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治らない顎ニキビの原因と改善のための4つの対策

更新日:2018.02.14
公開日:2013.10.17
ドクター画像
この記事の監修者
西麻布ヒフ・形成外科 院長 藤井佳苗

顎にできるニキビは治りにくく再発しやすいといわれますが、なぜ顎にニキビができるのでしょうか。生理前に特に目立つ理由も含め、顎にぽっこりニキビができる原因や治し方、セルフケアのポイントについてドクター監修のもと解説します。

口から顎にかけて微笑む女性のアップ

なかなか治りにくい場合のある顎(あご)ニキビですが、顎ニキビはなぜできるのでしょうか。ここでは、

  • 顎ニキビの原因
  • 顎ニキビ改善のための4つの対策
  • 皮膚科での治療法

について見てみましょう。

顎(あご)ニキビの原因

顎は皮膚が厚く、皮脂のつまりやすい部分とされています。また、顎は皮脂腺の働きを活発にする働きのある男性ホルモンの影響を受けやすいともいわれており、顎はニキビができやすい場所と言えます。

顎ニキビができる原因として、以下のことが考えられます。

  • ホルモンバランスの乱れ
  • 摩擦、雑菌などの直接的な刺激
  • 間違ったスキンケア
  • 食生活の乱れ

まずは、上記がそれぞれどのように顎ニキビの原因となるのか解説します。

ホルモンのバランスの乱れ

顎にできるニキビの原因としてもっとも大きいとされるのが、ホルモンバランスの影響です。女性はもともと、生理の周期によってホルモンバランスが変化します。生理がはじまってから排卵が起きるまでの間は「エストロゲン(卵胞ホルモン)」が多く分泌されますが、排卵が起きてから次の生理がはじまるまでの間は「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の分泌量が多くなります。この中でも「プロゲステロン(黄体ホルモン)」は皮脂の分泌を活発にすることがわかっています。

また、女性であっても微量ながら男性ホルモンが分泌されていますが、顎はこの男性ホルモンの影響を受けやすい部分といわれています。

ホルモンバランスの乱れは、主に

  • ストレス
  • 睡眠不足などの生活習慣の乱れ
  • 環境の変化

などによって招かれます。特に、ストレスを感じると前述した男性ホルモンのアンドロゲンに加え、ステロイドホルモン(副腎皮質ホルモン)の分泌も促進されます。いずれも皮脂の分泌を活発にさせる働きがあるため、ニキビのできやすい状態を招くのです。また、生理前にはホルモンバランスの変化から顎ニキビができやすくなります。

摩擦や雑菌の刺激

あごやフェイスラインは、

  • 髪の毛先が触れる
  • 手で触れる
  • 衣服がこすれる

直接的な刺激を受けやすい部分です。また、雑菌も付着しやすいといえます。直接的な刺激によって肌が傷つき、そこに雑菌が侵入することで炎症を引き起こしてニキビが発生することがあるのです。なお、雑菌が付着しやすいことからできた顎ニキビは治りにくくくりかえすことも多いという特徴もあります。

過剰な洗顔

ニキビの原因として過剰になった皮脂の酸化があげられます。しかし、皮脂を気にして1日に何度も洗顔したり、洗顔後の保湿が不足していたりすることで乾燥肌になりニキビを招きます。

不規則な食生活・食べ物の乱れ

毎日の食事は、ホルモンの分泌に深く関わっています。極端なダイエットなどによって食事でとる栄養に偏りが出てくると、肌にも影響が出てくるのです。特に、

  • 脂質や糖分の過剰摂取
  • 野菜やタンパク質の不足

などは体内の環境悪化を招き、顎ニキビなどの原因になります。

顎ニキビを改善する4つの対策

ホルモンバランスの乱れやスキンケア方法など、顎ニキビの原因にはさまざまなことが考えられます。セルフケアで顎ニキビを改善したり、防いだりする方法として考えられることをご紹介します。

4つの対策(1)睡眠をしっかりとりホルモンバランスを整える

ホルモンバランスの乱れを招く要因のひとつに、生活リズムの乱れがあります。睡眠時間が十分ではないことが続くと、ホルモンバランスが乱れやすくなるのです。そのため、質のよい睡眠を毎日とることがホルモンバランスを整えるうえで重要になります。

また、肌の新陳代謝であるターンオーバーのサイクルを整えるうえでも、十分な睡眠をとることは大切です。肌のターンオーバーには睡眠中に特に多く分泌される成長ホルモンが重要な役割を担っています。しかし、深く十分な睡眠をとれないと成長ホルモンの分泌が乱れ、肌のターンオーバーが滞るのです。それによって、通常であれば自然とはがれ落ちる古い角質がいつまでも肌に残り、皮膚の一番外側の層である角質層が厚くなります。その周辺に皮脂がつまり、ニキビのもととなってしまうのです。

成長ホルモンが分泌される質の高い睡眠をとる

成長ホルモンは、以前は夜の10時から夜中の2時の間に分泌されるといわれていました。しかし、最近では「眠り始めてから3時間のもっとも深い眠りに入れる時間」に多く分泌されることがわかってきました。 人間の睡眠は、眠りの浅い「レム睡眠」と深い睡眠である「ノンレム睡眠」が約90分のサイクルでくりかえされます。しかし、眠りが一番深いのは、眠り始めてから3時間とされています。そのため、眠りに入ってから3時間は熟睡できるようにすることが大切です。

良質な睡眠のために気をつけること

熟睡するためには、眠る前の行動や環境を整えるとよいでしょう。

  • 寝る直前は飲食や頭を使うことをやめる
  • 街灯などで外が明るい場合は遮光カーテンを使用する
  • 寝る前のスマホやパソコンなどを控え、間接照明で部屋を暗くする

睡眠の質は、成長ホルモンの分泌だけではなく、日中の仕事や勉強のパフォーマンスにも影響を及ぼします。できるところから熟睡しやすい環境を整えることからはじめましょう。

4つの対策(2)正しい洗顔・保湿でスキンケア

洗いすぎや保湿不足など、間違ったスキンケアはニキビなどの肌トラブルを招くもととなります。反対に、肌に合ったスキンケアを行うことで、肌バリアの正常化や健全なターンオーバーを維持しやすくなるとされています。

洗顔と保湿の2点について、行う際の正しいポイントを見てみましょう。

洗顔は朝・夜の2回に

皮脂が気になると、つい1日に何度も洗顔したくなるかもしれません。しかし、洗顔のし過ぎは必要以上に皮脂を取り去ってしまい、肌をより乾燥させることになります。

洗顔は朝と夜、1日に2回までにしましょう。洗顔料をたっぷりと泡立てて、泡を転がすように洗うことで、皮膚の表面に傷がつくのを防ぐことができます。また、すすぎ残しがないようしっかりと洗い流し、吸湿性のよいタオルを使って水を吸わせるようにタオルドライしましょう。ゴシゴシこするように拭いてしまうと、皮膚に不要な刺激を与えることになります。

化粧水や美容液・クリームでしっかり保湿を

保湿のポイントは、

  • 化粧水
  • 美容液
  • クリーム

を適切に使用することです。肌の状態や性質によって適したアイテムが異なるため、自分の肌質に合ったものを使うとよいでしょう。大まかな目安として、乾燥肌や肌の敏感な方の場合、セラミドなどの保湿成分が配合された化粧水や美容液がおすすめといわれています。一方、テカリの気になる脂性肌の場合は、化粧水と合わせてゲルタイプや乳液といった油分の比較的少ない保湿アイテムを使用するとよいとされています。

4つの対策(3)栄養バランスのとれた食生活

ニキビのできにくい肌を目指すうえで理想的なのは、1日3回、バランスのよい食事を適切な量だけとることです。食事を抑えるダイエットなどで食べる量が少なくなると、便秘や冷え性につながります。すると、体内の老廃物がスムーズに排出されにくくなり、体内環境が悪化します。顎まわりは特に体内環境の影響を受けやすいため、体内に老廃物がたまることでニキビが増えやすくなることが考えられます。

普段あまり野菜を食べていないと感じている場合は、食事にサラダをプラスするなどひと工夫してみましょう。また、このほかに以下の栄養素をしっかりとることを意識してみることをおすすめします。

ビタミン

ビタミンは、人間の体内でさまざまな役割を果たしますが、現代の食生活では意識してとらないと不足しやすいものです。そのため、ビタミンやミネラルは意識的にとることを心がけましょう。特に、ニキビケアに役立つと考えられているのが、肌の炎症をおさえてコラーゲンを生み出す働きをサポートするビタミンC、脂質の代謝や肌の健康を保つのに役立つビタミンB群です。

ビタミンCは、

  • オレンジ
  • レモン
  • イチゴ
  • いも
  • 野菜

などに多く含まれています。一方、ビタミンB群は食材によって多く含まれるビタミンBの種類が異なりますが、

  • レバー
  • かつお
  • まぐろ

などに多く含まれています。

良質なタンパク質

肌を健全に保つためにはタンパク質も重要です。良質なタンパク質とは、一般的に人間の身体に必要かつ体内で作ることのできない「必須アミノ酸」をバランスよく含んでいるものといわれています。

  • 大豆
  • 牛乳

が良質なタンパク質と言えます。

4つの対策(4)ストレスを発散する

ストレスが溜まっているとホルモンバランスが崩れ、女性でも男性ホルモンが優位になる場合があります。そのため、顎ニキビをくりかえしやすくなる場合があります。そのため、ストレスをためすぎず定期的に発散することが重要となります。

なぜストレスが溜まるの?

ストレスとは、身体的・精神的に負荷がかかった状態をいいます。ストレスがたまりすぎることで心が不安定な状態になったり、体の疲労が蓄積されるといった悪影響があり、そのままだと病気の原因にもなりかねません。ストレスの原因は人それぞれです。特に多いのは、人間関係から生じるストレスだといわれていますが、仕事の忙しさや睡眠不足、ストレスの生じやすい性格などがあげられます。ストレスが溜まっているときのサインとして、以下のような状態などが続くことがあげられます。

  • 何をしても楽しめない
  • イライラしやすい
  • 眠りが浅かったり寝付けなかったりする
  • 疲れやすい

ストレスは早めに解消するようにしましょう。

ストレス解消法

ストレスの原因がわかっていれば、それを取り除くことが一番のストレス解消法といえるでしょう。しかし、ストレスをゼロにすることは難しい場合が多く、定期的に別の方法でストレスを発散したり、うまくストレスと付き合うことが大切になると考えられます。ストレスを発散できる方法は人それぞれですが、一般的には以下のような方法があげられます。

  • 休養をとる
  • 有酸素運動をする
  • メンタルトレーニングで日々起こることの受け止め方を変える
  • 人と交流する
  • 娯楽を楽しむ
  • 集中して創作に取り組む
  • 旅行や部屋の掃除で気分を切り替える

適したストレス解消法は、体調やそのときの気分によっても異なります。いろいろな方法を使い分けるとよいでしょう。

症状がひどい顎ニキビは皮膚科で治療を

顎ニキビの対策を続けても顎ニキビが改善しない場合や、症状がひどくなる場合は、皮膚科で治療を受けることも検討してもよいでしょう。

ニキビには段階がありますが、

  • 赤く炎症を起こして痛い状態
  • ニキビの中に黄色い膿がつまっている状態

まで発展するとニキビ跡が残る可能性が高くなります。ここまで進行している場合は、皮膚科で相談することがニキビ跡をできるだけ残さないためのポイントになります。皮膚科では、主に以下のような治療を行います。

塗り薬の処方薬を使った治療

炎症を抑える作用のある塗り薬を使った治療です。ニキビの原因菌となるアクネ菌を殺菌する抗生物質や、毛穴のつまりを改善する効果があるアダパレン過酸化ベンゾイル製剤などが使用されます。

飲み薬の処方薬を使った治療

重症のニキビの場合、塗り薬とあわせて飲み薬を処方される場合もあります。アクネ菌を殺菌する抗生物質、漢方薬などが用いられます。

レーザー治療

レーザー治療にもいくつかの種類があります。たとえば、炭酸ガスレーザーはニキビの表面に穴をあけ、中にたまった皮脂などを出すために使います。また、ピーリング効果や赤みを消す効果があるといわれるYAGレーザーを使用する場合もあります。

しかし、根本的な対処法ではないため再発もしやすい傾向にあります。このほかにもさまざまな種類の医療用レーザーがあります。

まとめ

顎ニキビの原因として考えられるのは、ホルモンバランスの乱れ間違ったスキンケア食生活の乱れなどです。できるだけ皮膚を清潔に保つとともに、以下のようなことを日常生活の中で意識するとよいでしょう。

  • 熟睡できる環境を整えて良質な睡眠をとる
  • 正しい方法で洗顔する
  • 自分の肌に合った保湿アイテムを使用する
  • ビタミンやタンパク質を積極的にとるようにしながら栄養バランスを意識する
  • 自分に合った方法でストレス発散を試みる

また、上記のようなことを意識しても顎ニキビが改善しない場合や、赤く腫れたり黄色い膿が溜まってきて痛いような場合は、ニキビ跡を残さないためにも皮膚科で治療を受けることも検討するとよいでしょう。

顎ニキビを改善する対策を日常生活にとり入れ、健康的な肌を目指しましょう。

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