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口唇口蓋裂

口唇口蓋裂の症状にともなう合併症の問題

更新日:2018/03/01 公開日:2016/04/27

口唇口蓋裂により生じる問題には、哺乳障害、言語障害など、さまざまなケースがあります。また、口唇口蓋裂は、合併症を併発する可能性も高くなります。口唇口蓋裂により生じる問題と合併症について、ドクター監修の記事で解説します。

口唇口蓋裂により生じるさまざまな問題には、どのようなものがあるのか見ていきましょう。

口唇口蓋裂により生じる問題

哺乳障害

口唇・口蓋裂では、軟口蓋と咽頭の間の閉鎖がスムーズにいかず(鼻咽腔閉鎖機能不全)陰圧が困難でいわゆる吸う力が弱く、哺乳が困難なことがあり、ミルクを飲む際に時間が長くかかる場合があります。そのため、口唇・口蓋裂用の乳首が使われたり、哺乳の補助やあごの矯正のためにホッツ床と呼ばれるマウスピースのようなものを口蓋裂に装着したりすることがあります。

言語障害

口唇・口蓋裂では、軟口蓋と咽頭の間の閉鎖がスムーズにいかず(鼻咽腔閉鎖機能不全)鼻から息がもれてしまい、話し言葉が聞きづらくなったり、鼻に抜ける音(開鼻声)や誤った発音(構音障害)を生じてしまったりすることがあります。そのため4〜5歳頃から言語聴覚士により言語発達のトレーニングが行われます。

咀嚼(そしゃく)障害

口唇・口蓋裂では、口蓋裂や歯並びが悪いことで、うまく咀嚼できないことあります。手術を行うことで、裂けている部分をふさぐだけでなく、食べ物をうまく飲み込めるようになります。

嚥下(えんげ)障害

咀嚼障害と同様に、口蓋裂や歯並びが悪いために起こります。1歳から1歳6か月ごろに口蓋裂をふさぐ手術が行われます。

中耳炎

口唇・口蓋裂の子供は、風邪にかかりやすいと考えられています。ただし肺炎など重度な症状になることはあまりありません。また、口蓋裂の子供は中耳と鼻をつなぐ細い管(耳管)がうまく働かず、中耳腔に滲出液が貯留することにより滲出性中耳炎にかかりやすくなります。

滲出性中耳炎になると、難聴や耳のつまり、自分の声が響くなどの症状が起こります。しかし痛みをともなわないために小さな子供では気がつきにくいことが多く、3歳児健診で発見されることもあります。そのため、早い段階から適切な診断と治療を行って難治化しないよう努める必要があります。

顎顔面の発達障害

口唇・口蓋裂の子供は、その症状のために上あごや顔面の発育がもともと小さくなりがちです。また、手術の影響により、さらに上あごの発育が滞ることがあります。そのため相対的に下あごが出てしまい(受け口)、噛み合わせや外見に影響を及ぼすことがあります。その場合は顔の成長が終わったのちに、上あごや下あごの骨を移動させる形成手術を行うこともあります。現在では、上あごや下あごの骨の成長が大きくなる前に手術する方法も少なくありません。

歯列不正

口唇裂・口蓋裂にともなって生じる歯の問題として、歯の本数が少なかったり、歯が小さかったり、歯そのものがなかなか生えてこなかったりすることがあげられます。また、歯質が十分に形成されず上あごの歯並びが悪くなり、下あごとうまくかみ合わないこともあります。

そのため、装置を使って歯列を広げたり、上あごの成長を促したりする治療を行います。場合によっては骨を移植することもあります。そのため、早ければ上顎側切歯(真ん中から2番目の歯)が萌出する前に骨移植を行い、上あごの左右の連続性を確立し、側切歯を本来の位置に誘導します。また、側切歯の位置に問題が無ければ、その隣の犬歯(真ん中から3番目の歯)が萌出する前に骨移植を行い、本来の犬歯の位置に自然に萌出できるようにします。最終的には成長終了後(男女で多少時期が異なりますがおおむね13,14歳以降)に、個々の歯の位置異常の改善とかみ合わせの最終的な調整として、ブラケットを使用した歯科矯正治療などを行います。

心理的障害

口唇・口蓋裂を持つ患者の中には、その症状によりさまざまなストレスを抱えることが多いと思われます。ただ身体的にのみ治療を行うのではなく、心理的ケアも治療の一環として取り入れていく必要があります。

合併症

合併症とは、上記の障害のことではなく別の病気をもあわせ持つことであり、口唇口蓋裂の患者の場合は、さまざまな合併症を併発する可能性が高くなります。多くのものは生後すぐに発見され、また1か月検診などで必要があれば検査を行っていきます。局所の合併症としては、口腔と鼻が交通していることにより、菌が鼻に侵入し感染することがあります。

具体的には、顔面の他の異常、心臓疾患、手足の異常、色々な症候群(ダウン症候群、ピエール・ロバン症候群など)の一症状として現れることがあります。

口唇口蓋裂の症状をともなう先天性の病気について

口唇口蓋裂のお子さんを持つ方へ

生まれてきた子供が口唇口蓋裂ですと、親御さんは子供の成長発達に不安を感じるかもしれません。しかし、医療の発達もあり、生後3か月から6か月ほどで口唇裂の手術を行い、1歳から1歳6か月ごろには口蓋裂の手術を行うなど、成長に合わせた適切な治療を行うことで、成長・発達のうえで大きな支障なく成長できる子供が多くなっています。学校入学前後には正常に話もできるようになります。

口唇口蓋裂の治療は、問題を1つずつ解決していき総合的な観点から治療されることが望ましいといわれています。

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