので発熱や関節痛をともなう「ライム病」、高熱が出る「ツツガムシ病」などがあります。その中でも、最近注目されているのが「重症熱性血小板減少症候群」(SFTS)です。SFTSというウイルスを持ったマダニに刺されたことで起こります。潜伏期間は6日~2週間程度で、発熱、下痢、腹痛、嘔吐などの症状が現れます。現在は、まだ有効な治療方法が確立されていないため、重症化すると死に至る危険性もある怖い病気です。

マダニによる感染症を防ぐ対策と注意点

マダニは、野生動物に寄生する都合上、主に里山など自然の豊かな場所に生息します。しかし、それほど山深くない民家の裏庭や家庭菜園などの畑やあぜ道などにも生息しているため注意が必要です。畑仕事や草むしり、アウトドアで山野に出かけるときなど、万全のマダニ対策をしていくことが大切です。

アウトドアでは肌の露出を控える

野山に立ち入るときには、必ず長袖長ズボンを着用するように心がけましょう。帽子もかぶって、上から落ちてくるマダニへの予防策も立てておきます。タオルなどを首に巻くことで、襟元からのマダニの侵入を防ぐことができます。また、ズボンの裾から侵入する場合に備えて、裾は絞っておいたほうが安心です。

身体や衣服を詳細にチェック

外から帰ったら、身体や服にマダニが付いていないかチェックしましょう。背中や首の後ろなど自分でチェックするのが難しい場所もあるため、人がいればお互いにチェックし合いましょう。服にマダニが隠れている可能性もあるため、玄関ではたくなどして、屋内に入れないようにしましょう。

お風呂に入って確認する

外から帰ったら、すぐにお風呂に入りましょう。もし、マダニに刺されていても、裸になれば確認できます。マダニが付着していたら、シャワーなどで洗い流してください。

ペットにも注意

マダニの予防には、ペットにも注意が必要です。犬の散歩などで、草むらに入ったりするとマダニが犬に寄生することも十分に考えられます。それが室内犬だとすると、マダニを家の中に持ち込んでしまうことになります。散歩から帰ったら、必ずブラッシングなどをしてマダニが寄生していないかを確認しましょう。

マダニに刺されたときの対処方法

マダニは、皮膚の深くにその口吻を差し込んで吸血します。そのため、ピンセットなどで無理に引きはがそうとすると、その一部が皮膚の中に残ってしまうことがあります。すると化膿してしまう危険性があります。さらに、皮膚に付着したマダニをつぶすと、マダニの体液が逆流して人間の体内に入り込んでしまう可能性があります。

もし、ウイルスや細菌を保持したマダニだった場合、感染症のリスクが高まってしまうため、絶対につぶさないように気をつけてください。いずれにしても、マダニを付けた状態で皮膚科を受診するようにしましょう。

マダニに刺されたときには、その後の体調をしっかりと観察することが大切です。もし、2週間以内に理由のわからない発熱や倦怠感、嘔吐などの症状がみられた場合には、すぐに医療機関を受診しましょう。そのとき、医師にマダニに刺されたことをきちんと説明しましょう。

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