たるんだ顔は、老けた印象を与えるだけではありません。特に口元のたるみは口角も下がるため、不機嫌そうに思われることもあるでしょう。ここでは、口元にたるみが起こる原因について解説します。
老け顔に見える口元のたるみの原因
皮膚がたるむ原因のひとつとして、真皮層にあるコラーゲンやエラスチンの減少をあげることができます。皮膚は、表皮・真皮・皮下組織(皮下脂肪)の3層で構成されており、真皮層ではコラーゲンとエラスチンが表皮を支える役目を果たしています。
つまり、弾力のある肌にはコラーゲンとエラスチンが欠かせないというわけです。しかし、加齢とともにこれらは減少していきます。すると、表皮を支える力は弱まり、その下にある皮下脂肪の層まで垂れ下がってしまうなど、皮膚の形状が大きく変化してしまうのです。これが、「たるみ」です。
たるみを解消するためには、コラーゲンやエラスチンを補うとともに、表皮を含む皮膚全体を支える力が必要となります。
顔のたるみが口元にたまりほうれい線にも影響
皮膚全体を支える土台となっているのが、皮膚のすぐ下にある筋肉です。この筋肉の衰えも、口元のたるみの大きな原因となっています。顔には22種類もの表情筋が張り巡らされています。しかし、私たちは日常生活において表情筋を大きく収縮するような動きをしていません。
筋肉は適度に使わなければ衰えていき、皮膚を支える力も弱まっていきます。たるんだ皮膚を筋肉がしっかりと支えることができなければ、顔のたるみは増していくばかりです。たるんだ皮膚は重力の影響により、顔の下部分、特に口元にたまっていきます。脂肪が多くついている頬の皮膚は下がりやすいため、口角が下がり、ほうれい線も深くなります。
このようなたるみを改善するためには、コラーゲンなどを補うだけでは効果は期待できません。筋肉そのものを鍛える必要があるのです。
表情筋にもさまざまありますが、口元のたるみが気になる場合、特に「大頬骨筋(だいきょうこつきん)」と「小頬骨筋(しょうきょうこつきん)」に注目してください。大頬骨筋は頬骨の横から口角の皮膚につながっている表情筋です。
そして、頬骨の横から上唇の皮膚にかけて伸びているのが小頬骨筋で、頬を吊り上げる働きをしています。頬全体を支えている2つの筋肉が衰えると、頬は弾力がなくなり垂れ下がってきます。
むくみもたるみの原因に
口元のたるみには、むくみも関係しています。脂肪層には水分を溜め込みやすい部分があり、ここに水分が溜まることでむくみとなります。むくみが生じると重さが増して、下に垂れ下がり、たるみが目立つようになります。
これが、むくみによるたるみが生じる仕組みですが、血行をよくすることで改善することができます。血液やリンパの流れがスムーズになると老廃物が排出されやすくなるためです。
表情筋のエクササイズでたるみを解消
表情筋のトレーニングには、血行促進の効果もあります。また、血行が改善されるとコラーゲンやエラスチンをつくる働きも活性化しやすいことがわかっています。これらのことからも、たるみを引き起こすあらゆる原因を根本から解消するためには、表情筋のトレーニングが有効と言えるのです。
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