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頻尿・夜間頻尿

病院での過活動膀胱の検査と治療

更新日:2017/03/15 公開日:2015/09/28

岩井裕子先生

この記事の監修ドクター

中村外科 医師

岩井裕子先生

この病気・症状の初診に向いている科
泌尿器科

頻尿の原因のひとつでもある「過活動膀胱」の検査方法と、過活動膀胱と診断されたときの主な治療法について解説します。

過活動膀胱とは

過活動膀胱とは、急に強い尿意を感じ、もれそうになることがある状態のことを言います。また、日中のトイレが近くなったり、夜寝ているときにも頻繁にトイレに行きたくなったりします。1日何回以上排尿があると過活動膀胱といった明確な定義はありません。1日8回以上排尿があれば頻尿と定義したり、1日に1回以上、我慢できないほど強い尿意を急に感じることがあれば、過活動膀胱と考える場合もあります。患者のQOL(quality of life)にかかわる病気であることや、1日の排尿回数に個人差があることから、明確な基準を設けることは難しいという考え方もあります。

そのため、「急に我慢できないくらいの尿意を感じる」「我慢できずに尿が漏れてしまう」ということがあれば、泌尿器科で相談するとよいでしょう。

過活動膀胱の原因

過活動膀胱の原因は、脳と膀胱の間の神経に起きたトラブルが原因となる「神経因性」と、そのほかの原因で起こる「非神経因性」の2種類に分けられます。

神経因性過活動膀胱

神経因性の過活動膀胱は、脳や脊髄の障害が原因となっています。たとえば、脳卒中や脳梗塞といった脳血管障害や、パーキンソン病などの脳に障害が起きる病気、脊髄損傷や多発性硬化症による脊髄の障害の後遺症といったことが、過活動性膀胱を招く可能性があります。

非神経因性過活動膀胱

非神経因性過活動膀胱の原因としては、骨盤底筋のトラブルや加齢によるものが考えられます。女性は出産によって骨盤底筋にダメージを受けることから、骨盤底筋が弱くなり、排尿のメカニズムがうまく働かなくなるケースがあります。その結果、過活動膀胱が起こるといわれています。

なお、過活動膀胱の原因でもっとも多いのは、原因が特定できないものや、加齢によるものだといわれています。

過活動膀胱から除外されるもの

膀胱がんを含む膀胱の異常がある場合や、細菌性膀胱炎、子宮内膜症などの膀胱周囲の異常といった要因により、症状が出る場合もあります。また、心因性の頻尿もありますが、これらは過活動膀胱とは言いません。

年齢ごとの患者数

過活動膀胱の患者数は、40歳以上で約800万人以上といわれています。年齢が上がるにつれて過活動膀胱を患う方は多くなり、80歳以上になると全体の35%以上に過活動膀胱の症状が見られるという調査データもあります。なお、男女で過活動膀胱のなりやすさに明確な差はないと考えられます。

泌尿器科で受ける過活動膀胱の主な検査方法

頻尿の症状が出たら、まずは泌尿器科を受診しましょう。近くに泌尿器科がないときや最初に泌尿器科へ行くことに抵抗がある場合は、内科で診察を受けてもよいでしょう。必要に応じて、紹介状を書いてもらうことで専門医のいる病院を受診することもできます。

過活動膀胱症状質問票・チェックシート

病院では、待ち時間に尿検査を済ませるところもありますので、来院前のトイレはなるべく我慢して行くと診察がスムーズです。診察では、問診によって尿意切迫感や頻尿の症状を確認し、過活動膀胱かどうかの判断をします。過活動膀胱症状スコア(OABSS)などの問診票に沿って答えます。

たとえば、過活動膀胱症状スコア(OABSS)では以下のような項目に回答します。

  • 朝起きてから夜寝るまで、何回尿があったか
  • 夜寝てから朝起きるまでに、何回くらい尿をするために起きたか
  • 急に尿がしたくなり、がまんが難しいことがあったか
  • 急に尿がしたくなり、がまんできずにもらすことがあったか

問診後は、必要に応じて次のような検査を受けます。

尿検査

血尿や、細菌感染などの有無を調べます。

超音波検査

膀胱に残っている尿量や、膀胱の状態を調べます。がんや結石などの有無も確認できます。超音波検査で残尿量を見ることで、神経因性の過活動膀胱と判別することもできます。

血液検査

同じような症状のある別の泌尿器科疾患との鑑別のため、血液検査を行う場合もあります。

ただし、これらの検査をしても原因がわからない場合は、膀胱内圧測定、尿流量測定(ウロフロメトリー)、膀胱尿道鏡検査、X線検査(尿路造影)といった専門的な検査を受けることもあります。

排尿日誌の書き方

検査以外には、受診の際に「排尿日誌」をつけるよう指示が出ることもあります。排尿日誌とは、1日の排尿状態を確認するために毎回の尿を計量カップで量り数日間記録するものです。通常、1回の排尿が200~300ml程度であれば問題はないとされます。また、トイレに行った際の尿意の強さをはじめ、失禁、水分補給や飲酒など水分の摂取量も記録します。水分の摂取量を知ることは、体に入る水分が多いために尿量が多いのか、尿を溜める機能が弱っているのかを判断する手がかりになります。

過活動膀胱炎主な治療法は「膀胱訓練」と「薬物療法」

過活動膀胱は、主に「膀胱訓練」と「薬物療法」によって治療します。ここでは薬物療法について大まかに解説します。膀胱訓練については、『過活動膀胱炎の尿漏れ対策に「膀胱訓練」のススメ』の記事をご覧ください。

薬物療法には、「抗コリン薬」、「β刺激薬」、「漢方薬」など、いくつかの種類があります。これらの中でもβ刺激薬は最近使われるようになった薬で、副作用が少ないのが特徴です。特に抗コリン薬は高齢の方に副作用が出やすい薬ですので、β刺激薬であれば比較的安心して服用できるメリットがあります。

具体的な治療薬については『過活動膀胱の治療薬』、漢方薬については『過活動膀胱に効果的な漢方薬』の記事をご覧ください。

過活動膀胱は、処方された薬だけで症状が完全におさまらない場合もあります。膀胱訓練を基本メニューとして、女性の場合は骨盤底筋体操をあわせて行うのもよいでしょう。『女性特有の頻尿の原因!「骨盤底筋のゆるみ」について』の記事も参考にしてください。このほか、電気や磁気の刺激を与えることで、膀胱や尿道、骨盤底筋の機能改善を目指す電気刺激治療を行う場合もあります。

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