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手足口病

大人の手足口病の症状と治療、予防法

更新日:2018/07/02 公開日:2015/04/24

丸茂恒二先生

この記事の監修ドクター

丸茂医院 院長

丸茂恒二先生

手足口病は1~5歳の幼児に多い病気ですが、時に大人が感染することも…。成人の場合は子どもより重症化しやすく、口内炎による痛みで食べられなくなったり、高熱が出たりします。まれに爪の変形や髄膜炎を起こすことも。ここでは、大人の手足口病の症状と治療、予防法などをドクター監修のもと解説します。

◎短くポイントをまとめると
大人が手足口病にかかった場合は子どもよりも重症になることがある
原因ウイルスに対する特効薬はないが、ほとんどの場合は1週間ほどで自然に治る
感染経路で多いのは、子どものオムツ交換をした後に手洗いが不十分で感染してしまうパターン

手足口病の皮膚症状の写真

 

大人の手足口病は重症化しやすい!?

一般に、手足口病は夏場に流行する子どもの病気であり、大人は手足口病を起こすウイルスに対する免疫があるので感染・発病しないと考えられています。実際に、手足口病患者の約90%は5歳以下の乳幼児です。しかし、ウイルスの種類や個人の免疫の状態によっては、大人でも感染することがあります。大人が手足口病にかかった場合は子どもよりも重症になることがあります[1]。

手足口病の一般的な症状

一般的に、手足口病にかかると次のような症状が起こることが知られています。

  • 発疹が出る(手のひらや足の裏、手や足の甲、肘、膝、おしりなど)
  • 口内炎が多発する(痛みをともなう)
  • 食欲不振
  • 発熱(軽いことが多い)
  • 上気道炎(風邪のような症状)
  • 下痢

発疹の特徴としては、初期には赤みをともなったブツブツ(丘疹)があらわれ、やがて灰白色の水疱に変わっていきます。大きさは数mm~米粒大で、手のひらや足の裏では楕円形に見えることが多いです。水疱を押すと痛みを感じます。この水疱が破れるとびらんとなり、強く痛みます。

大人の手足口病の症状

大人で手足口病を発症すると、個人の体質や状況によりますが、上記で示したような症状がより強く現れることがあります。

例えば、手足口病では38℃を超えるような高熱はあまり出ないとされていますが、40度近い高熱になり、頭痛や筋肉痛、悪寒といった症状が起こることもあります。また、大人だけに限った話ではありませんが、髄膜炎や脳炎といった命にかかわるような重症に陥ることもまれですが、あります。

さらに、これも大人だけではありませんが、手足口病の原因ウイルスの一部では、手足口病が治ってしばらくしてから(3~11週間)、爪の形が変形したり、爪が剥がれてしまったりする症状が起こったことも報告されています[2]。

なお、手足口病の胎児への影響が気になる方は『妊婦の手足口病の症状・治療法と胎児への影響』を参考にしてください。

大人の手足口病の治療法

このように、見た目にもつらい手足口病は早く治したいところですが、残念ながら原因ウイルスに対する特効薬は今のところありません。身体の免疫がウイルスを発見して、退治してくれるのを安静にして待つのが、手足口病の治し方です。

いつまで症状が続く?

一般的に、手足などにできた水疱は2~4日で乾燥して淡い茶色になってきます。ブツブツ(丘疹)にはかさぶたができて、7~10日経てば跡を残さずに治ります。発熱があっても数日で引いてきます。

症状を抑える治療法は?

1週間ほどで自然に治るとはいえ、それまで症状を我慢するのもつらいものです。

特に大人の場合は口内炎がひどくなって、食べ物を受け付けなくなり、食欲が低下して脱水症状に陥ることもあります。この場合は、脱水症状に対する処置(点滴など)とともに、口内炎の痛みを緩和するための麻酔ゼリーや、炎症を抑えるための口腔用ステロイド薬などが使われます。

その他、高熱が出ていれば解熱鎮痛剤、手足の水疱に強いかゆみがあれば抗ヒスタミン薬といったように、個々の症状を緩和する対症療法が行われます。

何科に行くべき?

大人の手足口病かもしれないと思ったら、お近くの病院(皮膚科)を受診しましょう。手足口病だと思っていたら、実は汗疱や掌蹠膿疱症、水虫(白癬)など別の病気だったということもあり得ます。自分で判断せず、医師に診てもらうことが大切です。

手足口病と似ている病気について詳しくは『水虫に似ている!?菌は存在しない汗疱性湿疹の原因とは』『掌蹠膿疱症の原因・症状・治療法』『水虫(足白癬)の症状』『「手水虫」の特徴、原因、対処法』を参考にしてください。

また、夏場に増える感染症の見分け方は『ヘルパンギーナ、手足口病、プール熱の違いと見分け方』をご覧ください。

診断にはどんな検査をする?

確実な診断法としては、扁桃腺付近から採取した液(咽頭ぬぐい液)や糞便にウイルスが含まれるかどうかを調べる検査や、採血でウイルスに対する抗体があるかどうかの検査があります。しかし実際には、発疹の有無などの症状で診断できることが多いので、これらの検査は行われないのが普通です。

なお、子どもなど家族内ですでに手足口病にかかった人やその可能性がある人がいるなら、その旨を医師に伝えると、診断の大きな参考になります。

大人の手足口病の予防法

手足口病はウイルス感染症ですので、予防はウイルスといかに接触しないかがポイントになります。しかし、手足口病のウイルスは治った後でも、便などからウイルスが数週間以上にわたり排泄されることがあります。また、感染したのに手足口病を発症していないまま、ウイルスを排泄している人もいます。

こう聞くと、どうやって予防すればいいのか途方に暮れていまいますよね。ただ、大人の場合はほとんどの人が手足口病の原因ウイルスへの免疫を持っており、仮にウイルスに接触してもすぐに免疫が排除してくれるので感染しません。下記のようなことに気をつけて生活していれば、大人であればほとんどかかる心配のない病気なので安心してください。

大人の手足口病の感染経路は?

大人が手足口病の原因ウイルスに感染する原因として最も多いと考えられるのが、手足口病にかかった子どもからの感染です。特に感染している子どものオムツ交換をした後、手指の洗浄が不十分なまま食品を扱ってしまうことによる接触感染(糞口感染)が主な感染経路になります。そのため、オムツ交換の後は必ず手指を徹底洗浄する習慣をつけるようにしてください。

他にも感染経路として、咳やくしゃみによる飛沫感染もあります。こちらは風邪やインフルエンザと同じく、マスクの着用や手指の消毒などで予防することができます。

感染経路について詳しくは『手足口病の潜伏期間と初期症状、よくある感染経路』を参考にしてください。

参考文献

  1. [1]山崎謙治ほか. エンテロウイルス71型による手足口病の成人例 (2010年5月). 大阪健康安全基盤研究所ホームページ
  2. http://www.iph.osaka.jp/s007/020/020/050/030/20180105092000.html (参照2018-06-07)
  3. [2]渡部裕子. 手足口病後の爪変形・爪甲脱落症. IASR 2012; 33(3): 62-63
  4. https://www.niid.go.jp/niid/ja/home/2107-surveillance/iasr/related-articles/related-articles-385/1762-dj3856.html (参照2018-06-07)

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