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こむら返り(足がつる)

睡眠中や運動中に足がつる「こむら返り」の原因と対処法・予防法

更新日:2018/08/16 公開日:2014/06/05

この病気・症状の初診に向いている科
整形外科

寝ている間に足の痛みで目を覚ました、運動時に足がつった、という経験は誰にでもあるでしょう。これは「こむら返り」と呼ばれ、原因がいくつか考えられます。ドクター監修のもと、睡眠中や運動中、妊婦に起こりやすいこむら返りの原因と対処法を解説します。

◎短くポイントをまとめると
こむら返りが起きたときは、膝を伸ばして、つま先を持って足関節を背屈させると痛みが軽減する
運動前の十分な準備体操とストレッチ、運動中の水分・電解質補給がこむら返りの予防になる
寝る前には水分補給とストレッチを行い、足の冷えに注意する
薬や病気が原因となっていることがあるので、繰り返すこむら返りで辛いようなら病院へ

こむら返りのイメージ写真画像

寝ている間に足がつり、ふくらはぎや太ももの筋肉の痛みで目を覚ましたという経験はありませんか? また、運動しているときに足がつってしまうこともよくあります。これは俗に「こむら返り」と呼ばれる症状です(こむらは漢字で「腓」と書き、すねの裏側の柔らかい部分=ふくらはぎを指す言葉です)。医学的には「有痛性筋痙攣ゆうつうせいきんけいれん」の一部とされています。ここではドクター監修のもと、睡眠中や運動中に起こりやすいこむら返りについて、その原因と対処法、予防法について解説します。

こむら返りの原因は?

足がつって痛いこむら返りがなぜ起こるのかは、まだはっきりと解明されていません。

体内のナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウムといった電解質(ミネラル)濃度の異常や、筋肉に運動させる神経が過度に興奮することによって筋肉の痙攣を引き起こしているのではないかと考えられています。また、代謝産物の蓄積、部分的な血流不足なども関与するのではないかといわれています。

さらに、現代の生活スタイルではしゃがむ姿勢を取ることが少ないため、筋肉や腱が短縮し、足の筋肉を伸ばす機会が減っていることが原因の一つではないかという説もあるそうです[1]。

こむら返りが起こったらどうしたらいい?

こむら返りは筋肉が過剰に収縮していることで起きているので、筋肉を伸ばすことで症状を軽減することができます。具体的には、座って、つっている方の足の膝を伸ばして、つま先を持って足の甲を身体の方向に引っ張ります(足関節を背屈させる)。こうすると、過剰に興奮している神経の活動を抑えることができます。ただし、やり過ぎには注意してください。

つっている筋肉を足先から体幹に向かって擦るようにマッサージすることも効果的だといわれています。

また、こむら返りをお薬で解消する方法もあります。こむら返りが起こった時に芍薬甘草湯という漢方薬を水と一緒に一包内服すると速やかに軽減できます。枕元に芍薬甘草湯とお水を常備しておくと便利です。

これらはこむら返りが起こったときの応急処置です。予防法についてはこむら返りの原因によって多少異なります。以下、自然に(生理的に)起こるもの、妊娠で起こるもの、薬や病気で起こるものに分けて解説します。

自然に起こるこむら返りの原因と予防法

健康な人であっても、こむら返りが起こることがあります。ここでは運動中、安静時(睡眠中)のこむら返りについて解説します。

運動中のこむら返り

運動中にこむら返りはよく起こります。これは同じ筋肉を使い続けたり、水分や電解質のバランスが崩れたりして、筋肉に司令を出す神経が過剰に働いてしまうからだと考えられています。

運動中のこむら返りを予防するには、下記の3点が重要です。

  • 運動前にはしっかり準備体操をする
  • 普段から筋肉のストレッチを行う
  • 運動中は十分に水分と電解質を補給する

こむら返りを予防するストレッチ法の一つを紹介します[1]。

  1. 壁から90cmほど離れた位置に立つ
  2. 壁に向かって両手を伸ばした姿勢で壁にもたれる
  3. ゆっくりと壁によりかかるように肘を曲げる
  4. ふくらはぎの筋肉が気持ちよく伸ばされるところまで(痛みが出ないところまで)曲げて、10秒数える
  5. 肘を伸ばして5秒休む

これを1日に数回繰り返しましょう。

安静時のこむら返り

運動していない安静時にも、突然こむら返りが起こることもあります。代表的なのは睡眠中に起こるものです。寝ている間に一定の姿勢を取り続けていると、特定の筋肉がずっと収縮しているような状態に置かれます。その状態から寝返りを打つタイミングで、本来は伸びるべき筋肉が収縮し続けてしまうので、痛みを伴うこむら返りが起こるということが考えられます。

特に、お酒を飲んだ夜にこむら返りが起こりやすいと感じている方がいらっしゃるかもしれません。お酒を飲むとその利尿作用などから脱水症状に陥りやすいのですが、脱水そのものがこむら返りの一因となります。お酒を飲んだら寝る前の水分補給が大事です。

お酒を飲んでいなくても、寝る前には脱水を予防するためにコップ1杯程度の水を飲んでおくことをおすすめします。また、運動前と同様に、寝る前にもふくらはぎの筋肉のストレッチをするとよいでしょう。なお、冷房を低い温度でつけっぱなしで寝たり、布団をかけずに寝たりすると、筋肉が冷えて血行不良になり、足がつりやすくなるので注意しましょう。

睡眠中のこむら返りが何日も続けて起こるようなら、毎晩寝る前に芍薬甘草湯を一包内服してみるのもよいでしょう。1週間程度続ければこむら返りが起こらなくなることが多いです。ただし、芍薬甘草湯にも副作用はありますので、必ず医師に相談して指示を受けてください。

妊娠中のこむら返りの原因と予防法

妊婦はこむら返りが起こりやすく、後期には約半数の人が経験すると言われています[1]。これは、妊娠に伴う血液循環の変化、疲労、お腹が大きくなってきて神経を圧迫すること、カルシウムやマグネシウムが低下しやすい状況にあるためだと考えられています。

妊婦のこむら返り対策としては、下記のようなポイントがあります[2]。

  • カルシウムやビタミンB群を十分に摂る
  • 疲れすぎないように、適度に休息する
  • 足を動かしたり、温めたり、マッサージすることで血液循環を促す

妊娠中のこむら返りは病気ではなく、生理的なものです。こむら返りが起こることでお腹の赤ちゃんに悪い影響は起こるということはありませんので心配する必要はありません。当然ですが、妊娠によるこむら返りは、出産後には起こらなくなります。

薬や病気が原因で起こるこむら返りの原因と予防法

こむら返りは、飲んでいる薬や病気の影響で起こることもあります。上記で解説したような対処法や予防法を行っても、繰り返すこむら返りに悩まされるようなら、病院を受診して医師に相談しましょう。かかりつけ医がいればそこに、いなければお近くの内科や脳神経内科が対応してくれます。

こむら返りの原因となり得る薬剤

普段から飲んでいる薬が原因でこむら返りが起こることがあります。代表的な一部の薬を紹介します[1]。

  • 脂質異常症の薬(スタチン)
  • 高血圧の薬(利尿薬、ACE阻害薬、Ca拮抗薬、β遮断薬)
  • 喘息の薬(β刺激薬)
  • 性ホルモン製剤
  • 免疫抑制剤(ステロイド、ペニシラミン、シクロスポリン)
  • 胃酸抑制剤(シメチジン)

もし心配なようなら、処方した医師に相談してみましょう。くれぐれも自己判断で服薬を止めないでください。

こむら返りを引き起こす病気

病気をお持ちの方では、それが原因でこむら返りが起きる場合があります。下記に主なものを紹介します[1]。

  • 神経や筋肉の病気(パーキンソン病、末梢神経障害、炎症性筋疾患など)
  • 循環器の病気(高血圧、心疾患、動脈・静脈疾患など)
  • 内分泌・代謝の病気(甲状腺機能の異常、肝硬変、腎不全、血液透析など)
  • その他の病気(電解質異常、脱水症、殺虫剤中毒、毒グモ、心因性など)

これらの病気で通院している方は、こむら返りで困っているようなら主治医に相談してみてください。こむら返りが起こりにくくなるような治療を検討してくれるはずです。

参考文献

  1. [1]高尾昌樹. こむら返り(有痛性筋痙攣). Medicina 2004; 41(8): 1361-1363
  2. [2]森 恵美ほか. 妊娠中のマイナートラブル. 系統看護学講座 母性看護学各論. 第13版. 医学書院 2017; 162

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