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腹部膨満感

腹部膨満感(お腹の張り)はどうして起こる?

更新日:2018/04/26 公開日:2015/11/24

この病気・症状の初診に向いている科
内科

お腹が張って苦しい状態を「腹部膨満感」と言います。どうしてお腹が張ってしまうのでしょうか。生活習慣によって起こっているものから病気によるものまで、さまざまな原因が考えられます。ここでは、腹部膨満感が起こる原因について解説します。

腹部膨満感とは

腹部膨満感は、お腹が張ったように感じたり、圧迫されて苦しいように感じたりする状態のことです(お腹いっぱいになるまで食べたときに感じる満腹感とは異なります)。

実際にお腹が膨らんでいることを客観的に確認できる場合(お腹周りのサイズが増えているなど)はもちろん、そうでなくても自覚症状としてお腹が膨らんでいるように感じる場合もあります。具体的には、腹部膨満感があるときは以下のような症状が出ます。

  • お腹が膨らんでいる
  • お腹が膨らんだような感じがする
  • お腹が張った感じがして苦しい
  • お腹がゴロゴロと鳴る(※)
  • お腹にガスが溜まっている感じがする
  • 少ししか食べていないのに、すぐお腹がいっぱいになる
  • 空腹感がなく、おなかが張った感じがする
  • げっぷをすると少し楽になる

※お腹が鳴ることを腹鳴(ふくめい)と言います。詳しくは『ガスでお腹が張る!ガスだまりのメカニズムと対処法』をご覧ください。

腹部膨満感はなぜ起こる?

胃部膨満感が起こっているとき、身体の中では何が起こっているのでしょうか? 大きく5つのことが考えられます。

  • 腸の中にガスが溜まっている(鼓腸;こちょう)
  • 飲食物が消化管の中で停滞している
  • 妊娠
  • お腹の中に水が貯まっている(腹水;ふくすい)
  • 臓器や腫瘍のサイズが大きくなっている

これらの状態を引き起こす原因として、日常の生活習慣などによる場合と、なんらかの病気が原因となっている場合があります。それぞれについて、以下で解説します[1]。

腹部膨満感の原因(1)腸の中にガスが溜まっている(鼓腸)

ふつう腸内には約200mLのガスが存在すると言われています[1]。このガスは空気を飲み込んで入ってきた窒素と酸素や、腸内細菌が産生した二酸化炭素、水素、メタンが混ざり合ったものです。これらが増える原因として主に下記のようなことが挙げられます。

空気嚥下症(呑気症)

空気をたくさん飲み込んでしまうことで、腸内のガスが増えてしまうことです。例えば、食事をかき込むなど、急いで早食いすることで、食べ物と一緒に空気を飲み込みます。また、食事中に会話が弾んで、お喋りに夢中になりすぎると、やはり空気をたくさん飲み込んでしまいます。このほか、ガムを噛むこと、喫煙、不安による呼吸数の増加なども原因になるといわれています。

ガスを発生させる食品の摂取

米、パン、芋類などでんぷん質の食品、ラクトースなどのオリゴ糖、ゴボウなどアクの強い食品、豚肉、甘い菓子、炭酸飲料、ラーメンなどはガスを発生させやすいといわれています。腹部膨満感がある場合は、これらの過剰な摂取に注意しましょう。

腹部膨満感の原因(2)飲食物が消化管の中で停滞している

食べたものの消化が追いつかず、胃や腸の中で停滞していると、蠕動(ぜんどう)運動がうまくできずに腹部膨満感をもたらします。このような状態になる主な原因を紹介します。

暴飲暴食

胃腸の消化機能を上回る飲食物の過剰摂取は、消化に時間がかかってしまいます。その結果、胃や腸の中に食物が長くとどまり、むかつきやもたれ、胃部膨満感の原因になります。

ストレス

ストレスを受けると自律神経のバランスが乱れて、胃の消化機能が低下したり、腸の蠕動運動が弱まったりします。その結果、胃や腹部の膨満感が起こることになります。

便秘、過敏性腸症候群(IBS)

ご存知の通り、便秘では便が腸内にとどまったままになってしまいます。便そのものによる圧迫はもちろん、腸内にガスが溜まりやすくなるため、腹部膨満感の原因になります。また、便秘や下痢を繰り返し、腹部膨満感や腹痛などが起こる過敏性腸症候群(IBS)という病気もあります。この場合はガスというよりは腸がうまく働けないことによって起こると考えられています[1]。詳しくは『便秘を引き起こす?過敏性腸症候群(IBS)とは』をご覧ください。

腸閉塞(イレウス)

何らかの原因で腸の一部がつまってしまい、内容物が通り抜けられない状態です。腹部膨満感や腹痛、嘔吐などが起こります。詳しくは『腸閉塞(イレウス)の原因と症状、治療法』をご覧ください。

巨大結腸症

腸の蠕動運動が低下して内容物がつまり、腸が大きく膨らみ、ひどい腹部膨満感が現れる病気です。詳しくは『巨大結腸症の原因と症状、治療法』をご覧ください。

腹部膨満感の原因(3)妊娠

腹部膨満感の原因として見逃しがちですが、女性の場合は妊娠があり得ます。胎児が成長するとそれに合わせて子宮も大きくなっていき、おおむね妊娠12~14週で骨盤内から腹腔内に子宮が移動します。日本人の初産婦の場合、お腹が大きくなってきたことを自覚するのは16週以降が多いようです[2]。

腹部膨満感の原因(4)お腹の中に水が貯まっている(腹水)

胃腸などの内臓は腹腔という袋に包まれているのですが、ここに液体が溜まってしまうことがあります。この状態を腹水といいます。腹水が起こる原因の約8割は肝硬変であると言われています[1]。このほか、心臓の病気やがん、感染などによって腹水が起こります。腹水の原因をはっきりさせるには病院への受診が必要です。

腹部膨満感の原因(5)臓器や腫瘍のサイズが大きくなっている

肝臓や脾臓といった臓器が大きくなったり、腹部を通っている大動脈にコブができたりした場合には、周りを圧迫しますので腹部膨満感が出ることがあります。同様に、がんや膿瘍などのサイズが大きくなってくることも原因となります。こちらも病院で検査を受けてはっきりさせる必要があります。

まとめ

このように、腹部膨満感を引き起こす原因には、日常生活のちょっとした問題から、まれですが命にかかわりかねない病気までがあります。女性の場合は妊娠の可能性もあります。たびたび起こる腹部膨満感に悩んでいるという人は、まず自分自身の生活スタイルを見直し、改善することが大切です。それでも腹部膨満感が治らなかったり、むしろ症状が重くなってきたりするようなら、病院(消化器科や内科など)を受診しましょう。

参考文献

  1. [1]デニス・L・カスパーほか編. “腹部膨隆” ハリソン内科学 第5版. メディカル・サイエンス・インターナショナル. 2016; 291-294
  2. [2]元木葉子ほか. “腹部膨満” 日産婦誌 2011: 63(3); 25-26

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