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口唇口蓋裂

口唇口蓋裂の歯科矯正治療

更新日:2018/05/15 公開日:2016/04/27

口唇口蓋裂の治療の一環として、矯正治療を行うことがあります。なぜ矯正治療が必要となるのか、どのような種類があるのか、また、それぞれの治療はどのような流れになるのかを、ドクター監修の記事で解説します。

口唇口蓋裂の治療の一環として行う、矯正治療について見ていきましょう。

なぜ矯正治療が必要なのか

口唇口蓋裂の患者は、手術の影響により上あごの成長発育が十分でなくなる場合があり、前歯部での反対咬合(受け口)や臼歯部での交叉咬合(奥歯でのかみ合わせが逆になる)となることもあります。

また、歯の本数が少なくなる場合や歯の位置が本来の位置とは異なる場合もあるため、これによって歯並びやかみ合わせに加え顔の形態にも影響します。それゆえ多くの患者は、矯正治療によって歯を移動させたり、あごの成長を誘導したりする必要があります。これらの治療は、患者によって開始時期や期間などが異なるため、矯正歯科において検査をし、治療計画を医師と相談する必要があります。

治療の流れ

成長期の患者に対して行う矯正治療は、部分的な歯の移動とあごの骨の成長発育を、コントロールするために行います。

歯科矯正治療の前にまずは口唇裂の手術を行いましょう

歯科医院で行われる矯正治療は、主に歯に関する治療です。生後3か月から6か月ほどで口唇裂の手術、1歳から1歳6か月ごろになると口蓋裂の手術が行われます。これにより、咀嚼(そしゃく)・嚥下(えんげ)障害の症状改善、言語や発音障害の改善を図ります。

上あごの横幅を拡大する治療

上あごの幅が狭いと奥歯のかみ合わせが通常と逆になったり、歯並びが凸凹になったりしてしまいます。そのため、上あごの横幅を広げる治療が必要になります。この治療は年齢にして、4歳から5歳ごろに始められ、歯型やレントゲン写真を用いて治療計画を立てます。

この処置をすると残遺孔(ざんいこう)といわれる口蓋形成術をした後に残った上あごにあいた孔も上あごを広げた影響で大きくなるため、この穴をふさぐような工夫をした矯正装置を用いることもあります。

受け口を改善するための治療

上あごの成長発育が悪いと相対的に下あごが大きくなるため、受け口の状態になることがあります。この場合ではプロトラクター(上顎骨前方牽引装置)という矯正装置を使い、上あごの成長を前下方へ導きます。

また、前歯が内側に傾いていることで反対咬合になっている場合には、リンガルアーチといわれる矯正装置を使うことで上の前歯を外側へと移動させます。

顎裂部分に骨を移植する治療

乳幼児の段階で口唇口蓋裂の手術を行うと、表面上割れ目はなくなったようにみえますが、歯槽部分(歯がはえる骨の部分)に顎裂(骨のないところ)は残っています。ここに骨を移植すると、この部分にも歯を移動させる事ができ、骨の割れ目がつながることであごの骨が安定させられるため、手術が必要となります。

割れ目の部分を埋める骨は、下あごの骨あるいは腸骨(骨盤)などから採取します。現在は人工骨を用いた手術も研究されており、腰から骨を採取しなくても手術ができることもあります。

手術の時期としては一般的に6歳から10歳頃(中切歯または犬歯がはえる前の時期)を目安に行いますが、移植に必要な骨の量やどこから骨をもってくるのか、歯のはえかわりや歯科矯正治療の状況などに合わせて、患者に合わせた時期を決定していきます。現在はこの骨移植手術自体をせず、早い段階(生後6か月頃)に特殊な軟骨膜弁による閉鎖手術により、骨の再生を図る方法も研究されています。

成長期が終わった患者に対して行う歯科矯正治療は、最終的なかみ合わせを正しくさせるために行います。

マルチブラケット装置を用いた治療

あごの成長がある程度落ち着く12歳から14歳まで、かみ合わせの変化は大きく起こります。それゆえ、早い時期から治療を始め正しいかみ合わせになったとしても、あごの成長の影響によってかみ合わせが悪くなることもあります。

永久歯がすべて生え揃い、あごの成長とかみ合わせの動きが落ち着いたところで、きちんとしたかみ合わせになるようマルチブラケット装置(一般的な矯正装置)を使った矯正治療を始めます。

外科的な処置をともなう治療

あごの成長が終わっても上下のあごの位置関係が正しくない場合は、18歳頃手術によってあごの骨の位置を調整する必要があります。このような手術を行うときは、手術の前後において術前・術後矯正を行います。

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