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副鼻腔炎(蓄膿症)

副鼻腔炎(蓄膿症)の処方薬・漢方薬・市販薬の種類と効果

更新日:2017/04/19 公開日:2015/07/29

この病気・症状の初診に向いている科
耳鼻咽喉科

鼻づまり、鼻水、顔面の痛みなど、不快な症状が出る副鼻腔炎(蓄膿症)ですが、重症化していなければ内服薬で軽快する場合がほとんどです。ドクター監修のもと、副鼻腔炎(蓄膿症)の処方薬・市販薬・漢方薬の種類と効果をご紹介します。

鼻づまりが治らない、鼻の奥で嫌なニオイがするなど、副鼻腔炎(蓄膿症)かな?と思う症状が現れたら、慢性化・悪化する前に対処しておきましょう。病院で処方される内服薬と、効果が見込める市販薬をご紹介します。

副鼻腔炎(蓄膿症)の特徴

鼻の中と副鼻腔とは小さな穴でつながっており、風邪などにかかって鼻の中に雑菌が増えると、副鼻腔にまで細菌が侵入します。風邪や鼻炎の症状が長引くと、侵入した細菌は副鼻腔内で増殖して炎症を起こすのですが、やがて化膿した状態となります。これが副鼻腔炎(蓄膿症)です。ただし、蓄膿症は、言葉通り膿がたまった状態の副鼻腔炎を指しますが、副鼻腔炎自体は、副鼻腔に炎症が起こった状態だけでもそう呼ばれます。

急性副鼻腔炎の時に出る鼻水は、粘性を持ち黄色がかっているのが特徴です。これは、副鼻腔にたまった膿が鼻へ流れ出だし、鼻水に黄色い膿が混ざるためです。色は、症状が進み膿の量が多くなればなるほど緑色に近くなり、いわゆる「青っぱな」と呼ばれる状態になります。さらに、症状が3か月以上続く慢性副鼻腔炎になると、白っぽく粘りの強い鼻水が出るようになります。風邪やアレルギー性鼻炎の場合は透明でサラサラとした鼻水が出るので、この違いが、見分ける際のひとつのポイントとなります。

副鼻腔炎(蓄膿症)の症状について

鼻の周りや顔面、目や歯の痛み

鼻の周り、頬や目の周りに痛みを感じたり、頭痛をともなう場合があります。また、人によっては歯が痛いと勘違いしてしまうこともあります。

痛みの出る場所は、いくつかある副鼻腔のどこで炎症が起こっているかによって変わってきます。目の周辺に痛みを感じる場合は、目と目の間にある「篩骨洞(しこつどう)」に、鼻の周辺の頬や歯のあたりが痛む場合は、目の下あたりに位置する「上顎洞(じょうがくどう)」に炎症が起きている場合が多く見られます。目や鼻の痛みだけなく、頭が重い、額のあたりが痛いといった症状が出る場合は、篩骨洞の奥にある「蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)」や、鼻の上の額のあたりにある「前頭洞(ぜんとうどう)」が炎症を起こしているケースが多いです。

鼻水がのどの方に垂れて気持ち悪い

粘っこい鼻水がのどの方に垂れてくる「後鼻漏(こうびろう)」が起こることが多いです。鼻声になったり、声を出しにくくなったり、咳が出たりする場合もあります。

水・鼻づまり

風邪やアレルギー性鼻炎の鼻水は透明でサラサラしていますが、副鼻腔が炎症を起こすとネバネバした黄色い鼻水が出ることが多いです。さらに、炎症が進むと緑がかった色になることもあります。こうして副鼻腔の炎症が長引いて粘膜の腫れが続くと、鼻腔がふさがれて鼻づまりを起こします。鼻をかんでもかみきれていない感じがするのは、このような原因によるものです。

においがわからない

鼻づまりが続き、においがわからなくなることがあります。副鼻腔炎が長期に及ぶにおいを感じる粘膜や神経が障害され、一生治らなくなることもあるので注意が必要です。

においがわからなくなると、味もわからないように感じる場合もあり、「風味障害」と呼ばれます。

副鼻腔炎(蓄膿症)の処方薬にはどんなものがある?

副鼻腔炎(蓄膿症)に対して処方される薬は、大きく分けて3種類あります。解熱鎮痛薬、消炎酵素薬などの「症状を抑える薬」、抗菌薬などの「細菌の増殖を抑えたり、殺菌する薬」、気道粘液修復薬、気道粘液溶解薬、気道潤滑薬などの「鼻水や痰を出しやすくする薬」です。これらを組み合わせて使うのが一般的です。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

症状を抑える薬

解熱鎮痛剤は、痛みや熱の原因となる物質の働きを抑える薬で、顔面痛などの症状がある場合に使います。

消炎酵素薬は、酵素を用いて不要なタンパク質を溶かし、鼻水の粘りを解消する薬です。出血を防止したり、細菌感染を防いだりする効果もあります。塩化リゾチームやセラペプターゼなどがありますが、塩化リゾチームは卵白から抽出した酵素を使っているので、卵白にアレルギー反応を起こしたことがある方や、腎臓や肝臓に重い病気がある方には使えません。セラペプターゼは細菌から抽出した酵素を使った薬ですが、こちらも過去にアレルギー反応を起こした方には使えない場合があります。

アレルギーが関与している場合には、抗アレルギー剤が併用されることもあります。

抗菌薬(抗生物質)

副鼻腔炎(蓄膿症)の原因となる細菌の増殖を抑えたり、殺したりする作用がある薬です。化学的構造によってペニシリン系、セフェム系、キノロン系、マクロライド系などに分かれ、病気の原因となっている細菌の種類によって処方されます。途中で服用をやめると、再び菌が活発になってしまう可能性があるので、処方された際は最後まできちんと服用しましょう。

鼻水や痰を出しやすくする薬

鼻水や痰を溶かしたり、鼻やのどの粘膜にある線毛の働きを高めるなどして、鼻水・痰を出しやすくしてくれる薬です。気道潤滑薬、気道粘液溶解薬、気道粘液修復薬がこれにあたります。

これらに加えて、粘膜の腫れが激しい場合や、鼻にポリーブができている場合は、強力に炎症を抑えるステロイド剤が処方されることもあります。

薬の形状は飲み薬が主ですが、点鼻薬、静脈内注射(点滴)の場合もあります。病院で薬剤を霧状にし、吸引することもあります。

副鼻腔炎(蓄膿症)の漢方薬と、市販薬に多く含まれる生薬

副鼻腔炎(蓄膿症)には漢方薬も有効とされています。代表的なものは、以下のとおりです。

辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)

辛夷(シンイ)、黄芩(オウゴン)、山梔子(サンシシ)など、9種の生薬を配合した漢方薬です。鼻の粘膜の繊毛に働きかけて膿の排出を促すことで、膿の発生を抑制し、炎症を抑える効果が期待できます。

小青竜湯(ショウセイリュウトウ)

麻黄(マオウ)、芍薬(シャクヤク)、五味子(ゴミシ)など、8種の生薬を配合した漢方薬です。水分のバランスを調節する作用の他、抗アレルギー・抗炎症作用があることでも知られています。副鼻腔炎(蓄膿症)だけでなく、風邪や花粉症、気管支ぜんそくなどにも用いられます。

荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)

黄芩(オウゴン)、桔梗(キキョウ)、甘草(カンゾウ)など、17種類の生薬を配合した漢方薬です。体の熱や腫れ、症状の原因を発散させる作用や、血液の巡りをよくする作用を持つため、痰や膿を出しやすくする効果が期待できます。副鼻腔炎(蓄膿症)や慢性鼻炎などの症状そのもののみならず、このような病気になりやすい体質の改善にも効果を発揮します。

葛根湯加川芎辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)

葛根(カッコン)、麻黄(マオウ)、桂皮(ケイヒ)など、9種類の生薬を配合した漢方薬です。鼻づまりや頭痛の改善に効果が期待できます。

症状が軽い場合や病院に行く時間がない場合は、市販薬に頼ることもあると思いますが、副鼻腔炎(蓄膿症)の市販薬は、ほとんどが漢方の生薬を配合したものです。鼻の通りをよくする「辛夷(シンイ)」、膿や痰を出しやすくしてくれる「桔梗(キキョウ)」、抗菌作用や解熱作用のある「黄芩(オウゴン)」、消炎、解熱作用のある「山梔子(サンシシ)」、消炎、鎮静作用のある「百合(ヒャクゴウ)」などが、配合される代表的な生薬です。

副鼻腔炎(蓄膿症)は自然治癒することも

副鼻腔炎(蓄膿症)には、症状が短期的なもの(急性)と長期的なもの(慢性)がありますが、多くの人がかかるのは急性副鼻腔炎です。これは、風邪やインフルエンザなどのウイルスに感染した後、鼻の周囲にある空洞(副鼻腔)の粘膜が細菌感染を起こすことで、膿性の鼻水が出たり、粘膜が腫れて鼻がつまったりといった症状が出るものです。このような場合は、人間の体が持つ自己免疫力に任せて、特別な治療を行わなくても自然治癒することが多いです。しかし、症状が3か月以上続く慢性副鼻腔炎の場合は、鼻洗浄や、抗菌剤などの処方薬による治療が必要です。また、アレルギー性鼻炎や気管支喘息の人が慢性副鼻腔炎を併発した場合も、自然治癒は難しくなります。アレルギーが影響していることも考えられるので、耳鼻咽喉科での治療と並行して、呼吸器科や内科でアレルギーの治療もあわせて行う必要があります。

まとめ

市販薬を使う場合は、こうした成分をチェックして、薬剤師にも相談しながら選ぶことをおすすめします。

また、副鼻腔炎は風邪や花粉症だと思って放っておくと、慢性化して治療に時間がかかるようになってしまいます。薬などでの治療が難しくなると手術が必要になります。副鼻腔炎かもしれない自覚症状があった場合は、重症になったり慢性化する前に耳鼻咽喉科を受診し、きちんと治療を受けることも大事です。

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