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糖尿病

妊娠糖尿病が妊婦にもたらす合併症(2)早期産

更新日:2017/02/09 公開日:2015/09/28

この病気・症状の初診に向いている科
内科

妊娠糖尿病は妊婦にさまざまな合併症をもたらすことがありますが、そのひとつに「早期産」があります。この記事ではドクター監修のもと、妊娠糖尿病にともなう早期産の定義と原因、胎児に及ぼす影響について解説します。

妊娠糖尿病がもたらす合併症の1つに「早期産」があります。ここでは、早期産の定義と原因、早産児に起こるリスクについて解説します。

妊娠糖尿病とは?

妊娠糖尿病とは、妊娠中にはじめて発見・発症した糖代謝異常のことです。血糖値は基準よりも高めですが、糖尿病とは診断しづらいものを指します。これに対し、妊娠前から糖尿病と診断されていたり、妊娠中に明らかに糖尿病と診断されるほどの高血糖である場合は、「糖尿病合併妊娠」となり、妊娠糖尿病とは区別されます。

妊娠糖尿病の原因

日本人に多いといわれる「2型糖尿病」と同様、運動不足や高カロリーの食事が原因となることもありますが、妊娠糖尿病の場合はそれ以外にも、遺伝的な体質や35歳以上の高齢出産で発症のリスクが高まるとされています。

妊娠糖尿病の症状

初期での自覚症状はほとんどありません。進行すると、のどが渇く、尿の量や回数が増える、疲れやすいなどの症状があらわれますが、妊娠中は赤ちゃんがお腹の中にいるため、膀胱が圧迫されて尿の頻度も増え、体質の変化で疲れやすくなるため、気づきにくいのが難点です。

妊娠糖尿病の原因や症状については『妊娠糖尿病の症状と原因』で詳しく解説しています。

妊娠糖尿病のリスク

妊娠糖尿病は、胎児に以下のような影響を与えることがあります。

巨大児

生まれたときの体重が4000グラムを超える赤ちゃんのことです。体が大きい以外には特に異常はありません。しかし、出生後に呼吸障害や低血糖、低カルシウム血症、多血症、心不全症状などを引き起こす場合があります。

先天奇形

赤ちゃんが生まれる前にあらわれる身体的な異常です。赤ちゃんの体の器官は4週頃から作られるため、妊娠初期の段階で血糖値が高いと先天奇形が起こりやすくなります。また、血糖コントロールが悪いほど発生頻度が高まります。

子宮内発育遅延(胎児発育遅延)

胎児が十分に育たず、発育に遅れが生じたり、止まったりすることです。

胎児ジストレス

妊娠中や分娩中に胎児の血液や呼吸循環機能に障害が出ることです。以前は「胎児仮死」と呼ばれていました。

早期産

妊娠22週〜37週までの出産のことを言います。

妊娠糖尿病によって起こる早期産

いつからいつまでの出産が早期産?

早期産は「早産」とも呼ばれるもので、妊娠22週0日~妊娠37週までの出産のことを言います。赤ちゃんが生まれても問題ないとされる目安は、出産予定日をはさんで前3週間と後ろ2週間(妊娠37週から41週)とされています。この5週の期間内であれば、母体の外での生活にもスムーズに適応できるくらいまで赤ちゃんの体の機能は発達していることが多いため、この時期のお産は「正期産」と呼ばれます。ちなみに、妊娠22週未満の出産は「流産」、妊娠42週以降の出産は「過期産」と言います。

早期産の原因

早期産は、妊娠糖尿病がもたらす合併症として起こることがありますが、一般的には、体質や感染が原因であるケースが多いとされます。体質的なものでは子宮頸管無力症(子宮の出口が体質的に弱くて子宮口が開いてしまう)、感染症では絨毛膜羊膜炎(じゅうもうまくようまくえん:子宮内で胎児を包む絨毛膜と羊膜に起こる炎症)が、早期産の代表的な原因です。また、高齢出産や妊娠高血圧症候群、羊水過多症、子宮筋腫、前置胎盤(胎盤が子宮口をふさいでいる状態)などが原因で起こることもあります。さらに、喫煙や過労なども誘発因子になるとされます。

早期産児のリスク

早期産で生まれた赤ちゃんは、生まれたときの体重が少ない「低出生体重児」になりやすいうえ、体の各器官の発育も未熟なままで生まれてくることが多いです。また、生まれた週数が早い、生まれたときの体重が小さいほど体の機能は未熟な状態であるため、後に重篤な障害が引き起こされる可能性も高くなるとされます。

特に、28週未満の早産児は、体重がとても少なく、免疫機能や臓器の発育も未熟なので、さまざまなトラブルを起こしやすいと言います。正産期に生まれた赤ちゃんに体重や身長などが追いつくのも時間がかかります。こうしたことから、早産児は生まれた後に、新生児集中治療室(NICU)で特別な管理と専門治療を受けることになります。

妊娠糖尿病の治療

このようなリスクがあることから、妊娠糖尿病と診断された場合は、血糖値を正常な範囲に保つための治療を受けなくてはいけません。

食事療法が治療の基本

妊娠糖尿病の治療は、食事療法が基本です。食事療法の詳しい内容については『妊娠糖尿病患者の食事療法』をご覧ください。

インスリン療法が行われる場合も

食事療法だけで効果がみられない場合は、体内で不足しているインスリンを注射で補うインスリン療法が行われます。インスリン注射の胎児への影響は心配ありません。

体の管理は妊娠の基本

胎児のためにも、適切な栄養を摂り、生活習慣を見直し、健康的な生活を送ることが妊娠中の基本です。検査はきちんと受け、高血糖が確認されたらドクターの指示に従い、治療につとめましょう。

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