背中ニキビをケアするには、漢方薬の力を借りるという方法もあります。漢方医学では、ニキビはどのようにとらえられ、どのような治療効果が期待できるのでしょうか。
漢方が目指す背中ニキビの治し方
漢方では、ニキビができることは、体内のどこかが不調である証拠ととらえます。特に皮膚の炎症のことを「熱」ととらえ、熱を鎮めるための治療が行われます。
しかし、背中は顔と比べて皮膚が厚く、皮脂腺も多く、代謝がゆるやかという特徴があるため、通常よりも治るまでに時間を要します。そこで漢方が目指すのは「自然治癒力を高めること」です。ニキビそのものの治療に加え、その根本原因となる、便秘や冷え性などの症状についても同時に治療を進めるのが特徴です。
背中ニキビを体の不調として捉える漢方の視点
漢方の考え方に基づけば、体内で起きているなんらかの不調がニキビの原因ということになります。たとえば、月経前に背中ニキビができる人もいますが、これは、月経前になると2種類ある女性ホルモンのバランスが、崩れるためといわれています。
また、ニキビ対策としては血の巡りを改善することも有効だと考えられています。清潔にする、保湿するなどの外側からのケアだけでなく、漢方を使った身体の内側からのケアも取り入れてみましょう。
背中ニキビに効果的な漢方薬の種類
漢方薬でニキビの治療を行う場合、次のようなものが用いられます。
十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
急性・慢性湿疹やじんましん、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患に用いられます。
消風散(しょうふうさん)
湿疹やじんましん、アトピー性皮膚炎などのほか、慢性的な皮膚疾患などに用いられます。
清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)
ニキビや顔の湿疹などに用いられます。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
ニキビだけでなく、月経痛や月経不順、貧血、めまい、むくみなどのさまざまな全身症状に用いられます。
漢方専門医や漢方薬局など、漢方医学に特化した医療機関は複数あります。体質や症状を見極めたうえで、一人ひとりに合わせて処方するのが漢方の特徴です。きちんと専門機関に相談したうえで薬を服用しましょう。漢方には、保険適応になるものとならないものがあり、費用はそれぞれで異なりますので、事前に尋ねるとよいでしょう。
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