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禁煙

禁煙におけるメリット・デメリット

更新日:2016/12/09 公開日:2016/02/16

この病気・症状の初診に向いている科
呼吸器科

禁煙するとどんなメリットがあるのでしょうか。喫煙は周囲へも悪影響を与えるため、自分にとってのメリットだけではなく、周りの人にも大きなメリットがあります。専門ドクター監修のもと、禁煙のメリットとデメリットについて紹介します。

タバコをやめることは簡単ではありませんが、禁煙するとさまざまなメリットを感じることがあります。禁煙における具体的なメリットについて見ていきましょう。

タバコをやめると、頻繁にでていた咳や痰が止まったり、肩こりの改善、目覚めがよくなる、口臭が気にならなくなる、声がよく出る、肌の調子がよくなるなど、体が生まれ変わったように思えるかもしれません。また、以下のような症状・病気になる危険性が喫煙時より低くなるメリットがあります。

禁煙によってリスク軽減が期待される症状・病気

禁煙をすることで軽減が期待される症状・病気について紹介します。

抜け毛

抜け毛の原因には、加齢や食事、ストレス、遺伝的要因、皮膚トラブルなど、さまざまなものがあり、複数が組み合わさっている場合もあります。

タバコを吸うと毛細血管が縮小するため、頭皮の血行が悪くなり、毛根に栄養が届かなくなってしまいます。禁煙をすることで、抜け毛予防が期待できます。

歯の黄ばみ

歯は、表面を覆うエナメル層、その内側にある象牙質、中心部にある歯髄(神経)の3層構造でできています。その中の、エナメル質の表面に飲食物の色素やタバコのヤニ(タール)が徐々に付着し、やがて目に見える形で着色となって現れます。禁煙をすることで、歯の黄ばみの予防をすることができるとされています。

虫歯

タバコを吸うと、煙は口から体内に入っていきます。そのため、煙の入り口である歯や歯茎の健康に影響を与えます。具体的には、タバコを吸うとヤニが歯に付着し、口の中が不衛生になります。また、口の中が渇き、細菌の動きが活発になるため、虫歯になりやすいといわれています。

また、受動喫煙でも虫歯になる可能性があります。喫煙者が吐く煙には、ニコチンなどの有害物質が含まれているため、副流煙によってもこれらの有害物質は体内に吸収されてしまいます。実際、家族に喫煙者がいる子供は、喫煙者がいない子供に比べると、3歳までに虫歯になるリスクが最大約2倍になるという研究結果も報告されています。

禁煙により、自分だけではなく周囲の人の虫歯のリスクも低減することができます。

歯周病

歯周病は、歯を支える歯茎や歯槽骨が壊れていく病気です。喫煙する人の歯肉は、一般的に血行が悪いといわれています。そのため、歯周病が進行しやすく、歯科医院で治療を受けても、タバコを吸っていない人に比べると治療効果が落ちるとされています。

口臭

タバコは口臭の一因となります。火をつける前のタバコを嗅いでみてもそこまで「臭い」とは感じないと思います。では、タバコを吸った後の口はなぜ臭うのでしょうか。それは、火をつけたタバコから出る煙が臭っているからです。煙には、主に2つの成分が含まれています。それはタールとニコチンです。この2つの成分が、口臭に大きく影響しているのです。

喫煙で起こりうる病気

禁煙をすることで得られるメリットについて解説しましたが、このまま喫煙を続けていると、肺やのど、血圧に関わる大きな病気に発展してしまう可能性もあります。喫煙を続けることのデメリットは、下記があげられます。

肺の関わる病気

喫煙を続けることで起こりうる肺に関わる病気として、肺がん・肺炎・COPD・肺気腫になってしまう可能性があります。とくに日本人の死因としても有名な肺がんについて解説します。

・肺がん

タバコを吸う人は、吸わない人に比べて、男性で4.5倍、女性で4.2倍、肺がんになりやすいことがわかっています。また、肺がんになった人の中で、男性の場合68%、女性は18%が、喫煙が原因で発症したと考えられます。肺がんは、扁平上皮がん、腺がん、小細胞がん、大細胞がんの4種類に分類されますが、太い気管支に発生する扁平上皮がんと小細胞がんは、喫煙との関連が大きいといわれています。肺の奥に発生する腺がんは、扁平上皮がんと小細胞がんほどではないものの、タバコを吸う人のほうが発生率は高くなります。

のどの関わる病気

タバコを吸う習慣がある人は、吸わない人に比べて、のどに関係する病気を発症しやすくなります。今回は、タバコと直接関係のある病気の中でも、のどにかかわるものについて解説します。喫煙は多くの病気にかかわっていますが、タバコの煙を受けやすいのどにも多大な影響を与えます。長期間、タバコの煙による刺激を受け続けることによって、のどやのどの周辺にがんが発生しやすくなります。

・喉頭がん

タバコに含まれる有害物質には、ニコチンのほかにもタールが有名です。喉頭(こうとう)がんは、長い間タールが声帯を刺激することによって発生します。喉頭がんは声帯に発生することが多く、まずは声がしわがれるといった自覚症状が現れます。ほかにも、のどに違和感があったり、呼吸がつらくなったり、食べ物を飲み込みにくいといった症状があります。これらの症状が出てきたときは、がんはかなり進行していると言えるでしょう。

その他、のどに関わる病気として、咽頭がん・口腔がんの可能性もあります。のどにかかわるがんは、これまでタバコを吸っていたとしても、禁煙することによって発症リスクが下がっていきます。特に喉頭がんは、禁煙した後すぐに発症リスクが下がり、10~15年後には約60%まで低下することがわかっています。これからでも禁煙する意味は十分にあると言えるでしょう。

高血圧のリスクが高まる

タバコの煙に含まれている「ニコチン」や「一酸化炭素」が血圧を上げて動脈硬化を進めます。ニコチンが副腎を刺激することで血圧を上げるホルモンが分泌されるだけでなく、交感神経も興奮させるために血圧が上がるという仕組みです。長期的に吸うほど善玉コレステロールが減少し、反対に動脈硬化を促す悪玉コレステロールを増加させるため、結果として狭心症や心筋梗塞のリスクを高めてしまいます。

タバコ1本で血圧が10~20㎜Hgほど上昇し、その状態が15分ほど継続されます。つまり20本吸うと合計して5時間以上は高血圧状態になるというわけです。

タバコを吸うことによって高血圧状態が続くと、タバコに含まれる酸化物質が血管の細胞に大きなダメージを与え、動脈硬化の進行も早まるとされています。

女性に知っておいてほしい禁煙のメリット

禁煙を考えている人の中でも、女性にとって知っておくべき禁煙する事のメリットについてお話しします。

生理痛の軽減の可能性

タバコに含まれるニコチンには、末梢血管を収縮させる作用があり、生理痛の原因にもなる身体の冷えを悪化させることがあります。

生理痛には、「プロスタグランジン」というホルモンが大きく関係しています。プロスタグランジンには、子宮を収縮させ、経血を体外に押しだす働きがあります。しかし、その分泌量が多すぎると、子宮の収縮が強くなり、生理痛がひどくなるのです。そして、冷えで骨盤内の血流が滞ると、プロスタグランジンの分泌が盛んになり、さらに生理痛を悪化させることがあるのです。

生理痛がひどいと感じている人は、禁煙をすることで変化が得られる可能性があります。

妊娠・出産時のさまざまなリスクの軽減

タバコは、女性ホルモンである「卵胞ホルモン(エストロゲン)」の分泌量を減らすことや、体内で分解するスピードを早めるなどの影響を与えます。このため、タバコを吸うことで生理不順や不妊、早期閉経などのリスクが高まるといわれています。また、卵巣内での卵胞の発育も悪くなるため、排卵せずに生理がおとずれる「無排卵月経」も起こりやすくなります。

妊娠中にタバコを吸うと、胎盤の血流が悪くなり、胎盤異常や早産、流産、低体重新生児のリスクが高まるだけでなく、赤ちゃんが突然亡くなってしまう「乳幼児突然死症候群」が起こる可能性があります。さらには、出産後にお母さんや周りの人がタバコを吸うことで、赤ちゃんが副流煙を吸うことになります。また、母乳中のニコチン濃度が高まることで、小児ぜんそくや小児がん、急性ニコチン中毒などのリスクも高まります。

禁煙によって、これらのリスクを軽減できると考えられます。

女性特有のトラブルのときに治療の選択肢が広がる

生理痛など、女性特有のトラブルには「低用量ピル」が用いられることがあります。「ピル」とは、「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」の2つの女性ホルモンを合わせた薬です。低用量ピルはピルの中でもホルモン含有量が少ないものを指します。しかし、ピルやタバコには、血液を固まりやすくする作用があり、両方を重ねると血栓症のリスクが高まってしまいます。そのため、タバコを吸う人はピルを処方してもらえません。つまり、タバコを吸うと、婦人科系のトラブルが起こったときに、治療の選択肢が狭められてしまうのです。

禁煙をすることで、治療の選択肢を広げることができると考えられます。

禁煙の方法(1)気持ち・環境を整える

タバコをやめたいのになかなかやめられないという話はよく聞きます。何度も禁煙を試みても、結局吸ってしまうという人も多いもの。効果的に禁煙するためにはどのような方法があるのか、見ていきましょう。

気持ちを整理する

禁煙を成功させるためのコツとしてまずあげられるのが、禁煙することを自分の意志で決めるということです。禁煙は、他人に言われて簡単にできるものではありません。本人が、しっかり気持ちを整理して禁煙に取り組むことが大切です。

気持ちを整理するために、禁煙する理由を考えてみましょう。自分や家族の健康のため、タバコ代を節約するため、息切れすることなく階段を上るためなど、禁煙の理由はなんでも構いません。理由だけでなく、禁煙した後の自分の日常をイメージするのも効果的です。喫煙場所を探して回ることもなく、臭いで周りの人に不快感を与えることがない生活、鞄の底に散らかるライターやたばこ屑のない状態など、より具体的にイメージすることで、禁煙の意欲が高まります。また、タバコを吸いたくなったときに思い出して、踏みとどまることができます。禁煙したい理由は、手帳に書き留めておくなど、いつでも見られる状態にしておきます。

また、禁煙はひとりでこっそり行うよりも、周囲から支援を受けることで成功する確率がアップします。

喫煙パターンを知っておく

禁煙には、自分が普段どんなときにタバコを吸っているのかを知ることも大切です。喫煙する時間帯や状況を振り返り、喫煙の代わりになる行動を事前に考えておくとよいでしょう。

環境を改善する

思わずタバコを吸ってしまわないように、タバコが吸えない環境に変えましょう。タバコやライター、灰皿などの喫煙道具は処分します。また、居酒屋やパチンコ店など喫煙する人が多い場所にいると、周囲の影響を受けてタバコを吸いたくなるため、禁煙当初はできるだけ行かないようにするのもひとつの手です。

禁煙の方法(2)サポートグッズを利用する

世の中には、禁煙をサポートしてくれるグッズが複数あります。自分の意志だけでは不安だという方は、サポートグッズを活用してみましょう。

ニコチンパッチ

ニコチンを含んだ貼り薬。1日1回、腕やお腹、背中などに1枚貼ることによって、ニコチンが皮膚から吸収され、禁断症状を緩和させます。人と接する職種の場合や、ガムをかめない人におすすめです。皮膚のかぶれ防止のため、貼る場所は毎日変えましょう。パッチに含まれるニコチンの量を段階的に減らしていき、パッチの使用は8週間を目安とします。パッチには一般の薬局で購入するタイプと、禁煙外来でドクターに処方してもらうタイプがあります。ドクターに処方してもらうタイプのパッチは、一定の条件をクリアすると健康保険等が適用され、安く入手することができます。

ニコチンガム

ニコチンを含んだガムをかむことで、口の粘膜からニコチンを吸収し、禁断症状をやわらげます。ガムといっても医薬品のため、1回の使用量は必ず守って、少しずつ減らしていきましょう。ガムのかみ方は普通のガムと異なり決まった方法があるため、事前によく理解してから使うことが大切です。一般の薬局で購入できます。

以上、禁煙をサポートしてくれるグッズは、人によっては胃が不快になるなどの副作用が現れることもあります。グッズの向き不向きには個人差があるため、気になる症状が見られたり、疑問がある場合にはドクターや薬剤師に相談しましょう。

禁煙の方法(3)禁煙外来を受診する

禁煙を成功させるためには、もちろん本人の意志が大切ですが、医師に協力してもらうことで、無理なくタバコをやめられるかもしれません。禁煙外来では、ニコチン切れによる離脱症状を軽くするために、禁煙補助薬(ニコチンパッチ、バレニクリン)を処方してもらえたり、医師や看護師によるアドバイスやカウンセリングといったサポートを受けることができます。

保険について

禁煙外来で治療を受ける場合、一定の基準を満たせば、健康保険が適用されます。

・ニコチン依存症の判定基準となるテスト(TDS;Tobacco Dependence

Screener)において、スコアが5点以上である

・「1日の喫煙本数」×「喫煙年数」が200以上である

・1か月以内に禁煙を始めたいと考えている

・禁煙治療を受けることに文書で同意している(問診票などにサインを行う)

・以前に健康保険を使って禁煙治療を行ったことがある場合は、前回の治療の初回診療日から1年以上経過している

以上の条件を満たている場合、保険が適応され、満たしていない場合は自由診療で治療を受けることができます。ただし、条件をクリアしていても医療機関によっては健康保険が使えないこともあるため、事前に確認してみましょう。

費用について

健康保険を使う場合、禁煙外来への通院回数は初診を含めて5回、期間は3か月と決まっています。

自己負担額はどの薬剤を使用するかによっても変わりますが、3割負担の場合、

・内服薬(チャンピックス)で18,000~20,000円

・貼り薬(ニコチネルTTS)の場合は、約12,000円が必要となります。

上記の場合は、3か月分(5回の診察代、薬剤費、処方代などすべてが含まれる)の金額で、1週間に換算すると1,000~1,700円の負担になります。また、初診料は3,000~5,000円程度と考えておきましょう。これらの金額はあくまでも一例で、医療機関や診療内容によって金額は異なる場合があります。

禁煙はじめは、禁断症状に注意

禁煙を始めると、多くの人が禁断症状に悩まされます。タバコを吸っていないと口寂しく感じたり、食後には決まって一服するなど、喫煙が生活の一部になることもあります。特に、ニコチン依存症の人が禁煙をスタートすると、多くの場合さまざまな禁断症状が現れます。ニコチン依存症について、詳しくは『どうしても禁煙できない人必見!ニコチン依存症について』をご覧ください。

ニコチンの依存度には個人差があります。依存度が低い方が禁煙しやすいと言えますが、禁断症状が強い場合は相当つらく、思わずタバコを吸ってしまい禁煙を断念する人も多いものです。禁断症状は、禁煙を始めて2~3日間がピークとなり、その後は少しずつ弱まっていきます。

なかでも、「眠気」はなんらかの病気ではないかと思うほど、強い場合があります。たとえば、人と会話をしている途中にいきなり眠ってしまうということもあります。

喫煙は、タバコを吸っている本人だけではなく周囲へも悪影響を与えるため、禁煙に成功すると家族や周りの人へのメリットも大きいものです。

まず、タバコの煙を周囲の人が吸ってしまう「受動喫煙」がなくなります。「夫の喫煙によって、タバコを吸わない妻が肺がんになるリスクは約2倍になる」というデータからもわかるように、受動喫煙することによって、喫煙者と同じようにタバコの害を受けてしまいます。そのため、禁煙することによって、家族の健康を維持できます。

その他にも、下記のことが期待できます。

・親が喫煙者の場合、子供も将来喫煙する確率が高くなるため、子供の喫煙防止に役立つ

・部屋の中でタバコを吸うことで、ヤニが天井や壁紙などについて変色するこがなくなる

・タバコのにおいが染み付いて部屋が汚れたりしてしまう

など、日常生活における悩みが解消されることもメリットです。自分自身にも周りにも影響を与えることのできる、禁煙。自分にあった方法を見つけてみましょう。

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