クレンジング・洗顔の基本
クレンジング・メイク落としの正しいやり方と選び方
更新日:2017/11/17 公開日:2014/09/01
この記事の監修ドクター
医療法人浩聖会 セイコメディカルビューティクリニック 理事長
曽山聖子 先生
クレンジングのポイントは、できるだけ肌に負担をかけずにメイク汚れをきちんと落とすことです。メイク汚れが残るとさまざまな肌トラブルに繋がってしまいます。しかしメイク落としで必要以上にごしごしとこすったり、時間をかけすぎたりすると肌への負担となり、これも乾燥などの肌トラブルを招く原因になります。正しいメイク落としのやり方は、どのような方法なのでしょうか。
クレンジングの基本は「丁寧に、でも素早く」
どのようなタイプのクレンジング剤を使うにせよ、もっとも大切なのはクレンジング剤をメイクによくなじませ、ふやかして落とすようにすることです。力を入れずに指先でくるくるとやさしくなじませてください。
しかし時間のかけすぎは逆効果。クレンジング剤は肌にとってやさしいものではないので、必要以上の時間をかけると乾燥や肌荒れの原因になってしまいます。すすぎまでを含め、約1分以内で終わらせるようにこころがけましょう。クレンジングは丁寧に、素早く行うことが大切なのです。
正しいメイクの落とし方をおさらい
正しいメイク落としのやり方のポイントは、以下のとおりです。
- アイメイクやポイントメイクは専用リムーバーで素早くオフ
- クレンジング剤は適量を使う
- クレンジング剤はTゾーンから乗せる
- やさしく洗う
- 十分に流す(お湯の温度に注意)
では、1つずつ詳しく見ていきましょう。
アイメイクやポイントメイクは先に落とすこと
もっとも落ちにくいメイクは、アイメイクです。重ね付けしたマスカラやウォータープルーフのアイライナーなど、落ちにくい要素がつまっているため、全体と一緒のクレンジングでは落ち切らない場合があります。特に目元は皮膚がとても薄くデリケート。毎回きちんと落とさないと目元が老け込む原因になります。落ちにくい口紅を塗った口元も同様です。専用のクレンジング剤を使って先に落としておきましょう。
クレンジング剤が少なすぎるのはNG
量が少ないと摩擦が大きくなり、肌を痛める原因になります。適切な使用量を守ることがポイント。指の腹などで少し温めてから使用すると、メイク汚れが落ちやすくなります。
クレンジング剤をのせるのはTゾーンから
顔の皮膚のなかでも、比較的皮膚の強いTゾーンからクレンジング剤をのせていきましょう。Tゾーンの次に頬などのUゾーンへと伸ばしていきます。
力を入れ過ぎない
クレンジング剤をのせて指でやさしく伸ばし、指先をすべらせるようにしながらクレンジング剤とメイクをなじませていきます。
力を入れ過ぎず、やさしくなじませましょう。力を入れてゴシゴシこすると角層に傷がつき、肌荒れを招く原因になります。
水で十分に洗い流す
すすぐ際は水を使い、手早くすすぎましょう。また、クレンジング剤が残らないように、徹底的にすすぐことが重要です。
クレンジングは、その日のメイクをリセットし、この後に続くスキンケアを効果的にするための準備でもあります。クレンジングでしっかりメイクが落ちていなければ、保湿などのスキンケアの効果もなくなるうえに、ニキビなどの肌トラブルを招くこともあります。明日の美肌を育てるためと思って、面倒くさがらずに丁寧に行いましょう。
ポイントメイクの落とし方
アイメイクやリップメイクといったポイントメイクは、特に落ちにくいものです。専用リムーバーで先に落とすことをお伝えしましたが、どのようなリムーバーを選び、どのように落とせばよいのでしょうか。
まず、選ぶリムーバーは使用するメイクアイテムによります。以下に、リムーバーを選ぶ基準をご紹介します。
- ウォータープルーフのマスカラやアイライナーを使用している場合
- ウォータープルーフ対応のリムーバーを選びましょう。
- アイメイクと同じメーカーを選ぶべき?
- できればメイクアイテムと同じメーカーのリムーバーを選ぶのがよいでしょう。というのも、同じメーカーであれば、基本的に自社のメイクアイテムが落ちやすいように作られているためです。メイクアイテムもポイントメイクリムーバーも、メーカーによって処方が異なります。そのため、メイクアイテムと違う会社のリムーバーを使うと落ちにくいといったことも考えられます。
次に、ポイントメイクの落とし方をご紹介します。
ポイントメイクを落とすリムーバーの使い方
ポイントメイクリムーバーは、洗浄力が強く作られています。そのため、落ちにくいポイントメイクも素早く落とすことができるのです。ポイントメイク落としのやり方は、以下のとおりです。
- ポイントメイクリムーバーをコットンにたっぷりと染み込ませます。
- コットンをポイントに乗せ、10秒ほどそのままにします。
- 力を入れずコットンを滑らせます。
なお、マスカラはコットンでまつげを挟み、10秒ほど待ってから先端へすべらせるとふき取れます。1回でポイントメイクが落ちなかった場合は、何度もこすらず同じ手順をくりかえして落としましょう。
なお、ポイントメイクやポイントメイク落としは、できるだけやさしく行っても肌にダメージを与えます。目元や口元の乾燥を招く場合もあるので、保湿成分がたっぷり含まれたクリームなどでしっかり保湿をし、肌をいたわってあげましょう。
クレンジング・メイク落としの選び方
ポイントメイク用のリムーバーの選び方や使い方についてご紹介しました。では、顔全体に使うクレンジング・メイク落としはどのように選べばよいのでしょうか。
クレンジング剤にはさまざまなタイプがありますが、基本的に洗浄力と肌にかかる負担は比例しています。比較的肌への負担が少なく洗浄力もマイルドなものと、肌への負担が大きく洗浄力も強いクレンジング剤に大きく分けると、以下のようになります。
- 比較的肌への刺激が少ないクレンジング
- ミルクタイプ、ジェルタイプ(白濁した乳化タイプのもの)、クリームタイプ
- 比較的洗浄力が強いクレンジング
- ジェルタイプ(透明なもの)、リキッドタイプ、ウォータータイプ、ふき取りシートタイプ、オイルタイプ
もっとも洗浄力が強く、その分肌へのダメージが大きいのはオイルタイプです。肌のことを考えると刺激の少ないクレンジングを選びたいところですが、汗や皮脂に強いタイプのメイクを落とすには洗浄力が足りない場合もあります。そのため、自分が普段するメイクに合わせたクレンジングを選ぶのがよいでしょう。また、汗や皮脂に強いメイクをする日と、肌への負担が少ないメイクをする日のようにメイクアイテムを使い分けている場合は、クレンジングもそれに合わせて使い分けるのがおすすめです。
ただし、肌が乾燥しているときや肌が荒れているときには、メイク自体から変えることも考えたほうがよいでしょう。汗や皮脂に強いしっかりメイクをやめ、肌にやさしいメイクアイテムを選ぶことで、ミルクタイプなどの洗浄力がマイルドなクレンジングでも対応できるようになります。また、乾燥肌や肌荒れが長引く場合やひどくなる場合は、皮膚科で相談することも考えてください。
まとめ
メイク落としで肌に必要以上の負担をかけることは、乾燥肌や肌荒れといった肌トラブルを招く原因にもなります。そのため、適切なクレンジング剤を使って、正しいやり方でメイク落としをすることが大切です。
- 自分のメイクに合った強さのメイク落としを選ぶこと
- ポイントメイクは専用メイク落としで真っ先に落とすこと
- 肌をこすらないこと
- メイク落としを流すときは水でしっかり落とすこと
ポイントメイク用のメイク落としであっても、顔全体のクレンジングであっても、肌をこすらないのが基本です。コットンにポイントメイク用のメイク落としを含ませたら、メイクを落としたいポイントに乗せて少し待つ、顔全体のクレンジングをするときはメイク落としをやさしくなじませて必要以上にこすらない、というところを守りましょう。
なお、肌荒れや乾燥肌のときにはメイクやメイク落としを工夫するだけでなく、皮膚科で相談するようにしましょう。
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