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救命処置・応急手当

担架を使っての搬送方法と使わない場合の搬送方法

更新日:2016/12/09 公開日:2016/05/23

松井潔先生

この記事の監修ドクター

松井クリニック院長

松井潔先生

もっとも安全で確実な搬送方法は、担架搬送です。担架を使わずに搬送する場合は、あくまで担架がないときの代替法です。担架を使っての搬送方法と使わない場合の搬送方法について、ドクター監修の記事で解説します。

ケガ人がいるけれど、担架も道具がないとき、どうやってケガ人を運んだらよいのか見ていきましょう。

担架搬送は重要な手段

担架搬送は、傷病者の状態を悪化させずに搬送するための重要な手段です。とくに、歩行困難な傷病者は担架搬送が適しています。

担架を使った搬送方法

  1. 担架の固定バンドをほどいて体温を保つための毛布を用意します。
  2. 傷病者を抱き上げて担架に収容します。その際、担架へ傷病者を移動させるのではなく、傷病者を持ち上げ、その下に担架を置いて傷病者を収容します。
  3. 傷病者を固定バンドで確実に固定します。
  4. 担架を持ち上げるときには運ぶ人間同士で声をかけ合い、不安定な体勢にならないように垂直に持ち上げます。
  5. 傷病者の足側の介助者が先頭に立ち、傷病者は足元に進行するように搬送します。
  6. 搬送中の振動や揺れは傷病者を不安にし、苦痛にもなるので「静かに」、かつ「リズミカルに」搬送します。
  7. 階段を上る際には傷病者の頭を先頭にし、降りるときには足側が先頭です。水平を保って、安全に上り降りします。

担架を使わずに搬送する方法

担架がないとき、1~3人の介助者で行う搬送法がありますが、搬送方法を誤ると、かえって悪い結果を招いてしまうことになりかねません。協力者の人数、傷病者の意識の有無、負傷した部位などから適切な搬送方法を選択し、安静な状態を保ちながら、十分に安全に配慮し搬送します。

搬送の前の確認作業

  1. 傷病者のケガの応急手当が終わっていること。
  2. 傷病者が望み、適した体位の搬送方法を選択しているかどうか。
  3. 傷病者の体温が維持できるかどうか。
  4. 安全に搬送することができるかどうか。
  5. 人数と役割分担を決め、搬送先とルートについて。

1人で搬送する方法

  1. 横抱き搬送:傷病者は介助者の肩に手を回し、介助者は抱きかかえて搬送します。傷病者が子供や体重が軽ければ対処できますが、骨折しているときにはこの方法は避けてください。
  2. 背負い搬送:いわゆる「おんぶ」の体勢です。介助者は傷病者の手首をつかんで体を密着させます。
  3. 後ろから抱えての移動:倒れている傷病者を近くの安全な場所へ移動させるとき、傷病者の後ろから両わきに手を入れ、傷病者の腰を持ち上げるように後ろ向きに引きずっていきます。その際、シーツなどがあれば傷病者の全身を包み込み、頭のほうに引っ張って移動させることができます。

2人で搬送する方法

  1. 傷病者の両わきに介助者:左右の介助者の肩に傷病者の腕を回し、両わきから抱えるような体勢で搬送します。介助者の首に腕を回せない重症者には使えません。
  2. 介護者が前後に並ぶ:前に立つ介助者は傷病者の足を抱え、後ろの介助者は傷病者の上半身を抱えて搬送します。傷病者は足のほうに向かって搬送されることになります。
  3. 椅子を利用する搬送方法:傷病者は椅子に座り、後ろの介助者は椅子の背もたれを握り、前の介護者は椅子の前の足を握って搬送します。

3人で搬送する方法

横になった傷病者の両側にそれぞれ1人の介助者がついて上半身を抱え、1人が傷病者の足を抱えて搬送します。

担架を使わない搬送はやむを得ない場合にのみ

担架を使わずに行う搬送方法は、担架のような安定性がなく、どれほど慎重に行っても多少の危険がともないます。それが、傷病者の気持ちに動揺を与えることになります。担架を使わない徒手搬送は、やむを得ない場合にのみ行うのが原則です。

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