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インプラント

歯周病でもインプラントはできる?

更新日:2017/03/24 公開日:2015/10/20

中村達哉先生

この記事の監修ドクター

大和駅前歯科 院長

中村達哉先生

この病気・症状の初診に向いている科
歯科

歯周病にかかっている場合でも、インプラント治療を受けることができるのでしょうか。ここでは、ドクター監修のもと、歯周病がインプラントにおよぼすさまざまな影響や、歯周病が原因のインプラント周囲炎について解説します。

歯周病にかかっている場合のインプラント治療について解説します。

歯周病とは

「歯周病」とは、歯を支えている歯茎や骨などが、炎症によって徐々に侵されていく病気のことです。

進行が進むと、歯周ポケットから膿が出て、口臭もひどくなります。そして、歯槽骨(しそうこつ・歯や歯茎を支えている骨)がさらに溶けると、歯がグラグラするようになり、最終的には歯が抜け落ちる恐ろしい病気です。

また、口の中(口腔環境)と全身の健康の関係が研究によって明らかにされつつあります。歯周病の原因菌が血液中に侵入し、心筋梗塞をはじめとした全身の病気を引き起こすと考えられています。

インプラント治療とは

インプラント治療は、歯のない部分に「インプラント体」と呼ばれるチタン製の人工歯根を埋め込み、その上から義歯をかぶせる治療です。自然の歯と見た目が変わらず、あごの骨に人工歯根を埋め込んで固定することから、天然の歯と同じくらいの力で噛めるという特徴があります。

歯周病でもインプラント治療は可能か

歯周病にかかっている方がインプラント治療を行うことは可能です。しかし、実際には治療を受けて早々にインプラントが脱落したり、インプラントの寿命が短くなったりといった失敗の可能性が高まるため、通常は歯周病の治療から始めることがほとんどです。

インプラント治療を望まれる方は、歯周病によって多くの歯を失っていることが少なくありません。一方で、歯周病をそのままにしておくと、インプラントの細菌感染を招くだけでなく、残っている健康な歯もいずれ歯周病にかかるリスクが高まります。歯周病はインプラント治療において最大の障害といっても過言ではありません。

歯周病がインプラントの障害となる4つの理由

歯周病がインプラントの障害となる理由として、次の4つが考えられます。

(1)口内に歯周病菌がたくさん存在し、歯を支えている骨を溶かす

歯周病菌に常に触れていることでインプラント自体も細菌感染し、周りの歯と同様に土台の骨が溶けることでインプラントの結合ができなくなります。

(2)治療が複雑で難しくなる

口の中全体の歯周病の状態を調べる検査を行うほか、綿密な治療計画に沿って複雑で難しい治療を行うことになります。口の中を健康に保ち、インプラントの寿命を伸ばすためにも、挿入したインプラントの咬みあわせがしっかりして、きちんと毎日のブラッシングケアが続けられる状態を作り上げることが必要です。

(3)歯を支える骨が溶けているため、インプラントを支えるための骨がない

歯周病で歯を失った場合、その部分の骨の幅や高さ、量がインプラント治療には適していないことが多くあります。こういった場合には、骨を造る手術から始めなければならず、治療期間も長くなります。

(4)進行した歯周病によって噛み合わせがずれる

歯周病が進行すると、歯茎がゆるくなり歯が動いて噛み合わせがずれていくことがあります。インプラントを入れる前に、このような状態をいかに修復するかを検討するには高度な技術が必要になります。

以上のことからも、歯周病を治さないままインプラント治療を行うことは、さまざまなリスクがあると考えられます。

インプラント後の歯周病(インプラント周囲炎)にも注意

歯周病にはなっておらず、インプラント治療にすぐ取りかかれた場合でも、治療後にインプラントの細菌感染「インプラント周囲炎」にかかる場合もあるので注意が必要です。インプラント周囲炎とは、歯周病と同じく歯周病菌によって歯肉の炎症や歯周組織(歯槽骨など)が破壊される病気です。詳しくは『メンテナンス不足が原因!インプラント周囲炎とは?』をご覧ください。

歯周病にならないためにはどうすればいいか

歯周病予防の基本は毎日の歯磨き

歯周病予防には、歯周病菌の温床となるプラーク(歯垢)を取り除くことが第一です。毎日、歯を磨くようにしてください。

1日1回、夜寝る前だけでもよいので、歯を1本ずつ磨きあげるつもりで、時間をかけていねいに歯を磨きましょう。歯ブラシでは落ちにくい歯と歯の間の汚れは、デンタルフロスや歯間ブラシを併用して取り除くことも大切です。

歯磨きの方法にはいろいろなものがありますが、プラークを落としやすく、歯茎に炎症がある方にも向いているのが「バス法」です。これは、歯に対して歯ブラシを45度の角度で当て、歯と歯茎の間の溝に、毛先を少し入れるようにして磨く方法で、横に1mmくらいの幅で小刻みに振動させながら磨いていきます。

デンタルフロスの使い方

デンタルフロスは、30cmくらいの長さに切り、左右の中指の第一関節あたりに二重に巻きつけます。巻きつけた両指の間を2〜4cmくらいにして、歯と歯の間にゆっくりと糸を入れます。歯茎に触れるまで糸が入ったら、歯の側面の汚れをからめとるように、前後に動かしながら、徐々に上に持ち上げていきます。この動作を同じ場所で3回くらい繰り返し、次の歯間部も同様に行っていきます。

歯周病予防になる歯科健診

歯科健診には、治療が必要な状態になる前に、歯の健康状態を確認してメンテナンスを行う効果があります。それにより、歯のトラブルを未然に防ぐ意味があるのです。大人になってからもかかりつけの歯科医を持ち、歯科健診も健康診断と同様に、年に1、2回受けることが望ましいとされています。

歯科健診を受ける意義

日本人の歯を失う原因のほとんどは、虫歯か歯周病だといわれています。さらに、歯周病については、日本人の成人の8割以上がかかっているともいわれています。若いうちから、歯肉炎など歯周病の一歩手前の症状が出ているケースも見られますが、症状が軽く、放置されている場合も多くあります。定期的に歯科健診を受け、歯垢を取り除いておくことで、歯周病の原因となる細菌の増殖を防ぐことができます。

インプラントは可能だが歯周病は予防・治療しよう

歯周病であっても、インプラント治療自体は可能です。しかし、歯周病を治療しないと、細菌感染によって歯を支えている骨が溶け、せっかく埋め込んだインプラントを長く使えない原因になります。インプラント周囲炎の原因にもなるため、歯周病を治療してからインプラント治療を行うことが大切です。

また、歯周病で歯を失うことのないよう、日ごろからしっかりと口内ケアを行いましょう。

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