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椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアの治療手術療法について

更新日:2018/05/25 公開日:2016/01/22

腰椎椎間板ヘルニアには手術が必要な場合があります。腰椎椎間板ヘルニアの基本を知ったうえで、手術が必要なケースや、手術の種類についてドクター監修の記事でお伝えします。

腰痛が続くと思ったら、腰椎椎間板ヘルニアの可能性があります。まずは、どんな分類があって、自分はどの分類・どの症状なのかを把握しましょう。そして、手術が必要な場合がどんな時かを知り、適切な対処ができる状態にすることが大切です。

椎間板ヘルニアの4つの分類

椎間板とは、脊椎を構成する椎骨と椎骨の間のクッションのような役割で、腰がスムーズに動くようサポートしている組織です。中心部にゼリー状の髄核(ずいかく)があり、その周りを線維輪(せんいりん)という組織が囲んでいます。この椎間板の一部が膨隆(ぼうりゅう)し、髄核が飛び出す症状を「椎間板ヘルニア」といい、これが腰椎(腰の部位にある椎骨)の間にある椎間板に起こったものを「腰椎椎間板ヘルニア」と言います。

無症状のことも多いですが(その場合、特に治療は必要ありません)、膨隆(ぼうりゅう)した椎間板や、そこから飛び出した髄核が脊柱管の中から伸びる神経根を圧迫してしまうと、痛みやしびれなどのさまざまな症状が現れます。

椎間板ヘルニアは、髄核が飛び出している程度別で4つに分類されます。

(1)膨隆(ぼうりゅう)型

P型とも呼ばれます。椎間板の一部が膨らんだ軽度の状態で、外に飛び出してはいません。膨らむことで神経を圧迫することがあります

(2)脱出型

SE型とも呼ばれます。髄核が線維輪を破って突出した、典型的な状態を言います。

(3)穿破(せんぱ)脱出型

TE型とも呼ばれます。線維輪を破って突出した髄核が、椎間板と脊柱管の間にある後縦靭帯(こうじゅうじんたい)も突き破った状態です。

(4)遊離脱出型

S型とも呼ばれます。後縦靭帯を突き破った髄核の一部が分離し、脊柱管内の別の場所に移動した状態です。

なお、穿破脱出型と遊離脱出型は、自然消滅する場合もあるようです。ヘルニア組織が線維輪を破って飛び出すと、人体に備わる免疫機能がヘルニア組織を異物とみなし、免疫細胞が異物を吸収して消滅させることがあるためとされています。

腰椎椎間板ヘルニアの原因とは?

椎間板に無理な荷重やねじれが続くと変性した状態になります。そこに、なんらかの負荷がかかり椎間板がつぶれると、中の髄核が飛び出して、椎間板ヘルニアが発症します。

腰椎椎間板ヘルニアは、腰椎捻挫や打撲、長時間の同じ姿勢(座り続けるなど)、前かがみでの作業の継続、スポーツ障害、腰椎を支える筋力の衰え、肥満などが原因として考えられています。つまり、過度の負担がかかることによる椎間板の変性が、ヘルニアの原因と言えるのです。

重い物を持ち上げる時や、くしゃみをすることが発症の要因になることもありますが(このようなきっかけで、弱っていた線維輪が断裂して髄核が飛び出すことがあるため)、中には、明らかな誘因がなく発症するケースもあります。また、遺伝的要因や喫煙の影響などが要因となり得るとの指摘もあります。

腰椎椎間板ヘルニアの主な症状

神経根の圧迫や刺激による、激しい腰痛と下肢の痛み・しびれが特徴的な症状です。具体的には、以下のような症状が見られます。

(1)腰痛

線維輪が断裂して炎症を起こし、神経が圧迫されて痛みが出ます。

(2)下肢痛

椎間板の膨隆や、突出した髄核が大腿神経や坐骨神経に連なる神経根を圧迫することで起こります。特に下腿外側から背側にかけての痛みは「坐骨神経痛」との呼び名で呼ばれることも多いです。また、下肢痛は片脚だけに現れることがほとんどです。

(3)しびれ

神経根が圧迫されることで、しびれなどの知覚障害が起こります。

(4)下肢の筋力低下

神経根が圧迫されることで、足に力が入らなくなることもあります。

(5)排尿や排便障害

馬尾(ばび)神経が圧迫されると、直腸膀胱障害が見られることがあります。

腰椎椎間板ヘルニアになってしまったら姿勢に注意

原因の項でも記載しましたが、椎間板ヘルニアは、椎間板に過度の負担がかかることで起こりやすい病気です。前かがみや中腰の姿勢の継続はできるだけ控え、職業上やむを得ない場合は、定期的に休憩を入れて軽く体を動かすようにしましょう。また、重いものを持ち上げる時や、掃除機などの中腰の作業をする際も、十分注意しましょう。

同時に、椎間板への負担を減らすために、腰の周囲の筋肉を鍛えることも大切です。筋トレをするほどではありませんが、腰を支えられるだけの筋力をつけるために、腰痛体操などの運動も取り入れましょう。特に、一度ヘルニアを患った方は意識して行うことをおすすめします。

痛みの発作をくりかえす場合は、手術を考える

腰椎椎間板ヘルニアは保存療法だけで症状が改善するケースがほとんどです。しかし、保存療法を2~3か月続けても効果が得られない場合や痛みの程度がひどい場合、痛みの発作が繰り返される場合などは手術を考える必要があるでしょう。

腰椎椎間板ヘルニアの手術には、「Love法」や「顕微鏡下椎間板切除術」、「内視鏡下椎間板切除術」などがあります。

どれも背中の皮膚を切開し、脊髄を開いて椎間板から飛び出している髄核(ずいかく)や線維輪(せんいりん)を摘出する方法です。

直視下でヘルニアを確認する「Love法」

1940年代から行われている歴史ある手術法です。全身麻酔のうえ、直視下にヘルニアを確認して切除します。

顕微鏡下椎間板切除術・内視鏡下椎間板切除術

顕微鏡下椎間板切除術、内視鏡下椎間板切除術は、圧迫されている神経を医師が目で直接確認しながらヘルニアを摘出する手術で、神経を保護しやすいというメリットがあります。また、手術による傷が小さいのもメリットです。Love法は7㎝、顕微鏡下椎間板切除術で3㎝、内視鏡下椎間板切除術で1.8㎝程度と、背中を切る長さが違います。筋肉を傷つけることも最小限におさえられるため、術後の痛みも少なくなります。ただし、熟練を要する手術です。

手術におけるデメリットも

手術によってヘルニアを取り除くと、特に坐骨神経痛にかかわる症状と足の痛みが改善されるでしょう。ただし、足のしびれや筋力低下に関しては、手術をしても解消されないものもあります。

そして、まれに感染症や出血、神経の損傷といった合併症が起こる可能性もあることを知っておきましょう。

また、術後はできるだけ早めに立ち上がって歩くことが大切です。回復を早めるために補助としてコルセットを装着することがあります。

一度手術をした部分に関する再発率は低く、1年で約1%ほど、5年後でも約5%といわれています。

足の麻痺や膀胱直腸障害時には、緊急手術の必要がある

ほとんどみられませんが、緊急手術を要するケースもあります。

足が麻痺して動かなくなっていたり、足関節の曲げ伸ばしができなくなっていたりする場合は緊急に手術をしなければ麻痺が残る可能性があります。

また、腰椎椎間板ヘルニアが原因で膀胱直腸障害が起きている場合も緊急手術が必要です。排尿や排便に異変を感じたら、すぐに受診してください。その際に過去に椎間板ヘルニアの診断の有無を伝えると原因がわかりやすいです。

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