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梅毒

梅毒とHIV(エイズ)が重複感染した場合の特徴や感染経路

更新日:2016/12/15 公開日:2016/02/29

この病気・症状の初診に向いている科
性感染症内科

梅毒とHIV感染症は、どちらも主に性行為によって感染する性感染症ですが、重複感染しやすいことをご存知でしょうか?今回は、その理由や、重複感染した場合の特徴、治療法、さらに基礎知識や予防法を、ドクター監修のもとご紹介します。

梅毒(ばいどく)とHIV感染症の重複感染についてお話していきます。

梅毒とHIVの基礎知識

まず、梅毒とHIVとは、一体どういったものなのかをご紹介します。

梅毒とはどんな病気か

梅毒は、「梅毒トレポネーマ」によって発生する感染症です。もっとも多い感染経路は性行為で、梅毒トレポネーマが皮膚や粘膜の小さな傷口から侵入することで感染します。また、妊婦が感染していると、胎児に母子感染することもあります。

梅毒は、かつては「不治の病」として非常に恐れられていた病気です。詳しくは、『梅毒とは?その症状!そして原因と治療や検査について』をご覧ください。

HIVウイルスとは

HIVウイルスは、ヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodeficiency Virus)のことで、人から人へ血液もしくは体液を介して感染するウイルスです。HIVウイルスに感染すると、Tリンパ球やCD4陽性細胞といった体の免疫に必要な細胞が破壊されていき、免疫力が低下していく恐れがあります。

エイズとは、HIVウイルスに感染したことで発症することのある病気のことを指します。

梅毒とHIVは重複感染しやすい?

いずれも性交渉による感染が主

梅毒は、治療薬のペニシリンの登場によって激減したので、一昔前に蔓延していた病気というイメージを持ちがちです。しかし近年、昔ほどではないものの、発生率が増加傾向にあり、特に男性同性愛者の間での流行が目立っています。

これは日本だけでなく、欧米諸国にも言えることで、アメリカ国内では2001年以降に梅毒の発生率が増加し、梅毒新規発生患者の60%以上がHIV感染症を合併していることが判明しています。

梅毒とHIVの重複感染が、これほどまでに増えているのはどうしてなのでしょうか。その理由の1つは、どちらも主に性行為によって感染するという、感染ルートが似ていることがあげられます。また、HIVは、血液、精液、膣分泌液などの体液に含まれており、粘膜や傷口から体内に取り込まれて感染しますが、梅毒感染によって傷ついた粘膜が、HIVに感染しやすくなることも関係しています。

性行為以外の感染ルート

・母子感染

梅毒の主な感染経路は性行為ですが、妊婦が感染していると、胎盤を通じてお腹の赤ちゃんに感染することがあります。胎児に感染すると、流産や死産になったり生まれてきても「先天梅毒」になったりすることがあります。

・輸血による感染

梅毒は、輸血から感染するケースもあります。ただし、献血された血液は、血液センターで肝炎や梅毒を含めた感染症の検査が行われ、ここで不適とされた血液は血液製剤として用いられることはありませんので、輸血用血液製剤を使った輸血なら、梅毒に感染する心配はほとんどありません。

HIVと重複感染した場合の特徴

梅毒には、ゆっくりと症状が進行していくという特徴がありますが、HIVを合併している場合は急速に進行し、早い段階から「神経梅毒」に移行しやすい傾向があります。

神経梅毒とは、梅毒の病原菌によって、中枢神経が侵されることで起こる神経症状の総称で、本来であれば梅毒の感染後、数年から数十年経って現れる症状です。

また、第2期梅毒(感染後3か月〜3年)になると、「梅毒性バラ疹」と呼ばれる赤い小さな斑点や、米粒から大豆くらいの大きさのブツブツが現れますが、HIVを合併している場合は、皮膚がひどくただれたり、カサブタになったりするような組織破壊をともなう重篤な皮膚病変ができたり、晩期梅毒に急速に移行したりすることもあります。

さらに、HIVを合併していると、梅毒の治療効果が通常よりも出にくいこともわかっています。

HIVと重複感染した場合の治療

HIVに重複感染した梅毒の治療法も、基本的には、一般的な梅毒の治療法と変わらず、世界的には、1回の投与で治療が完了するペニシリンの注射薬が用いられています。しかし、日本では注射薬が販売されていないため、長期間の投与が必要なペニシリンの内服薬が用いられます。

梅毒の検査と予防

梅毒で行われる検査「STS法」と「TP法」

梅毒かどうかを調べる血液検査(梅毒血清反応)には、大きく分けると、「STS法(梅毒脂質抗体検出法)」と「TP法(トレポネーマ・パリダム抗体検出法)」があります。詳しくは、『梅毒とは?その症状!そして原因と治療や検査について』を、ご覧ください。

梅毒予防にはコンドームの着用を!

梅毒には、無症状の時期もあるため、本人にも感染の自覚がなかったり、相手が感染しているかどうかを、目で見ただけでは、判断できなかったりすることがあります。感染しているかどうかわからない人と性行為をするときは、最初から最後まで、きちんとコンドームを着用しましょう。厚生労働省でも、梅毒予防にコンドームの着用を推奨しています。

ただし梅毒の病原菌は、血液に入って全身に広がるので、コンドームで覆われていない部分に病変がある可能性もあります。このため、たとえば口に病変がある場合は、キスでも感染してしまいます。ですから、コンドームを着用しても、梅毒を100%予防できるわけではありません。皮膚や粘膜に異常がある場合は、性的接触を控えることが大切です。

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