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バセドウ病

バセドウ病の治療とは?入院や手術は必要?

更新日:2018/05/24 公開日:2016/02/17

この病気・症状の初診に向いている科
甲状腺科

甲状腺機能の病気のひとつ「バセドウ病」は放置することなく、適切に治療を行うことが重要といわれています。バセドウ病の治療にはどのようなものがあるのでしょうか。ドクター監修の記事で、バセドウ病の治療について詳しく説明します。

バセドウ病は甲状腺機能の異常によって引き起こされる病気のひとつです。甲状腺はのどぼとけの下にある臓器で、全身の代謝を正常に保つ「甲状腺ホルモン」を血中に分泌しています。この甲状腺ホルモンが過剰に分泌されたことで起こるのが「バセドウ病」です。

バセドウ病には特徴的な症状があり、体が疲れやすくなったり動悸や息切れ、微熱、発汗、手の震えなどの身体症状や、イライラや集中力の低下、不眠などの精神症状、甲状腺が全体的に腫れる「びまん性甲状腺腫」、眼が前に突き出たような状態になる「眼球突出」、上まぶたがはれる「眼瞼腫張」、まぶたが上がってしまう「眼瞼後退」、物が二重に見える「複視」などがありますが、このような症状を認めない方もいます。

バセドウ病は男性よりも女性に発症しやすく、20〜30代を中心に40代にも多く見られます。バセドウ病の基礎知識については『バセドウ病とは?病気の特徴について』をご覧ください。

バセドウ病の治療

薬物治療

バセドウ病と診断された場合、まず行われるのが薬物治療です。甲状腺ホルモンの過剰分泌を抑える抗甲状腺薬のはチアマゾール(MMI)とプロピオチオウラシル(PTU)を使います。服用するだけの治療なので入院は必要ありませんが、薬物治療のみであれば、通常3~5年は治療を継続する必要があります。

また、治療を受け始めた最初の2か月間は2週間おきに、その後は1~3か月おきに病院での血液検査を受けなければなりません。薬物治療の開始当初に薬で効果がみられても、薬の服用を中止したとたん、治療前の状態に戻ってしまうことも多くあります。長期間服用を続けることで薬を中止してもホルモンが増加しない状態になる人もいますが、長期間治療していても服用を続けなければいけないケースも多くあります。

バセドウ病で使われる薬の詳しい解説は『バセドウ病の治療で使われる薬』をご覧ください。

薬物治療は甲状腺腫が小さい場合や患者が妊娠中の場合には適していますが、甲状腺腫が大きい場合やTSHレセプター抗体(TRAb)や甲状腺刺激型抗体(TSAb)の数値が高い場合は、薬物治療のみで治すのは難しいとされています。薬物治療の効果が思うように出ないときは、放射線治療や手術が検討されます。

放射線治療(アイソトープ治療)

甲状腺は、海藻などの食べ物に含まれるヨウ素という成分を取り込み、甲状腺ホルモンをつくり出しています。この摂取したヨウ素が甲状腺に集まるというしくみを利用し、放射性ヨードのカプセルを飲んで甲状腺を放射線で破壊する治療です。甲状腺に集まった放射性ヨードが甲状腺細胞内を放射線のβ線の力で破壊して、甲状腺の細胞を減少させます。甲状腺の細胞が減少することによって、甲状腺も小さくなり、甲状腺ホルモンの分泌量も減っていきます。アイソトープ治療は、薬では治りにくい人や副作用が強い場合などに適した方法です。

妊娠を1年以内に希望している人や妊婦、授乳中の人には実施できませんが、欧米ではバセドウ病の主な治療法となっているなど、安全な方法とされています。また、アイソトープ治療は薬よりも短い期間で効果を得られる可能性が高いです。手術のように傷が残らず負担が少なく、入院せずに外来でできることもあります。

ただし、治療後に甲状腺機能が低下することもあり、甲状腺が大きい人、高齢者、心疾患や高血圧症などの合併症がある人は入院して治療することが多いです。

外科治療

薬が効きにくい、強い副作用で薬を続けられない、または甲状腺腫が大きいなど症状が重い場合や早期に妊娠を希望する人には手術を行うことがあります。

全身麻酔をしたうえで、甲状腺を取り除きます。術式としては、甲状腺の両側を一部(2~3グラム程度)残す「甲状腺亜全摘術」が以前では一般的でした。しかし、甲状腺亜全摘術では、残した甲状腺が多ければ再発する可能性があり、今は、再発を完全に防ぐために甲状腺をすべて取り除く「全摘術」または「超亜全摘術」を行うことが主流です。術後は甲状腺機能低下症となるため、甲状腺ホルモン薬の継続的な服用が必要ですが、その方が日常生活を快適に過ごせます。

バセドウ病の治療法にはそれぞれメリットとデメリットがあります。治療の特徴や病気の状態、年齢などを考慮して治療法が選択されますので、医師とよく相談してください。

バセドウ病は早期にきちんと治療を

バセドウ病は検査の方法も確立されている病気です。しかし、きちんと治療をしないまま放置しておくと、重篤化して「甲状腺クリーゼ」という状態に進展し、命の危険もあります。疑わしい症状がある場合は早めに医療機関を受診し、治療を行いましょう。

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