女性の抜け毛・薄毛の原因と対処法
出産後の抜け毛・薄毛の原因と予防や対策
更新日:2017/12/21 公開日:2014/05/01
この記事の監修ドクター
マブチメディカルクリニック 院長
馬渕知子 先生
出産後、女性の身体は大きく変化
妊娠・出産は、女性の人生において一大イベントと言えます。母になった喜びが溢れ、幸福な気持ちで過ごせる時期でしょう。
一方で、身体にまつわるさまざまな悩みを抱えようになるのも、この時期の特徴です。妊娠から出産までの間に女性の身体内部は目まぐるしく変化しているのですが、その影響が心身にまで及び、さまざまなトラブルを招くことになります。抜け毛も、その1つです。
ホルモンバランスの乱れが抜け毛の原因に
抜け毛や薄毛の主な原因にホルモンバランスの乱れがありますが、出産後の抜け毛もこれに当てはまります。抜け毛は、出産から3ヶ月ほど経ったころから目立ってくる人が多いようです。
妊娠中・出産後の女性ホルモンの変化
女性ホルモンは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類に大きく分けることができます。ふだんは、両者が交互に優位な働きをしているのですが、妊娠するとエストロゲンとプロゲステロン、どちらのホルモンも一緒に分泌量がいつもよりも増加します。
妊婦の母胎は、エストロゲンに加えプロゲステロンの量もしっかり維持されることで守られ、安全な出産ができるのです。
ところが、出産が無事終わると大量のエストロゲンやプロゲステロンは必要なくなるため、正常なバランスを取り戻そうと、どちらのホルモンも急激に減少し、普段のホルモン量を下回ってしまうことさえあります。その変化があまりにも急なため、身体は変化についていけず、様々な不調が現れやすくなるのです。
このとき、エストロゲンには髪の毛の成長を促す働きもあるので、髪が大量に抜けてしまう可能性があるのです。また、プロゲステロンにも育毛を維持するような働きがあり、妊娠中、増加していたプロゲステロンにより保持されていた毛髪が、出産後、抜けやすくなるということもあるようです。
出産後の睡眠不足やストレスも原因に
出産後の生活は常に赤ちゃんが中心となるため、出産前とは生活習慣が一変してしまいます。夜泣きや頻繁な授乳により睡眠不足になりますし、赤ちゃんが小さいうちはなかなか外出もできません。
こうした不慣れな生活や睡眠不足はストレスのもとです。ストレスは女性ホルモンの分泌を不充分にするだけでなく、自律神経を乱して代謝も悪くします。
無理なダイエットは逆効果も
よく見られる原因の1つに、産後の無理なダイエットもあります。妊娠によって増えた体重を落としたいという気持ちはわかりますが、焦るのは禁物です。じっくりと計画的に行わないと、身体に悪影響しか与えません。
出産後の抜け毛・薄毛を防ぐ対策
悩みすぎないことが大切
出産後の抜け毛は一時的なものです。一定の期間が経てばホルモンバランスは元に戻りますので、抜け毛も自然と解消されます。
しかし、抜け毛にショックを受けて気に病みすぎてしまうと、今度はそのストレスが原因となって抜け毛が増えるというケースがあります。「出産後の抜け毛は誰にでも起こりうる当たり前のことなのだ」という認識を持っておきましょう。
生活習慣を見直す
赤ちゃん中心の生活になると睡眠不足になってしまうのは仕方ないことですが、せめて食事は規則正しい時間にバランスよく摂るようにしましょう。また、授乳の時間をうまく調整することで、生活にリズムを作ることもできます。できるだけ規則正しい生活を送るよう心がけましょう。
自律神経のバランスを整えるためには、昼と夜の生活を逆転させないことが大切です。夜は、眠れなくても目をつぶって横になっておきましょう。それだけでも大きく違います。
大豆イソフラボンを積極的に摂取
産後は、赤ちゃんに翻弄され自分の食事がおろそかになってしまいがちですが、適当に済ませてしまいたい時でも大豆製品は意識的に摂るとよい場合があります。大豆に含まれるイソフラボンにはエストロゲンと似た作用がありますので、乱れたホルモンバランスを整えるのに役立つことが期待できるからです。
大豆は加工しても成分があまり失われないので、豆腐や納豆などさまざまな製品で摂取すれば、飽きることなく続けられるでしょう。
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