スキンケア大学 ヘルスケア大学 メンズスキンケア大学

皮膚疾患・粘膜の病気

「尋常性魚鱗癬」とは?原因や治療法

更新日:2017/11/15 公開日:2015/12/16

この病気・症状の初診に向いている科
皮膚科

尋常性魚鱗癬(じんじょうせいぎょりんせん)は、皮膚の角質層が硬くなり、魚のうろこのように角質がはがれそうになる遺伝性の病気です。特徴や症状について、ドクター監修の記事でご紹介します。

尋常性魚鱗癬(じんじょうせいぎょりんせん)の主な特徴や症状について解説します。

尋常性魚鱗癬ってどんな病気?

尋常性魚鱗癬とは、遺伝性の皮膚病に含まれます。皮膚の表面の角質が硬くなってしまう角化症の一つで、角質がうろこ状になり、はがれやすくなります。高温多湿の夏には軽くなり、寒冷で乾燥した冬に悪化することが知られています[1][2][3]。尋常性とは「通常の」という意味であり、魚鱗癬の魚鱗は魚のウロコ、癬とはかゆみを伴う皮膚病を意味しています。

魚鱗癬にはさまざまな種類がありますが、尋常性魚鱗癬は比較的軽いタイプとなります[1][2][3]。250~1000人に1人の頻度で起こるとされています[3]。主に脚に症状が出やすく、このほか腕や手、体幹にも発症します。手のひらのしわが、はっきりとしてくるのも特徴です[1]。生後3か月までに発症し、成人になるとともに軽快していくことが多いです[3]。

尋常性魚鱗癬の原因

尋常性魚鱗癬は、常染色体優性遺伝(じょうせんしょくたいゆうせいいでん)によって起きる遺伝性の病気です。

皮膚のバリア機能に関係したタンパク質「フィラグリン」関連の遺伝子変異により起こります[4]。ホモ型といわれるフィラグリンが完全に失われるケースは重症となり、フィラグリンの減少が半量ほどのヘテロ型は、軽度な症状となる傾向にあります[1][2]。皮膚の角質の形成に影響を及ぼし、角質のバリア機能や保湿機能が損なわれます[1]。

尋常性魚鱗癬の診断、治療法

尋常性魚鱗癬の診断は、角質が厚くなっていることを確認したうえで、家族で同じ病気にかかった人がいないかどうか、ほかに手のひらのシワの状態を調べることで診断されます。

治療方法は、塗り薬によるものが中心です。保湿剤、角質溶解剤、活性型ビタミンD3軟膏などが使われます。

寒冷地で乾燥した環境下では、皮膚がひび割れるなど症状が悪化しやすいので、暖房器具や加湿器を用いて、温度と湿度を管理することが大切です。

また、入浴の際には、洗浄力が強い石けんの使用は避けて低刺激性のものを選び、擦り過ぎないようにしてください。入浴後は特に水分の気化によって乾燥しやすいため、入浴後はすぐに保湿剤を塗るようにしましょう。

参考文献

  1. [1]MedlinePlus. "Ichthyosis vulgaris" NIH. https://medlineplus.gov/ency/article/001451.htm(参照2017-10-10)
  2. [2]GARD. "Ichthyosis vulgaris" NIH.
    https://rarediseases.info.nih.gov/diseases/6752/ichthyosis-vulgaris(参照2017-10-10)
  3. [3]DermNet New Zealand. "Ichthyosis" New Zealand Dermatological Society.
    https://www.dermnetnz.org/topics/ichthyosis/(参照2017-10-10)
  4. [4]Thyssen JP, et al. Ichthyosis vulgaris: the filaggrin mutation disease, Br J Dermatol. 2013; 168(6): 1155-1166

角化症についての関連記事

皮膚疾患・粘膜の病気 サブテーマ

角化症 記事ランキング

fem.リサーチ