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座るとおしりが痛いできものの原因・症状と改善方法

更新日:2018.02.14
公開日:2015.03.31
ドクター画像
この記事の監修者
松林景一美容クリニック天神 院長 松林景一

「お尻が痛い!」と触ってみたら、いつの間にか出来物ができていた!という経験はありませんか?この出来物の正体は、いったい何でしょうか。専門ドクター監修のもと、痛みをともなうお尻の出来物や、それらの治療法について解説します。

お尻は自分の目で確認するのが難しいため、異常があっても気づきにくいものです。ただ、種類によっては痛みがひどかったり、場所によっては座ると痛いと感じるものもあります。痛みをともなうお尻のできものについて見てみましょう。

座るとおしりが痛いできもの(1)ニキビ

おしりニキビの原因

お尻は、摩擦による刺激を受けることが多く、また、汗や皮脂が溜まりやすいことから、ニキビができやすい部位です。お尻にニキビができると、座るたびに違和感を感じたり痛んだりすることがあります。

おしりニキビの症状

特に、痛みを感じやすいのが赤ニキビです。赤ニキビとは、毛穴に皮脂や汚れがつまった「白ニキビ」や、毛穴の入り口が酸化する「黒ニキビ」といった初期のニキビを放置することで、悪化してしまったものです。毛穴や毛穴の周辺が炎症を起こして赤く腫れ、強い痛みやかゆみを引き起こします。治療しないとさらに炎症が広がり、化膿して膿がたまる「黄ニキビ」に発展したり、ニキビ跡が残ってしまうこともあります。

お尻は、下着による摩擦や椅子による圧迫を避けられない部位なので、顔などの他の部位に比べて、一度ニキビができると治りにくいといわれています。また、人の目にはつかない場所だからとケアしないで放置しておくと、大きくなって、炎症を起こしていなくとも痛みを感じることがあります。

おしりニキビは皮膚科で治療を

座るときなどに気になるお尻のニキビですが、万が一、できてしまったら絶対につぶさないことです。できれば早めに皮膚科の専門医に相談し、医師のアドバイスのもとで適切な治療を受けましょう。治療が難しい場合には、極力刺激を与えないようにして清潔に保ちましょう。

※おしりニキビの治療について詳しくは『お尻ニキビの治療方法と予防方法』をご覧ください。

座るとおしりが痛いできもの(2)粉瘤(ふんりゅう)

粉瘤の原因

痛みをともなうお尻のできものとして、ニキビに似たものに粉瘤(ふんりゅう/アテローム)があります。良性の腫瘍の1つで、皮膚の深いところで袋状になり、袋の中に垢や皮脂が溜まることでボコッと膨らみます。

粉瘤の症状

粉瘤は、小さいうちは痛くもかゆくもありませんが、粉瘤の中央部にできることがある黒い点状の開口部(ヘソと呼ばれます)から細菌が侵入すると炎症を起こし、赤く腫れ上がって痛くなります。

特に、お尻の場合は圧迫されることも多く、できた場所によっては「痛くて座れない」という事態にもなりかねません。また、化膿がひどくなると、ヘソから膿などが出てきて衣服に付き、嫌な思いをすることもあります。放置すると大きくなる場合があり、炎症や感染を起こすと腫れて痛みが出ます。自然には治らず、何度も同じ場所にできるのが特徴です。

粉瘤の改善には手術が必要

万が一、炎症が自然に治まったとしても、粉瘤の袋が内部に残っている限り、何度でも再発する可能性があります。粉瘤は自力で治すことは困難なため、できるだけひどくなる前に、医療機関にて手術による根治療法を受けるのがおすすめです。小さい段階で根治手術を受ければ、傷も小さく、術後の痛みも少なくてすみます。

※粉瘤の手術について詳しくは『粉瘤の手術方法と術後の痛みは?ダウンタイムはあるの?』をご覧ください。

座るとおしりが痛いできもの(3)痔瘻(じろう)

痔瘻の原因

肛門の周辺が痛くて膿が出る場合は、痔の一種である痔ろうの可能性があります。痔ろうとは、もともと腸にある肛門腺に便が入って膿がたまる症状で、悪化すると腸と肛門をつなぐ道ができてしまいます。

痔瘻の症状

治療しないで放置すると、治ったと思ってもくり返し膿が出ます。さらに、発熱したり、肛門に痛みを感じることもあります。治療には一般的に内服薬が処方されますが、症状がひどい場合は手術を行います。

痛みが強かったり座るのもツラい場合は、できものが悪化している可能性が高いので、早めに皮膚科や肛門科を受診し、原因と症状に合った治療を施してもらいましょう。

肛門に痛みや出血が見られる痔瘻の治療は手術で

軽度のイボ痔や切れ痔と違い、痔瘻を治すためには、手術が必要になります。痔瘻の手術は「痔瘻根治手術」と呼ばれていますが、多くの術式を含んでいるため、ここでは代表的な手術方法を紹介します。

  • 開放術式

痔ろうのろう管の部分(トンネル)を完全に切開開放する手術方法です。背中側にある浅くて単純な痔ろうに行われることが多いと言えます。

  • くりぬき法(括約筋温存術式)

痔ろうの部分を切開することなく、くり抜いて閉じ合わせる手術方法です。背中側以外の痔ろうで行われることが多いです。

  • シートン法

膿が通るトンネルに輪ゴムを通して圧迫し、時間をかけてトンネルを一部切開する手術方法です。複雑な痔ろうの場合にで行われ、傷も痛みも小さく、筋肉の障害が少ないというメリットがあります。

※痔ろうの症状や原因・治療の詳細については『痔ろうの主な原因や症状と治療法について』をご覧ください。

できもの以外で座るとおしりが痛い症状

肛門に痛みや出血が見られる痔

肛門の周辺にしこりのようなものができて違和感があったり、痛みや出血が見られるときは、痔かもしれません。痔の種類には先述の痔瘻のほか、痛み、イボの突出、肛門の外側が腫れるなどの症状が起こる「イボ痔(痔核)」や、排便時に肛門が切れるような痛みを感じる「切れ痔(裂肛)」などがあります。

※痔について詳しくは『放置はNG!自分でできる痔の応急処置法とは』をご覧ください。

ヒリヒリしたり痛がゆいおしりのかぶれ

お尻がヒリヒリしたり、痛がゆいときは、

  • 汗をかくことによる刺激
  • 下着など、肌に触れるものによる刺激

が考えられます。かゆいからといって掻いたりこすったりすると、逆に悪化することもあります。

※詳しい症状や対処法は『お尻のかぶれ・かゆみの原因と対処法』をご覧ください。

痛みやしびれをともなう坐骨神経痛

坐骨神経痛は、中高年に多い症状です。腰から足にかけて伸びる「坐骨神経」が圧迫・刺激されることで現れ、痛みやしびれなどの症状をともないます。多くは腰痛から始まり、

  • お尻
  • 太ももの後ろ側
  • すね
  • 足先

などに痛みやしびれが現れます。

※坐骨神経痛の詳しい症状や治療法は『坐骨神経痛の原因と症状、治療法まとめ』をご覧ください。

まとめ

お尻の痛みは座るたびに違和感を覚えるものです。症状が悪化すると、痛くて座れなくなることもあります。異常を感じたら恥ずかしがらずなるべく早めに医師に相談し、適切な治療を受けることが大切です。

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