頭皮のケア方法&対策
ドライヤーで肌トラブルも?髪と頭皮のための正しい使い方
更新日:2017/02/09 公開日:2013/03/28
この記事の監修ドクター
かくた皮膚科クリニック 院長
角田美英 先生
毎日使うドライヤー。ただなんとなく使っているという方も多いと思いますが、間違った使い方で髪や頭皮を傷めてはいませんか?
今回は正しいドライヤーの使い方をご紹介いたします。いつまでも美しい髪でいられるように、実践してみましょう!
ドライヤーは使ったほうがいいの?
「ドライヤーの熱は髪によくないから、使わないほうがいいんじゃないの?」という質問を耳にすることがあります。たしかに、必要以上に熱を加えることはあまりよいことではありません。しかし、髪にとっては、濡れたままの状態で放置することのほうが、もっと危険なのです。
キューティクルの働き
髪は「キューティクル」「コルテックス」「メデュラ」の3層でできており、その一番外側にあるのがキューティクルです。キューティクルはタンパク質でできた透明で硬い細胞で、魚のウロコのように何枚も重なり合っています。
キューティクルは水や薬剤の浸透を妨げる働きがあるため、外的刺激から髪の内部を守り、髪内部の水分やタンパク質が失われるのを防ぐ役割を担っています。
濡れたままの髪は傷みやすい
水分を含んだ髪の毛はキューティクルが開いており、非常にデリケートな状態です。そのまま寝てしまうと、ほかの髪や枕などと摩擦を起こした髪からキューティクルがはがれおち、水分の足りない、パサパサの髪の毛になってしまいます。
ドライヤーで熱を加えると、髪の毛のキューティクルを閉じることができます。そのため、ドライヤーを使った方が髪のためによいと言えます。
雑菌の繁殖も
また、頭皮や髪が濡れていると、菌やカビを増殖させます。雑菌による髪へのダメージはもちろん、頭皮のトラブルやにおいの原因にもなるため、洗ったあとの髪の毛はしっかりと乾かすようにしましょう。
正しいドライヤーの使い方
- シャンプーのあとにタオルドライをします。髪は決して擦らず、タオルではさんで水を押し出すようにして、髪の毛から水分を抜きます。
- 髪の毛をかきわけて頭皮を出し、直接風をあてるようにしてドライヤーをかけていきます。頭皮からドライヤーまでの距離は、20センチはキープするようにしましょう。同じところにばかりあてないよう、ドライヤーを揺らしながら風をあてていけば、頭皮が乾燥しすぎる心配もありません。
- 髪の毛のキューティクルは、根元から毛先に向かってうろこのようになっています。それに沿うように、ドライヤーも根元から毛先に向かってあてていきます。ドライヤーと髪の距離は、変わらず20センチをキープしましょう。
- おおかた乾いてきたと感じたら、最後に全体を冷風で冷やし、キューティクルを引き締めましょう。
ドライヤーをかけ終わったら、最後にブラシやくしで髪の毛を整えます。ドライヤーで乾かしている途中にブラッシングをすると、髪の毛を傷める原因となりますので、ブラッシングは髪の毛が乾いたあとに行うことがポイントです。
髪を傷めずドライヤーを使うポイント
ドライヤーの正しい使い方を覚えるとともに、以下の点に注意することで、より髪へのダメージを軽減することができます。
温度に注意
ドライヤーを使用する際には、高温になりすぎないように注意しましょう。髪にダメージを与えない理想的な温度は70℃くらいまでとされています。髪には神経が通っていないため、熱さを感じることはできないので、手で髪の温度を確かめながら使用するとよいでしょう。
水分量
理想的な髪の水分量は10%程度。美容師はこの水分量を目安に髪を乾かしているそうです。ドライヤーで髪を乾かしすぎることは乾燥の原因になるため、同じところにばかり熱風を当てず、全体的に乾かすことが重要です。
事前の準備はしっかりと
ドライヤーをかける前のタオルドライでしっかりと髪の水分を抜いておけば、ドライヤーの時間を短縮することができます。また、熱から髪を守るヘアオイルなどをつけておくのもおすすめです。
上手なスタイリングのポイント
ドライヤーには髪を乾かすと同時に、スタイリングを行う目的も持っています。上手にブローするにはそれなりのテクニックが必要ですが、いくつかのポイントを押さえておくことで、自分でも簡単にスタイリングができるようになるはずです。
上手なブローの仕方やポイントは『ツヤ髪&スタイリングが変わる!正しいブローのやり方とは』をご覧ください。
ドライヤーにももちろんデメリットはある
ここまでドライヤーを使うメリットや正しい使い方をご紹介しました。ですが、ドライヤーで髪が傷む、という意見も、決して間違いではありません。髪は、摩擦や熱、静電気などの刺激にとても弱いので、ドライヤーで熱を加えながらゴシゴシ擦って乾かすと髪を傷める原因となります。
ここでご紹介した正しいドライヤーの使い方を、ぜひ今日からでもとり入れてみてください。
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