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糖尿病

糖尿病の治療法(2)運動療法

更新日:2017/04/21 公開日:2015/09/28

この病気・症状の初診に向いている科
内科

糖尿病の治療は、食事療法と運動療法により生活習慣を改善することが基本となります。ここでは運動療法について、糖尿病に適した運動とその効果、行う際の注意点などを、ドクター監修のもと解説しています。

運動療法は、食事療法とともに糖尿病治療の基本となるものです。運動が血糖値の改善にもたらす効果や、特に適した運動、行う際の注意点などをご紹介します。

運動療法の効果

食事から摂取した糖質は、体内で分解されてブドウ糖になり、血液に乗って全身に運ばれます。その後、すい臓のβ細胞から分泌されるインスリンの働きで筋肉や臓器に取り込まれ、エネルギーとして活用されます。しかし、2型糖尿病の人はインスリンの働きが弱くなっていたり、分泌量が少なくなっていたりするため、血液中にブドウ糖が余ってしまいます。

運動をすると筋肉がエネルギーを必要とするため、血液中のブドウ糖(血糖)が使われて、すぐに血糖値を下げることができます。また、日常的に運動をすることで筋肉でのブドウ糖の取り込みがよくなり、インスリンの働きが向上して血糖値が上がりにくくなるというメリットもあります。さらに、肥満で内臓脂肪が多いと、そこからインスリンの働きを邪魔する生理活性物質が分泌されますが、運動を続けていると内臓脂肪が消費されて肥満の解消にもつながります。こういった点でも糖尿病の改善が期待できます。ストレスも血糖値を上昇させる原因の1つですが、運動をすると爽快感が得られ、ストレス解消にもつながります。

1型糖尿病の場合はβ細胞自体が壊れてしまっているため、運動をしてもインスリンの働きを向上させる効果は望めません。しかし、運動は筋肉の発達やストレスの解消に役立つため、1型糖尿病であっても行うことが大切といえます。

糖尿病の改善に適した運動とは

運動療法の効果の1つに「筋肉でのブドウ糖の取り込みがよくなる」ことがありますが、これは運動に関わった筋肉に限られた効果です。そのため、できるだけ多くの筋肉を使う運動をすることが推奨されています。全身を動かせるウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなどの有酸素運動は、糖尿病の運動療法に適していると言えるでしょう。中でも、ウォーキングは手軽にできて続けやすく、安全性も高いため、特におすすめです。

運動量の目安は、ウォーキングであれば1回15~30分程度を1日2回とされています。毎日行うのが基本ですが、難しい場合は少なくとも週に3~4日以上行うよう心がけましょう。ややきついと感じたり、少し汗ばんだりする強度で行うと十分な効果が得られます。血糖値は食事をした後に上昇するため、食後1時間くらいたってから行うと、より効果的です。

効果が高まる運動のコツ

運動をするときは、その効果を測るためにも脈拍数や消費カロリーを算出することをおすすめします。脈拍数は、1分間に100~120回程度が望ましいでしょう。消費エネルギーは、160~240キロカロリー程度が理想です。ご自身の体格や体調に合わせて、無理のない程度に行いましょう。

カロリー消費の目安

体重60kgの方が、100キロカロリー消費するために必要な運動と時間は以下のとおりです。参考にしてみてください。

  • 軽い散歩・体操:約30分
  • ウォーキング・ダンス:約25分
  • サイクリング(平地)・ゴルフ:約20分
  • 水泳(平泳ぎ):約10分
  • 水泳(クロール)・テニス:約5分

運動療法の注意点

運動を行う際の注意点

前述したように、運動は継続が大切ですが、血糖コントロールが不安定な場合には体に負荷がかからないように運動時間を控えめにするなどしてください。ときには休むことも大切です。血糖の推移を観察しながら運動療法に取り組みましょう。また、水分の不足は心血管系合併症を引き起こす可能性があります。運動中はもちろん、運動前後にも水分補給を欠かさず行うよう注意してください。また、けがや事故を防止するため、運動前にはストレッチや準備運動を必ず行いましょう。

このようなときは運動を中止しましょう

血糖コントロールや合併症の状態によっては、運動療法を行ってはいけないケースがあります。次のような場合は、控えるようにしましょう。

  • 空腹時血糖値が250mg/dL以上ある
  • 尿ケトン体で陽性反応が出た
  • 増殖前網膜症による眼底出血がある
  • 腎症のため、血清クレアチニン値が男性2.5mg/dL以上、女性2.0mg/dL以上である
  • 神経障害や閉塞性動脈硬化症がある
  • 心臓や肺の病気、高血圧、感染症、関節疾患、足の壊疽(えそ)などがある

運動療法は自己判断で始めず、事前に医師に指示を仰ぐことが大切です。また、なによりも継続することが肝心なので、行う際は無理をせずに軽い運動から始め、徐々に強度を上げていくようにしましょう。

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