スキンケア大学 ヘルスケア大学 メンズスキンケア大学

救命処置・応急手当

胸を強打したときの応急手当

更新日:2018/04/20 公開日:2016/05/23

スノーボードの転倒、柔道やフットボールでの激しいコンタクト、交通事故でハンドルにぶつかるなどして胸を強打すると、肋骨や肺などが傷つき、命に危険が及ぶこともあります。ここでは、胸を強打したときの対処法と応急手当をドクター監修のもと解説します。

胸の強打でこんな症状があれば即119番!

胸部には、肺や心臓、大動脈といった呼吸と血液循環を行う重要な臓器が入っており、これらが肋骨によって守られています。もし、下記のような症状が一つでもあれば命の危険があるため、すぐに119番通報しましょう。

  • 呼吸困難
  • 意識がない/もうろうとしている
  • 脈拍が早い(1分間で120回以上)
  • 心臓の音が小さい
  • 頸静脈(首の両側にある血管)が膨れている
  • ケガした方の胸部が膨れている
  • 呼吸しても肺が膨らんだり、しぼんだりしない
  • 息を吸うと凹み、吐くと膨らむ(通常の呼吸運動と逆になっている)
  • チアノーゼ(唇や爪、鼻、耳たぶなどが青~紫色)がある
  • 顔や首に点状の出血斑がある
  • 血の混じった痰が出る
  • 苦しそうな表情
  • 不穏(穏やかでない、そわそわして落ち着きがない)

救急車が来るまでの間は、強打した方を下にして、上半身を少し高くした体勢で横になりましょう。布団や毛布を丸めたり、重ねたりしたところに寝かせるといいです。襟元などを開けて服の締め付けを緩め、安静にして待ちます。

救急隊や病院では、どのようにして胸部を打撲したのかを聞かれます。いつ、何をしていたときに、どのような物に当たったのかなどを、できるだけ詳しく伝えましょう。これが迅速な治療と救命につながります。

胸を強打したときに起こるケガと対処法

胸を強打したときに起こるケガの中で最も多いのが「肋骨骨折」で、その次が「肺損傷」です。また、これらより頻度は低いですが、大血管、心臓、気管、横隔膜、食道なども受傷することがあります。骨折がなくても、内臓が傷ついていて実は重症である場合もありますので油断は禁物です。

肋骨骨折ではどんな症状が出る?

胸を強打した直後は息苦しさを感じますが、肋骨骨折をしていなければ、しばらくすると治まります。息苦しさがなかなか治まらなかったり、だんだん強くなってきたりする場合は、必ず医師の診察を受けてください。

肋骨骨折をしていると出る主な症状は、胸が動くタイミング(呼吸や咳、くしゃみ)で同じ場所が痛む、上半身をねじると胸が痛い、強打した部位を押すと痛い、内出血している、大きく腫れているなどです。

強打した部分や胸部全体をタオルなどの布で巻いて固定し(強く締め付けないように注意)、静かに呼吸するようにして病院(外科、整形外科、救急外来)に行きましょう。

肺損傷ではどんな症状が出る?

息苦しさが続く場合は、肺が傷ついている可能性があります。折れた肋骨が刺さったり、通常よりも高い圧力がかかったり、揺さぶられたりすると肺に穴が空きます。そこから空気が漏れ出して肺が潰れた状態(気胸)になったり、内出血した血液が溜まった状態(血胸)になったりします。こうなると呼吸がしにくくなりますし、循環する血液が不足してショック状態に陥ることがあります。

もし、胸の傷口から空気が出入りしているようなら、ビニールやラップなどで傷口を覆い、テープで止めて空気が抜けるのを防ぐ応急処置が有効です。ただし、端の一部はテープで止めずに空けておきましょう。密封してしまうと空気が胸の中に溜まり過ぎてしまいます。

刺さっているものは抜かないで!

もし胸に棒状のものや刃物状のものが刺さってしまっている場合は、決してそれを抜こうとしないでください。抜くと出血がひどくなってしまいます。119番通報をした後は、刺さっているものが動かないように、タオルなどの布とガムテープで固定し、そのまま病院に運ぶようにしてください。

参考文献

・日本救急医学会監. “胸部外傷” 標準救急医学 第5版. 医学書院 2014; 391-396

・寺田浩明. “胸をけがしたとき” 家庭の医学 第6版. 保健同人社 2008; 39-40

・岡島重孝総編. “胸部のけがの手当” 家庭医学大事典 小学館 2008; 137

 

応急手当についての関連記事

救命処置・応急手当 サブテーマ

応急手当 記事ランキング

fem.リサーチ