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腹部膨満感

便秘を引き起こす?過敏性腸症候群(IBS)とは

更新日:2018/05/22 公開日:2015/12/08

あなたの便秘やお腹の張りは、もしかしたら「過敏性腸症候群(IBS)」が原因かもしれません。ここでは、過敏性腸症候群について、ドクター監修の記事で詳しくお伝えします。

試験や会議など緊張する場面では、いつもお腹の調子が悪くなる…。それは、「過敏性腸症候群(IBS=Irritable Bowel Syndrome)」かもしれません。では、便秘や下痢をともなう「過敏性腸症候群」とは、どのようなものなのか、以下で解説します。

過敏性腸症候群(IBS)とは

過敏性腸症候群は、腸自体に異常がないのに便秘や下痢をくりかえす状態のことです。

その原因には、緊張やストレスが大きく関係しているといわれ、以下のようなことがよくある方は過敏性腸症候群が疑われます。

  • 試験や大切な会議の際など、緊張するとお腹の調子が悪くなる
  • 通勤や通学時、急にお腹が痛くなり、途中でトイレに駆け込むことがある
  • 電車やバス、車の中でお腹が痛くなり、トイレに駆け込みたくなる
  • 出張や旅行先でお腹が痛くなり、トイレを探すことがある

過敏性腸症候群(IBS)の定義

過敏性腸症候群は、検査をしても異常が認められないのに、腹痛や腹部膨満感などの腹部症状、下痢や便秘といった便通異常が慢性的に繰り返される状態です。

診断基準としては、6か月以上前から症状があり、直近3か月間で、腹部症状が1か月に3日以上くりかえされることや、以下の項目のうち2項目以上当てはまる場合は、過敏性腸症候群(IBS)が疑われます。

  • 排便すると症状が改善する
  • 症状が出ている際は排便の頻度が変化する
  • 症状が出ている際は便の形状が変化する

症状

以下のような、お腹の症状が特徴的です。

  • 下痢や便秘が何週間も続いている
  • 下痢と便秘が交互に起こる
  • 腹部膨満感やお腹の痛みがよく起こる
  • 急に下痢になり、トイレに駆け込むことがよくある
  • 排便すると腹痛がおさまる
  • 排便後に残便感がある
  • 就寝中は腹痛が起こらない
  • お腹が鳴る、ガスが出やすい

また、腹部症状のほかに、吐き気や嘔吐、食欲不振などの消化器症状、頭痛や頭重感、めまい、肩こりなどの全身性症状、不眠や不安感などの精神症状をともなうこともあります。

なお、下痢と便秘について明確な定義はありませんが、一般的には以下の内容が目安になります。

下痢症
排便階数が1日3回以上と多い。柔らかい便や水様の便で、急激な便意がある。
便秘症
排便回数が週3日未満と少ない。硬い便やコロコロとしたウサギの糞のような便(兎糞状便)が特徴的で、残便感や直腸肛門の詰まった感じなどの排便困難をともなう。また、過敏性腸症候群は、症状に合わせて以下のように分類されることもあります。
下痢型
慢性的な下痢(泥状便や水様便)で、腹痛や腹部不快感をともなう場合も。男性に多い。
便秘型
慢性的な便秘(硬い便やコロコロとした兎糞状便)で、腹痛や腹部膨満感をともなう場合も。女性に多い。
混合型
下痢型と便秘型の症状が交互に起こる。

検査法

問診によって症状や排便の回数・状態を確認するほか、便中に血液が混じっていないかを調べる便潜血検査、血液検査、レントゲン撮影、大腸内視鏡検査などを行うこともあります。これらの検査で大腸がんや潰瘍性大腸炎などの病気の可能性はないかを調べます。

過敏性腸症候群(IBS)の治療法

過敏性腸症候群の最大の原因は、ストレスによって緊張状態(交感神経が優位)になる

ことです。そのため、まずは、精神的なストレス(仕事や人間関係など)や身体的なストレス(過労や睡眠不足、不規則な生活、嗜好品の過剰摂取など)を溜めないことが重要になります。長期旅行や引っ越しなど、環境の変化が大きなストレスになることもあります。

そのほか、治療法としては主に以下のようなものがあります。

心理療法

担当医への相談や専門家によるカウンセリングによる心理療法によって症状が改善することもあります。過敏性腸症候群の原因となっているストレスを解明する目的もあります。

食事療法

栄養バランスの取れた食事を、規則正しく摂ることが大切になります。さらに、症状によって、以下のことに注意します。

下痢型
香辛料や冷たい飲食物、脂っこいもの、乳製品、アルコールなど、腸を刺激して下痢を悪化させるものは避ける。消化によいものを食べる。
便秘型
香辛料やアルコール、脂っこいものなど、刺激の強い食品を避け、食物繊維を多めに摂る。
混合型
症状に応じて、下痢と便秘の際に注意したい食事を心がける。

運動療法

適度な運動は、腸の働きを整えて下痢や便秘の症状を抑えたり、ストレスを解消したりする効果が期待できます。

薬物療法

症状がひどい場合や、食事療法などでは改善しない場合、治療薬が処方されることもあります。

治療薬の種類は症状に応じて、腸内環境を整える乳酸菌製剤、下痢を抑える整腸剤、便秘を解消する下剤、腹痛を和らげる抗コリン薬、緊張をやわらげる抗不安薬や抗うつ薬などが処方されます。

過敏性腸症候群は、日本での有病率が13.1%という報告もあり、ごく身近な病気です。一般的には、思春期から青年期の若い世代に多くみられる特徴がありますが、ストレス社会においては、中高年や高齢者にも増えてきています。

なかには、過敏性腸症候群の症状によって、電車移動や旅行もままならず生活の質が低下したことがストレスとなり、ますます状態が悪くなるといったケースもあります。そのため、不安に思ったら早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることをおすすめします。

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