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胃潰瘍

胃潰瘍とは?症状や原因、薬による治療や食事のポイント

更新日:2017/10/03 公開日:2016/03/25

胃潰瘍とは胃の粘膜がただれて深く傷ついた状態のことを言います。悪化すると胃壁に穴が空いてしまうこともあります。主な症状は心窩部痛(みぞおちの痛み)で、吐き気や胸焼けをともなうこともあります。ここでは、胃潰瘍の特徴についてドクター監修のもと、解説していきます。

胃潰瘍は若い世代や女性に起こることもあります。胃潰瘍とはどんな病気なのでしょうか。

胃潰瘍とは

胃潰瘍とは、ストレス社会といわれる現代において、発症率がいまだにゼロにならない病気です。「潰瘍」とは皮膚や粘膜、角膜などがただれ、崩れ落ちるという意味ですが、胃潰瘍は胃壁がただれて傷つき、胃の粘膜が破壊された状態を言います。胃潰瘍は40代以上の世代に多く発症しやすい傾向にあります。20〜30代でも胃潰瘍になる事もあります。

胃潰瘍の症状について

胃潰瘍になると、具体的にどのような症状が現れるのでしょうか。

上腹部の痛み

胃潰瘍になった場合、多くの人がみぞおちに痛みを感じます。発症した人の2/3以上が上腹部に、鈍い痛みや、みぞおちが疼くような、焼けるような感じを訴えます。しかし、症状がそれほど出ないないケースもあるのです。みぞおちの痛みを感じる場合、食事を取ったあと1時間〜1時間半後の胃の内容物が排出される頃が多いようです。胃潰瘍は、痛みがひどいほど状態が悪化しているというわけではありません。異変を感じたらすぐにドクターに相談するようにしましょう。胃潰瘍の治療薬を処方してもらう、ないしは、胃内視鏡検査を受けて本当に潰瘍になっているのかいないのか確認してもらう事ができます。

吐き気

胃潰瘍によって胃酸が過剰に分泌されると、胃の粘膜と胃酸のバランスが崩れてしまい、強い吐き気が起こることもあります。すっぱいものがこみ上げてくるようなゲップが増え、胸焼けや食欲不振による体重減少、さらに、嘔吐などがある場合は、逆流性食道炎ではなく胃潰瘍の可能性があります。

吐血

胃潰瘍になった場合、ひどいケースでは吐血することもあります。これは、胃の粘膜がただれ、潰瘍になってしまうと、粘膜の外側の深層にある血管が露出してしまい、さらにその血管が破れて出血してしまうためです。胃の中で出血しているときには、ひどい腹痛や脈拍の乱れ、冷や汗、血圧の低下などの症状が現れることがあります。また、胃潰瘍の場合、胃の中に入り込んだ血液は胃酸によってどす黒く変色するため、黒っぽい血を吐き出します。少量の吐血であれば、医療機関の診療時間内に受診しても大丈夫かと思われますが、吐血の量が多い場合(コップ一杯以上)には緊急胃内視鏡検査が必要となることがあるため、すぐに救急車を呼びましょう。

黒色便

胃の粘膜の深層にある血管が、潰瘍により露出されて破れてしまった場合、吐血だけでなく便が黒くなることがあります。このときの便は、どす黒くなっているため、「タール便」と呼ばれています。黒色便は胃潰瘍のみならず、胃がんや大腸がんの症状のひとつでもあるため、タール便に気づいた場合はすぐにドクターに相談しましょう。胃潰瘍の治療薬を処方してもらう、ないしは、胃/大腸内視鏡検査を受けて潰瘍や癌になっているのかいないのか確認してもらう事ができます。

その他の症状

上記の症状以外には、腰痛や背中に痛みを感じ、ひどい胸焼けや口臭が気になりだすこともあります。これらの症状は胃潰瘍と無関係に思われがちですか、体に異変を感じたら注意してみてください。医療機関を受診すれば、診察の後、胃潰瘍の治療薬を処方してもらう、ないしは、胃内視鏡検査を受けて本当に潰瘍になっているのかいないのか確認してもらう事ができます。

胃潰瘍の原因とは

胃潰瘍が発症する原因には、どのようなものがあるのでしょうか。

ヘリコバクター・ピロリ菌の感染

ヘリコバクター・ピロリ菌とは、胃の中に住み続けるらせん形をした悪玉菌で、一般的には「ピロリ菌」と呼ばれています。ピロリ菌はピロリ菌により汚染された食べ物や水の摂取により感染します。50代以上だと8割を超える人が感染しているといわれていますが、衛生状態の整った環境で育った20代の感染率は2割程度といわれています。1度感染すると、除菌しない限りは胃の中に生息し続けます。感染した人すべてが胃潰瘍になるわけではありませんが、ピロリ菌が作りだす物質によって、胃の粘膜は傷つけられて、胃潰瘍に発展しやすいのです。普段から胃に負担をかける暮らしをしていると、このピロリ菌が原因で胃潰瘍を引き起こす可能性が高くなります。

ストレス

ストレスが直接胃に刺激を与えることはありませんが、自律神経が乱れることによって、胃にダメージを与えてしまいます。ストレスを感じると、脳から副交感神経を伝って、胃のぜん動運動を活発にさせてしまい、胃酸の量が増加します。さらに、脳は、胃酸の過剰な分泌を促します。その結果、胃の粘膜が薄くなってしまった状態で、胃酸が粘膜を刺激し胃壁を傷つけてしまいます。

食生活の乱れ

不規則な食事や暴飲暴食も胃潰瘍の原因になります。よく噛まずに食事をしたり、早食いしたりすると、胃の中では食べ物を消化しようと過剰に胃酸を分泌してしまうのです。また、熱いものや冷たいもの、塩辛いものや香辛料などの刺激物を大量に食べ過ぎるのも胃に負担をかけてしまうため、控えるようにしましょう。

喫煙や飲酒

ある調査結果によると、タバコを吸う人は吸わない人に比べて胃潰瘍が発症する確率が3〜4倍も高くなるという報告がありました。タバコを吸うことで、胃酸の分泌が増えてしまい胃の粘膜を傷つけてしまうのです。また、過度な飲酒は胃の粘膜の血流や消化液などに影響を与えてしまい、間接的に胃に障害が起こりやすくなります。胃潰瘍を防ぐためにも喫煙や飲酒は控えた方がよいでしょう。

NSAIDs

NSAIDsとは、非ステロイド性消炎鎮痛薬で解熱や炎症、痛みを抑えるのに用いられる薬ですが、胃粘膜の防御機能を弱くし、胃に負担をかけてしまう副作用もみられます。これは内服タイプのNSAIDsだけではなく、「坐薬タイプ」の解熱鎮痛薬でも同じです。投与経路関係なく、吸収されたあとは身体への影響が変わらないためです。詳しくは

『NSAIDsが原因の胃潰瘍って?』をご参照ください。

胃潰瘍になりやすい人は?

これまで胃潰瘍は男性に多い病気でしたが、ここ数年は女性の社会進出によって女性でも発症する事があります。また、胃潰瘍を発症しやすい人には、性格にこのような特徴があるようです。

胃潰瘍になりやすい人の特徴

・おとなしくてまじめな人

・性格が几帳面で神経質な面を持っている人

・よく気がきく人

・責任を感じやすく、悩みがあっても相談できずに1人で抱えこみやすい人

日常生活のなかでストレスを溜め込みやすい人が、胃潰瘍になりやすいので注意が必要です。また、不規則な生活を送っており、暴飲暴食をくり返していると胃に負担がかかり、胃潰瘍が発症する可能性が高くなります。

その一方で、胃潰瘍の大半の原因はピロリ菌感染です。上記に当てはまる人は胃潰瘍発症の危険を下げるために、医療機関を受診してピロリ菌がいるかいないかの検査を行いましょう。もし感染していた場合は、1週間分の除菌薬を処方してもらいましょう。

胃潰瘍の検査方法は?

胃潰瘍かどうかを診断する場合には検査が必要ですが、実際にはどのような検査法があるのでしょうか。

内視鏡検査(胃カメラ)

口または鼻から、先端にカメラが付いている管を挿入し、内部を観察する検査です。カメラで内部を直接見ることができるため、胃の粘膜の状態や潰瘍の有無などが鮮明にわかり、胃の中にできた早期のガンもX線造影検査よりも発見しやすいです。

また、潰瘍の状態を直接把握することで、病気がどのレベルまで進んでいるのかを診断することができます。内視鏡検査は、体の中に固い管を挿入するため、痛みをどうしても感じてしまいますが、鎮静剤を使うことで苦痛を軽減することができます。また、内視鏡カメラが細く、体に負担をかけずに検査ができる施設もあります。鼻からの胃カメラ(経鼻胃内視鏡検査)は口からの胃カメラに比べて嘔吐反射(オエッとする反射)が少なく楽にできることが多いです。

ピロリ菌の検査

ピロリ菌が胃の中にすみついているかどうかを調べる検査法には、内視鏡を使用する方法と、使用しない方法があります。まずは、内視鏡を使用しない検査法を紹介します。

尿素呼気試験法

検査薬(尿素を含む錠剤)を服用し、服用する前と服用後20分後の呼気を集めて診断する検査法です。ピロリ菌が発生するウレアーゼという酵素により尿素が分解されるかどうかを調べる検査なので、ピロリ菌がいるかいないかだけではなく、ピロリ菌除菌治療後の確認検査としても使われます。

抗体測定

採血や採尿を行い、血液中や尿中にピロリ菌に対する抗体があるかどうかを確認する検査法です。尿で調べた方が血液で調べる場合と比較して、採血にともなう針刺しの痛みがありませんし、結果も迅速に20分程度で出ます。

糞便中抗原測定

採便し、便のなかにピロリ菌の抗原があるかどうかを確認していきます。結果は迅速で15分程度で判明します。

続いて、内視鏡検査でピロリ菌の有無を確認する場合は、内視鏡で胃の状態を観察すると同時に胃の粘膜を採取し、(1)5〜7日間培養して調べる培養法、(2)採取した粘膜組織を染色してピロリ菌を顕微鏡で探す免疫染色法(3)試験管を用いてピロリ菌が持っている酵素(ウレアーゼ)を試薬で確認するウレアーゼ法、これらの3つの検査法いずれかで感染の有無を確認します。

これらの内視鏡検査で組織を採取して調べる方法は、採取した部位にピロリ菌がいるかしないかしか判定できません。ピロリ菌がいない部位を採取した場合、実際にはピロリ菌に感染していても、ピロリ菌陰性という結果になってしまうこともあります。

また、他のピロリ菌検査方法も直前に食事をとったり、胃酸を抑える薬を飲んでいたりすると、実際にはピロリ菌がいても「いません」と判定されてしまうことがあります。

本当にピロリ菌がいないかどうかを判定するためには、2つ以上の検査方法を組み合わせた方がより確実になります。

胃潰瘍の治療方法

薬による治療

胃の粘膜に対する過度な胃酸の分泌を抑えるために、PPI(プロトン・ポンプ・インヒビター)やH2ブロッカーなど、胃酸の分泌を抑える薬や、胃の粘膜を保護し、粘液の分泌を増やす薬、胃の血流を増やす薬をあわせて服用します。薬を服用すると、胃の痛みなどの症状が治まってきますが、再発を防止するためにも、自分の判断で薬の服用を止めず、ドクターの指示にしたがうようにしましょう。

ピロリ菌の駆除

胃潰瘍の原因がピロリ菌によるものであれば、胃の中にすみついているピロリ菌を、2種類の抗菌薬とプロトンポンプ阻害薬を用いて除菌していきます。1週間ほど飲み続けることで、ピロリ菌は除菌されていきます。内服を終了させる際には、再びピロリ菌の有無を確認する検査を行います。このときに、再びピロリ菌が発見されると、7日間延長してピロリ菌を除去する薬を服用し、再び検査を行います。この除菌治療の成功率や約8割といわれています。延長しても除菌できなかった場合には、再除菌の治療をするかどうか、またその時期についてドクターと相談することになります。

内視鏡的止血術

胃潰瘍で患部に出血がみられる場合は、まず止血する治療が行われます。止血方法としては、内視鏡を用いて出血している部分に止血剤を注射したり、患部に小型クリップをかけたり、レーザーで出血している部分を焼く方法などがあります。きちんと止血の処置を行うことで、出血によるショックを防ぎ、再出血の危険性も少なくなるのです。その後、薬を服用して潰瘍を治療していきます。

また、これらの治療にあわせて、自宅での日常生活での改善や食事療法なども行っていきます。ドクターの指導のもと自宅でも療養していくことで、回復までの期間が短くなることが多く、規則正しい生活はとても重要になってきます。

胃潰瘍のときの食事

潰瘍になった場合、食生活で気をつけたいポイントがあります。

規則正しい食習慣を身につける

食事は食道を通って、まず胃に辿りつくため、胃の健康に大きな影響を与えます。暴飲暴食や不規則な食事では、胃を過剰に刺激し、消化のための胃酸分泌を必要以上に増やしてしまいます。

毎日規則正しく、3食をできるだけ同じ時間に取り、早食いや暴飲暴食はしないように心がけましょう。

胃に刺激の強い食べ物を避ける

脂肪分やタンパク質が多い食事は、消化する際に胃酸が大量に分泌されるため、胸焼けなどの原因になります。

胃酸の分泌を高める食材としては、脂身の多い肉、煮豆、まんじゅう、漬物、塩辛、酢の物、柑橘類などがあげられます。胃に負担をかけない食事としては、お粥や煮込みうどん、ヨーグルトやバナナなどがおすすめです。よく噛んで、食事はゆっくり時間をかけて消化しやすいように食べるのがポイントです。

胃潰瘍を患った際に食べたい食品

胃が痛む時は、胃に負担がかからないような消化のよい食材を選びます。特におすすめなのが、卵・牛乳・大豆製品です。

良質なタンパク質は、大豆製品以外にも脂肪の少ない肉類に含まれています。牛・豚のモモ肉やヒレ肉、鶏肉のささみなどです。これらの動物性タンパク質と植物性タンパク質を組み合わせると、人体をつくるのに欠かせない必須アミノ酸を効率よく補うことができるため、納豆や豆腐、味噌に組み合わせて加熱してやわらかく調理することも大切です。かぼちゃやにんじん、大根などはじっくりと煮込んでから食べるようにしましょう。

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