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糖尿病

妊娠糖尿病の症状と原因

更新日:2017/08/25 公開日:2015/09/28

板東浩先生

この記事の監修ドクター

医師

板東浩先生

この病気・症状の初診に向いている科
内科

妊娠中はインスリンの働きが低下するため、気をつけていないと「妊娠糖尿病」になることがあります。ドクター監修のもと、妊娠糖尿病の原因と症状、リスクについて解説します。

妊娠中に気をつけたい病気の1つに、「妊娠糖尿病」があります。妊婦さんのうち、7~8%が診断されるもので決して珍しいものではありません[1]。母体や胎児にさまざまな悪影響を及ぼすため、十分な注意が必要です。妊娠糖尿病の原因と症状、発症により起こり得るリスクについて解説します。

妊娠糖尿病とは

妊娠糖尿病とは、妊娠中にはじめて発症、あるいは見つかった糖代謝異常のことです[1]。糖代謝異常とは、血糖値は基準よりも高いが、糖尿病と診断されるほどではない状態を指します。妊娠中の検査で明らかに糖尿病と診断されるほどの高血糖が確認されたり、妊娠前から糖尿病があったりした場合は、妊娠糖尿病よりも重い状態で、妊娠糖尿病とは区別されます[1]。

食事をしたあとは、食べ物に含まれる糖質が分解されて「ブドウ糖」になり、血液中に取り込まれます。よって、誰でも「血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)」は上昇します。通常は、血糖値が上昇すると「インスリン」というホルモンの働きでブドウ糖が全身の細胞に取り込まれます。そうしてブドウ糖はエネルギーとして利用されたり、肝臓や筋肉、脂肪組織に取り込まれてエネルギー源として蓄えられたりします。このために血糖値は徐々に正常な範囲にまで低下していきます。

しかし、妊娠中はお腹の赤ちゃんにもブドウ糖を供給する必要があるため、胎児が大きくなるにつれてインスリンの働きを抑えるホルモンが出たり、胎盤でインスリンを壊す働きの酵素が作られたりします。これにより、インスリンが効きにくい状態になり、その結果、血糖値が上昇しやすくなってしまいます[2]。

妊娠糖尿病の原因

日本人の糖尿病患者に多い「2型糖尿病」は、食べ過ぎや運動不足、肥満などといった不適切な生活習慣の積み重ねが大きく影響して起こります。妊娠糖尿病も、高カロリーな食事の摂取や肥満などが危険因子になります。さらに、糖尿病になりやすい遺伝的体質を持っている(両親や兄弟姉妹に糖尿病の人がいる)ことや高年齢出産、巨大児や過剰発育児の分娩経験がある人、尿糖陽性が続く人、原因不明の流産、早産、死産の経験がある人、羊水過多の人、妊娠高血圧症候群の人や経験のある人なども、妊娠糖尿病になりやすいと疑われます[1][2]。

妊娠糖尿病の症状

妊娠糖尿病になっても、初期段階では自覚症状がほとんどありません。進行すると、のどが渇く、尿の量・回数が増える、疲れやすいといった症状が現れますが、妊娠中は体の変化で疲れやすくなりますし、赤ちゃんがお腹にいることで膀胱が圧迫されてトイレが近くなるので、こうした症状が妊娠糖尿病によるものだとは気づくにくいことが多いです。妊娠中の検査が重要となっています[2][3]。

しかし、妊娠中に高血糖状態が続くと、帝王切開の可能性が高まったり、流産や早産のリスクが高まったり、妊娠高血圧症候群、羊水過多症、尿路感染症などの合併症を起こしやすくなったりします。また、巨大児、低出生体重児、先天奇形、子宮内胎児死亡などのリスクも高くなります。出生後は、新生児低血糖症、呼吸障害、多血症などの症状が起こるリスクもあるので、十分な注意が必要です[2]。

参考文献

  1. [1]“妊娠糖尿病”日本産科婦人科学会. http://www.jsog.or.jp/public/knowledge/ninshintonyobyo.html(参照2017/6/30)
  2. [2]国立成育医療研究センター. ”妊娠と妊娠糖尿病” 国立成育医療研究センター. https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/perinatal/bosei/bosei-jsdp.html(参照2017-06-30)
  3. [3]大森安恵. 糖尿病と他疾患合併時の治療 5.妊娠時の診断と治療, 日内会誌 1996; 85(4): 536-540

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