40代の基礎化粧品の選び方
40代肌のスキンケアと化粧品の選び方
更新日:2017/11/30 公開日:2014/07/01
この記事の監修ドクター
サッポロファクトリー皮フ科・スキンケアクリニック 院長
松本歩 先生
40代は女性ホルモンの乱れや紫外線の影響により、肌機能の衰えを感じ始める年代です。シミやシワ、たるみなど、これまで以上に気になり始めたという方も多いのではないでしょうか。
しかし、きちんとお手入れをしていれば若々しい肌を保つこともできます。40代に必要なスキンケアのポイントをご紹介するとともに、積極的に取り入れたいクリニックでのケアにも触れていきます。
40代の肌とは
女性ホルモンの分泌が緩やかに減少していく40代。真皮層のコラーゲンや角質層のセラミド、天然保湿因子などの産生が少なくなることで、肌の乾燥やハリの低下に悩まされることが多くなります。そこに長年浴び続けてきた紫外線によるダメージが加わり、シミやくすみ、シワ、たるみなどの肌悩みがいっそう顕著になるのです。
また、保湿力の低下により肌のバリア機能が低下し、敏感肌になる人もいることでしょう。若い頃は28日くらいだったターンオーバー周期も約40~55日と長くなり、肌荒れなどが治りにくいと感じることもあるのではないでしょうか。
40代になると、肌のお手入れをきちんとしている人としていない人とでは見た目年齢にはっきり差がつくようになります。いつまでも若々しい美肌を保つためには、ポイントを押さえたエイジングケアが大切です。
40代肌に必要なスキンケアとは
肌質の変化にともない、いままで使ってきた基礎化粧品では十分な保湿効果が実感できなくなるのも、40代の特徴です。新たに生まれた肌悩みに対処するためにも、これまで続けてきたスキンケアを見直したり、化粧品を選び直したり、新しいケアをとり入れるようにしましょう。
クレンジングや洗顔を見直す
40代は皮脂の分泌量が減少しつつあります。これまで使ってきたクレンジング料や洗顔料が油汚れを強力に落とすタイプのものでしたら、洗浄力の穏やかなタイプに切り替える必要があるかもしれません。また、洗顔のしすぎやゴシゴシ洗いで肌のうるおいを保つセラミドや天然保湿因子を洗い流しすぎないよう、洗顔方法の見直しを行うことも大切です。
スキンケアでは保湿を重視
乾燥は、あらゆる肌トラブルのもとです。肌の乾燥を防ぐためにも、毎日のスキンケアで水分と油分をしっかり補いましょう。また食事から良質なタンパク質やビタミンA、ビタミンEをたっぷり摂り、内側からすこやかな肌づくりを支えることも大切です。
肌悩みに合わせたエイジングケアをプラス
エイジングケアは化粧品研究のなかでも最先端の分野で、毎年新しい化粧品や美容器具が次々と開発されています。基礎化粧品を賢く使うとともに、エイジングケア成分が配合された美容液をプラスしたり、パックやピーリングケア、血行を促すリンパマッサージ、表情筋を動かすエクササイズなど、必要に応じたケアをとり入れるようにしましょう。
紫外線対策
紫外線はシミを生み出すだけでなく、コラーゲンやエラスチンにダメージを与え、ハリ不足やシワを招くもとです。季節を問わず日中は日焼け止めやUVカット効果のある化粧下地、ファンデーションなどを塗るとともに、帽子や日傘などで紫外線対策を行いましょう。
以下では、40代に特に悩みの大きいシミやシワ、たるみのケアについて解説していきます。
40代のシミのケア
シミには、さまざまなタイプがあります。40代肌に発症しやすいシミは次のとおりです。
- 老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)
- 頬骨の高いところにできやすい丸い薄茶色のシミ。紫外線を浴び続けてきたことが原因で、40歳前後から現れることが多い。
- 肝斑(かんぱん)
- 頬骨あたりや額に現れやすい、左右対称にもやもやっとできるシミ。女性ホルモンが関係していると考えられ、30代から40代で多く発症する。
- 脂漏性角化症(しろうせいかっかしょう)
- シミからイボのように盛り上がってきたもの。40才以降で生じやすい皮膚の老化現象からなる。
- 炎症性色素沈着
- ニキビ跡などがシミとして残ったもの。40代ではUゾーンにできる大人ニキビが原因となることが多い。
40代に必要なシミケアのポイント
老人性色素斑をはじめシミの多くは紫外線が原因となるので、肌のお手入れにプラスして、日中のUVケアを万全にしましょう。外出時には日焼け止めクリームを塗り、必要に応じて帽子と日傘のダブルで紫外線から守るのも効果的です。
老人性色素斑のごく初期の薄いもの、肝斑、炎症性色素斑がすでにできてしまっている場合、スキンケアにはビタミンC誘導体やハイドロキノンなどの美白成分が有効です。また、シミを予防するための代表的な美白成分としては、ビタミンC誘導体やアルブチン、トラネキサム酸、プラセンタなどがあります。これらの成分が配合された化粧品を使用するとよいでしょう。
さらに、沈着したメラニン色素を肌から追い出す目的で、ピーリングも有効です。古い角質を取り除き、肌の新陳代謝を促します。AHA(フルーツ酸)などが配合されたピーリング用石けんが取り入れやすいでしょう。使用は週に1~2回程度で十分です。
美容皮膚科でのシミ治療
自宅でのケアでシミが改善されない場合は、美容皮膚科を頼るのもひとつの方法です。
クリニックではまずシミの種類を見極め、それによって治療法が変わりますが、主にレーザーや光治療が行われます。レーザー治療では、シミができている箇所をかさぶたの状態にして除去します。いっぽう光治療は、顔全体など広範囲の治療に使用されます。ただし、肝斑(かんぱん)の場合、レーザーや光治療で悪化するケースもありますので医師に相談しながら治療することが必要です。
他にも、ケミカルピーリングもメラニン色素を排出するのに有効です。美白効果の高い成分ハイドロキノンも、クリニックで処方されるものは高濃度でより効果を期待できるでしょう。しかし、使用には注意が必要ですので、医師の指導をきちんと受けてください。
40代のシワ、たるみのケア
40代でシワやたるみが目立ってしまう大きな原因は、加齢による真皮のコラーゲンの減少や変性です。その衰えをサポートするスキンケアを積極的に行っていきましょう。
40代に必要なシワ、たるみケアのポイント
残念ながら、真皮の約7割を占めるコラーゲンは20~30歳をピークに減少していきます。これにより肌のハリや弾力が失われてシワができてきます。さらに、肌を支える力が弱くなったことで重力に逆らえなくなり、皮膚が下がってたるみとなってしまうのです。
そこで、40代ではコラーゲンをはじめとして、ヒアルロン酸やアミノ酸などの肌を構成している成分を進んで補うケアをしていくことが必要です。
美容皮膚科でのシワ・たるみ治療
クリニックでは、シミと同様にレーザーや光治療器を使用し、皮膚の真皮層に働きかけてコラーゲンの構築を再生させる治療法などもあります。
また、ヒアルロン酸を注入したり、ダーマローラー(コラーゲン増殖療法)や、高周波・遠赤外線を用いてコラーゲンを産生させる治療法もあります。
40代肌に必要な化粧品の選び方
40代は、本気のエイジングケアを行うべき。これまで安いプチプラ化粧品や便利なオールインワン化粧品を使ってきたという方も、美容成分や使い方など、基礎化粧品をあらためて見直してみませんか。
40代肌におすすめの化粧水
洗顔後の肌を整え、美肌づくりに役立つ水溶性の成分を肌に送り届ける化粧水。以下のような成分に注目してみましょう。
- ビタミンC誘導体
- プラセンタエキス
シミやシワ、毛穴のたるみなどに効果のあるビタミンC誘導体は水に配合すると安定した働きをするので、化粧水で補うのがおすすめです。また、プラセンタエキスにも美白効果や保湿効果があり、40代であれば注目したい成分です。
- 化粧水のつけ方
- 化粧水は、手でつける派とコットン派に分かれると思います。手でつけるときは、肌を包み込むようにハンドプレスで浸透させましょう。コットンを使うときは繊維で肌をこすったり、強く叩くのではなく、全体にやさしくなじませることが大切です。
40代肌におすすめの美容液
40代の肌悩みには、美容成分が凝縮された美容液が欠かせません。「保湿」や「美白」「シワ・たるみ」など、目的に合わせた成分を選びましょう。以下のようなエイジングケア成分もおすすめです。
- フラーレン
- レチノール
- プラセンタエキス
フラーレンはビタミンCの約172倍の抗酸化力で、肌の老化に働きかけます。またビタミンAの一種であるレチノールは、肌のターンオーバーを促し、コラーゲンを増やす働きを担います。豚や馬の胎盤から抽出されるプラセンタエキスはシミのもとであるチロシナーゼを抑制するとともに、血行促進や活性酸素除去など幅広い作用が期待できる成分です。
- 美容液のつけ方
- 肌悩みに合わせた美容液を選ぶことは大切ですが、いくつもの美容液を一度に重ねづけするのはおすすめできません。朝と夜、あるいは季節ごとに最適なものを使い分けるようにしましょう。たとえば、睡眠中は成長ホルモンが分泌されるのでターンオーバーを促進する成分を、朝は紫外線のダメージを抑制する抗酸化作用のある成分を選ぶとよいでしょう。
40代肌におすすめの乳液・クリーム
乾燥しやすい40代の肌。化粧水で水分を補うだけでなく、油分もしっかり補うことが大切です。保湿にもっとも大きな役割を果たすセラミドは油溶性なので、乳液やクリームで補いましょう。また、以下のような成分も効果的です。
- セラミド…細胞間脂質のひとつで、高い保湿効果を持つ。特に「ヒト型セラミド」がおすすめ
- レチノール…コラーゲンを増やし、シワやたるみ対策に
- ナイアシン…コラーゲンの合成を高め、肌にハリをもたらす
- 油溶性ビタミンC誘導体…水溶性よりも肌の深部で働く
- 油溶性甘草エキス…消炎作用があり、メラニンの生成を抑制
- プラセンタエキス…美白作用と保湿作用、ターンオーバーの促進など
- アルジレリン…肌にハリをもたらす
- コエンザイムQ10…紫外線によるダメージを抑制
- 乳液・クリームの選び方・つけ方
- 水分と油分をバランスよく配合しているのが乳液、より油分が多いのがクリームです。どちらかひとつを使えば十分ですが、クリームのほうがさまざまな美容成分を配合した商品が多いようです。美容液で美容成分を補った後に、乾燥しやすい目元や口元、乾燥小ジワが気になる部分を中心にやさしくなじませましょう。
まとめ
女性ホルモンの減少にともない、シミやシワ、たるみなどが顕在化し始める40代。特にシミはさまざまなタイプがありますので、きちんと見極めたうえで適切なケアを行いましょう。また、シワやたるみの大きな原因は、加齢による真皮層のコラーゲンの減少や変性です。肌を構成するコラーゲンやヒアルロン酸、アミノ酸を補うとともに、クリニックの専門医療をとり入れるという方法もあるでしょう。
40代はさらに、これまで使ってきた化粧品が肌に合わなくなったり、物足りなさを感じる年代でもあります。スキンケア全般を見直したり、新たなケアをとり入れたりすることにより、若々しい美肌を保ちましょう。
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