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ロコモティブシンドローム

ロコモティブシンドロームと運動器不安定症の違い

更新日:2016/12/09 公開日:2016/05/20

赤石文洋先生

この記事の監修ドクター

赤石整形外科 院長

赤石文洋先生

ロコモティブシンドロームと混同されがちな「運動器不安定症」。両者の違いはどこにあるのでしょうか。似た症状を呈するふたつの概念と、その違いをわかりやすく解説していきます。

「ロコモティブシンドローム」と「運動器不安定症」の違いはどこにあるのでしょうか。

ロコモティブシンドロームと運動器不安定症は異なる概念

どちらも運動器の機能低下を主な症状とする点では共通しているため、よく混同されがちですが、両者は異なる概念です。

ロコモティブシンドロームとは

ロコモティブシンドロームとは、筋力やバランス能力の低下により移動機能が低下した状態を指す概念です。要介護状態と一般の自立した生活の中間といったイメージです。

超高齢社会の日本にとって、高齢者をはじめとした運動器の機能低下を呈する人々の増加は深刻な問題です。そのため、厚生労働省が中心となりロコモティブシンドロームの対策を講じています。

加齢の他にも、骨粗鬆症や関節リウマチ、脊柱管狭窄症の症状に起因するものもあります。

運動器不安定症とは

運動器不安定症の定義

日本整形外科学会では、運動器不安定症の定義を「高齢化にともなって運動機能低下をきたす運動器疾患により、バランス能力および移動歩行能力の低下を生じ、閉じこもり、転倒リスクが高まった状態」としています。

運動器不安定症の診断基準

運動器不安定症は、11の指定の病気を患っており、なおかつ日常生活自立度テストと運動機能テストの評価が以下に当てはまるときに診断されます。

  1. 日常生活自立度が「独力で外出できる」または「介助なしには外出できない」状態。
  2. 目を閉じての片足立ちが15秒未満、もしくは「TUGテスト」と呼ばれる敏捷性を測定するテストの結果が11秒以上。
  3. 指定された疾患(日本整形外科学会より引用)
  • 脊椎圧迫骨折および各種脊柱変型
  • 下肢の骨折(大腿骨頸部骨折など)
  • 骨粗鬆症
  • 膝、股の変形性関節症
  • 腰部脊柱管狭窄症
  • 脊髄障害
  • 神経、筋疾患
  • 関節リウマチ、および各種関節炎
  • 下肢切断後
  • 長期臥床後の運動器廃用
  • 高頻度転倒者

ロコモティブシンドロームと運動器不安定症で異なる概念

運動器不安定症はロコモティブシンドロームよりも範囲が狭く、「指定疾患の有無」「日常生活自立度の判定」「運動機能のテスト」などの明確な基準があり、その条件を満たさなければ診断されません。

一方、ロコモティブシンドロームは運動器不安定症よりも広い概念で、「ロコモ25」などの簡易検査ができるものの、そこまで明確な基準があるわけではありません。イメージとしては、「ロコモティブシンドロームといった大きな概念の中に運動器不安定症が含まれる」と思ってください。

つまり「全くの別の概念」というわけではなく、「似たような概念だが、重なる範囲と重ならない範囲がある概念」と認識しておきましょう。

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