ハンドケアの基礎知識
体調不良のサイン?痛い指のささくれの原因や悪化による感染症のリスク
更新日:2018/05/14 公開日:2013/04/28
この記事の監修ドクター
かくた皮膚科クリニック 院長
角田美英 先生
爪の周辺の皮膚組織は、線維が指先の方向に並んでいます。爪の根元は線維の断面が露出しているため容易にめくれやすくなっています。
ささくれとは、爪周辺の皮膚が、切ったり引っ張ったりといった物理的な要因がないのに、自然と部分的にむけてしまった状態です。
痛い指のささくれの原因とは
ささくれは、主に以下のようなことが原因となって発生します。
水仕事など日常生活での手・肌の乾燥
- 乾燥した空気
- 洗剤を使用する水仕事
- 手洗い
- 入浴時のシャンプー
など、日常生活では手肌のうるおいを奪う機会がたくさんあります。水仕事の時はゴム手袋を使用したり、こまめにハンドクリームを使用するなどして、手肌を乾燥から守りましょう。
爪へのマニキュア・ジェルネイル
- マニキュアやジェルネイルなどのリムーバー
- ネイルケアの一環としての甘皮除去
- アルコール消毒
などが原因となり、ささくれができることがあります。リムーバーは爪以外の皮膚に付着しないようにしたり、過度な甘皮除去をしないように気をつけましょう。
食べ物の偏りによる栄養不足
皮膚の原料となる
- タンパク質
- 肌の状態を健康に保つビタミン類
- ミネラル類
が不足すると、ささくれができやすくなってしまいます。特に、ビタミン類としては、
- 皮膚や粘膜を健康的に保つビタミンA、B2
- 皮膚障害の予防に効くビタミンB6
- 肌を美しく保つビタミンC
- ビタミンAの吸収を助けるビタミンD
- 傷の治癒に役立つビタミンE
の不足が原因とされます。
血行不良・体調不良
上記以外にも、運動不足などによる血行不良や、体調不良も原因となりえます。
ささくれは体調不良のサインかも
ささくれができたところで、ほとんど気にしないという方は多いのではないでしょうか。しかし、「たかがささくれ」と軽く見てはいけません。ささくれができたら、まずは上記を参考に、何が原因かを考えてみてください。
単なる乾燥であれば、乾燥を防ぎ、保湿をすることで治ります。しかし、ささくれは栄養バランスが崩れていることや体調不良のサインの可能性があることも忘れないでおきましょう。
ささくれが悪化すると感染症になることもある
ささくれは悪化すると化膿したり、感染症にかかってしまうことがあります。具体的には、カンジダというカビに感染したり黄色ブドウ球菌・連鎖球菌などに感染すると「カンジダ性爪周辺炎」や「ひょうそ」といった症状が現れることもあります。そのため、ささくれとはいえ症状が悪化した場合は、すみやかに病院を受診して治療を行いましょう。
ハンドクリームを使ったケア方法についてはコチラの記事を参考にしてみてください。
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