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糖尿病

糖尿病の治療法(3)食事療法

更新日:2017/12/15 公開日:2015/09/28

この病気・症状の初診に向いている科
内科

糖尿病の主な治療法には食事療法、運動療法、薬物療法があります。なかでも基本になるとされるのが食事療法です。ドクター監修のもと、糖尿病治療の基本的な食事療法を中心に治療法についてご紹介します。

糖尿病の治療の中でも、もっとも基本となり、効果が出やすいのは「食事療法」とされています。効果的である理由と、ポイントとなる食事の「量・質・バランス」について解説します。

糖尿病の食事療法とは

糖尿病は、血糖値が慢性的に高くなる病気です。食事から摂取した糖質は体内でブドウ糖に分解され、血液に乗って全身をめぐります。そして、すい臓から分泌される「インスリン」の働きで筋肉や臓器に取り込まれて、エネルギーとして活用されます。

しかし、2型糖尿病の人はインスリンの分泌や働きが悪くなっているため、ブドウ糖がうまく利用されずに血液中に増えすぎてしまいます。そこで、食事療法により体内に入ってくる糖質の量を制限し、弱っているすい臓の負担を軽くして機能を回復させることが大切となります。

一方、1型糖尿病の人は、インスリンを分泌するすい臓のβ細胞が壊れているため、インスリンをほとんど、あるいは全く分泌できません。そのため、1型糖尿病の人はインスリンを注射で補給しますが、この場合も食事療法によりインスリンの補給を調節しやすくなります。

食事療法のポイント

糖尿病の食事療法でポイントとなるのは、食事の「量・質・バランス」です。ここからは、それぞれのポイントを見ていきましょう。

食事の量

血糖値が上がり過ぎるのを防いで正常な状態に整えていくには、1日に必要なエネルギー量を知り、それ以上食べ過ぎないようにすることが重要です。

1日に必要なエネルギー量は、「標準体重(kg)」×「1日の身体活動量(kcal)」という計算式で求めることができます。標準体重は、以下の計算式で求められます。

標準体重=身長(m)×身長(m)×22

1日の身体活動量は、日常生活においてデスクワークなどの軽作業の人は25~30kcal、立ち仕事などの中程度の活動量の人は30~35kcal、力仕事などの重労働が多い人は35kcal以上となります。たとえば、身長が170cmでデスクワークが多い男性の場合は、次のような計算になります。

標準体重=1.7 m×1.7 m×22=63.6kg

1日の適正な摂取エネルギー=63.6kg×25 kcal=1509 kcal

食事の質

指示された一定の食事量で体に必要な栄養素を過不足なく摂取するためには、栄養の配分を考えることが大切です。栄養配分は、総エネルギー(kcal)の55~60%を「炭水化物」、15~20%を「タンパク質」、「脂質」は25%以下とするのが目安とされています。

それぞれの栄養素を多く含む代表的な食品は、次のとおりです。

炭水化物
ご飯、パン、麺類、いも類、豆類(大豆を除く)、果物など。
タンパク質
肉類、魚介類、卵、大豆製品、乳製品など。
脂質
油脂、脂質の多い種実類(ごま、ピーナッツなど)、脂質を多く含む肉(ベーコン、ばら肉)など。

また、食物の消化吸収をゆっくりにし、血糖値の急激な上昇を抑える「食物繊維」、体の調子をよくする「ビタミン」「ミネラル」も不足しないよう、こうした栄養素が豊富な野菜、海藻、きのこ類を積極的に食べるようにしましょう。厚生労働省により、野菜は1日に350g以上摂取することが推奨されています。

塩分摂取にも注意が必要です。過剰摂取は高血圧のリスクを高め、腎症や網膜症をはじめとする合併症を進行させるおそれがあるため、料理の味付けは薄味を心がけ、食塩の摂取量は1日10g以下(血圧が高い人は6g以下)にするよう心がけましょう。

食事の栄養バランスとカロリー配分

栄養バランスだけでなく、1日3食をバランスよくとることも重要です。というのも、1日のトータル摂取カロリーが同じでも、1食だけに集中して食べるとすい臓に大きな負担がかかってしまいます。食事を抜くことはせず、1日3食を均等に食べましょう。できるだけ、毎日決まった時間に摂ることも意識してください。また、間食はできるだけ控えましょう。

注:ここで紹介している内容は、日本糖尿病学会の糖尿病診療ガイドラインなどに基づいたものになります。糖尿病の食事療法については、近年、糖質制限によるものも提唱されています。医師の支持者が増加していること、従来の糖尿病食よりもHbA1cの改善度合が高いという試験結果が出ていることなどを踏まえ、従来の糖尿病食と同じく、今後のさらなるエビデンス構築が期待されています。

そのほかの糖尿病治療法

糖質制限食

注意事項でもふれたように、最近糖尿病治療のための食事療法を採用する場合、糖質制限食に注目する医師が増えています。糖質制限食は、血糖値の急激な上昇を抑え、すい臓を休ませることによって機能を回復させることを狙った治療法です。糖質を全くとらない、あるいは糖質を減らすことがこの治療法の特徴です。制限される食品については『糖尿病の治療法(4)食事療法:「糖質制限食」』をご確認ください。

投薬治療

糖尿病の薬物療法では、投薬治療が行われます。インスリンの抵抗性を改善する薬やインスリンの分泌を促す薬、藤の吸収や排せつを調節する薬などが、ケースによって使い分けられます。糖尿病の発症によって現れる諸症状を漢方薬で緩和する場合もあります。

運動療法

糖尿病の治療として行われる運動療法は、血液中に余ってしまっているブドウ糖を消費し、血糖値を下げることができます。また、運動を行うことで、内臓脂肪を消費することによる肥満解消や、インスリンの働きの向上も期待できます。食事の1時間後に、毎日2回15分から30分のウォーキングを有酸素運動として行うことが推奨されています。また週2~3回、筋肉に抵抗(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行うレジスタンス運動を同時に行うことも勧められています。

ただし、運動療法が行えない場合もありますので『糖尿病の治療法(2)運動療法』を参照の上、担当医師と相談して治療法を選択しましょう。

糖尿病の食事療法は主治医に相談をしましょう

ここでは糖尿病の食事療法についてみてきました。なお、食後の運動時間、食事内容(糖質制限の推奨有無)については諸説出ており、該当者の糖尿病のレベル、合併疾患などによって決められます。自己判断をせず、必ず主治医に相談をするように心がけてください。

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