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朝の洗顔は必要?肌質別の洗顔の仕方について

更新日:2017.11.09
公開日:2014.09.01
ドクター画像
この記事の監修者
札幌シーズクリニック 院長 大久保真

朝も「洗顔料を使って洗う」派と、朝は汚れがさほど溜まっていないから「水やお湯のみで洗う」派に分かれるようですが、朝の肌にとってよいのはどちらなのでしょう。朝の正しい洗顔方法をドクター監修の記事で詳しくお伝えします。

朝は「石けんや洗顔フォームを使って洗う人」と「水やお湯のみで洗う人」がいます。朝の肌にとってよいのはどちらの洗顔法なのでしょう。朝の洗顔方法について解説します。

朝の顔は汚れている?

最近、朝は石けんや洗顔フォームを使わず水やぬるま湯のみで洗顔する人が増えています。「夜の間は寝ているだけなので、朝の肌は汚れていないから」という考えで洗顔料を使用しないという人が多いようですが、本当に朝の肌は汚れていないのでしょうか?

寝ている間も、皮脂や汗は分泌されている

人間は、寝ているあいだにコップ1杯分程の汗をかくといわれています。その汗と皮脂が混ざり合うと、皮脂膜となって肌を覆います。皮脂膜は肌を守るバリア機能を果たしているため、取りすぎてしまうのは肌のためになりませんが、古くなった皮脂汚れを残しておくこともまた、肌にとってはよくありません。

皮脂は、トリグリセライド(約60%)、ワックスエステル(約25%)、スクアレン(約12%)などの成分で構成されています。

このうちトリグリセライドの一部は皮膚表面に存在する常在菌の働きで分解され、ワックスエステルの一部とともに、皮膚にさまざまなダメージを与える「変性皮脂」に変化します。

<変性皮脂の肌へのダメージ>

  • 肌のバリア機能の低下
  • ターンオーバーの低下
  • 水分保持力の低下
  • 毛穴の開き
  • 肌のキメが乱れる
  • 炎症を起こす

変性皮脂の肌への影響としては、肌のバリア機能や保水力が低下する、毛穴が開く、キメが乱れる…などがあげられます。また、皮脂分泌が活発なのに変性皮脂を放置すると、毛穴につまってニキビの原因となること。酸化した変性皮脂をずっと肌に残したまま、日中の紫外線を浴びることで、肌荒れや肌老化を悪化させてしまうおそれもあります。

夜、寝ている間も皮脂は分泌、分解され、変性皮脂の生成は続けられているので、朝の肌には変性皮脂は発生しています。

朝の洗顔に洗顔料は使用すべき?

では、朝の洗顔に洗顔料を使用すべきなのでしょうか?

朝の洗顔に洗顔料を使ったほうがいいとする理由

皮脂はその字の通り、油分です。油性のメイクが水やぬるま湯だけでは落ちにくいことからもわかるように、変性皮脂も水やぬるま湯のみの洗顔では落としきれないのです。夜、寝ている間も皮脂は分泌、分解され、変性皮脂の生成は続けられているので、朝の肌には変性皮脂は発生しています。特に鼻や額、あごなどは特に皮脂の分泌が盛んな部分でもあるので、朝でも洗顔料を使って洗顔をしたほうがよいでしょう。

朝の洗顔は水やぬるま湯だけでいいとする理由

先に見てきたとおり、皮脂は汗と混ざり合うことで「皮脂膜」をつくり、肌をコーティングする天然のクリームとしての役割を果たしています。乾燥肌や皮脂分泌量の少ない人が洗顔料を使って洗うと、せっかくの皮脂膜までも洗い流してしまうおそれがあります。

また、頬や目元など、比較的皮脂の分泌が少ない部分まで入念に洗顔料で洗ってしまうと、さらに乾燥が進むということもあります。

肌の状態に合わせた洗顔が必要

洗顔の目的は、あくまで肌の汚れを落とすことです。朝の肌は上で解説したとおり、寝ている間に分泌された皮脂や汗、空気中のほこりなどで多少なりとも汚れています。しかし、皮脂の分泌や、汚れ具合には個人差があります。

また、季節や年齢によっても肌の状態は少しずつ変化しています。「肌がベトベトしていて、ぬるま湯だけでは汚れが落ちた気がしない」と感じたら洗顔料を使った洗顔がおすすめですし、「肌に乾燥や刺激を感じる」という場合は、洗顔料を使用せず洗ったほうがいいこともあります。自分の肌質を見極めて、それぞれに必要性のある洗顔方法を選択することが大切です。

肌タイプ別の洗顔ポイント

洗顔料を使った朝晩の基本的な洗顔方法は以下のとおりです。

  1. 洗顔料を細かい泡を作るようによく泡立てる
  2. たっぷりの泡をTゾーンやあごなど皮脂の多い部分にのせ、泡で汚れを吸着するようにやさしく洗う
  3. 乾燥しがちな目元や口元は泡を乗せる程度
  4. 洗顔料が残らないように髪の生え際までよくすすぐ
  5. 清潔なタオルで顔を押さえるように水分を取りる
  6. 洗顔後はすみやかに保湿ケアをする

また、肌質別のポイントもご紹介します。

オイリー肌

皮脂の分泌が多く、テカりが気になる脂性肌タイプの人は、朝でも洗顔料を使って全体的に皮脂汚れを落としたほうがよいでしょう。ただし、皮脂汚れを落としたいあまりゴシゴシと肌を刺激するような洗顔方法はかえって肌トラブルを招きます。肌は乾燥を感じるとますます皮脂を分泌させてしまうので、洗顔料をたっぷり泡立ててやさしく洗い、洗顔後や化粧水で肌に水分をたっぷり補給しましょう。

乾燥肌・敏感肌

洗顔後に肌がつっぱった感じのする乾燥肌の人や、かゆみやヒリヒリ感を覚えやすい敏感やアトピー肌の人は、水やぬるま湯だけでも十分なことがあります。変性皮脂が気になるときは、刺激の少ない洗顔料でやさしく洗うとよいでしょう。洗顔後は化粧水やクリームで水分と油分の両方を補うようにしましょう。

混合肌

顔のなかでも皮脂でベタついた部分と乾燥した部分が混在する肌タイプの人は、洗顔料の泡を使って鼻やTゾーン、あごなど皮脂の分泌が盛んな部分の汚れを落とし、目元や頬など皮脂分泌の少ない部分にはサッと泡で洗い流す程度にして、必要な皮脂を残しうるおいを守りながら洗いましょう。洗顔後はすみやかに化粧水で水分を補い、乾燥しがちな部分はクリームで油分を補いましょう。

朝の洗顔はニキビ予防にも

変性皮脂が毛穴の開きに係わっていることはすでに述べました。開いた毛穴に汚れや皮脂がたまると、ニキビの原因を招いたり、悪化させるおそれもあります。とくにノーマル肌やオイリー肌、混合肌の人は、水やぬるま湯だけで済ませるのではなく、洗顔料をたっぷりと泡立てて洗顔しましょう。また、洗顔料が肌に残ったままだと毛穴をふさいでニキビの原因になります。ぬるま湯でしっかりと、洗顔料が残らないようにすすぐことが大切です。

まとめ

朝の肌には寝ている間の汗や皮脂、空気中のほこりなどが付着しています。就寝中であっても皮脂が常在菌の働きで分解された「変性皮脂」に変化すると、肌のバリア機能を低下させる、毛穴を開いてニキビの原因になるなど、肌トラブルを引き起こしかねません。自身の肌タイプと洗顔の必要性をきちんと見極め、洗顔料が必要であるかを見極めて、適切な洗顔を行いましょう。

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