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ビタミン

葉酸は動脈硬化予防にも期待できる栄養素

更新日:2016/12/09 公開日:2016/07/27

葉酸は妊婦にとって大切なだけでなく、動脈硬化を予防するためにも欠かせないビタミンです。 熱に弱いため、サラダやスムージーなどで効率よく摂取しましょう。葉酸の基本的な情報について、栄養療法専門医師の監修の記事で詳しく解説します。

ビタミンB群の一種である葉酸は、女性だけでなく生活習慣病を予防したい全ての人にとって大切な栄養です。そんな葉酸には、どのような働きがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

葉酸ってこんな栄養

葉酸は、水溶性ビタミンであるビタミンB群の一種です。発見された当初はビタミンMと呼ばれていました。ビタミンMは、巨赤芽球性貧血の研究時にサルの貧血予防として見つかったために、Monkeyの頭文字から名付けられた名称です。

その後、ほうれん草の葉から同様の効果を持つ物質が見つかり、酸で統一されることになりました。葉酸は、レバーや葉野菜に多く含まれる栄養素で、特に妊婦にとっては重要な栄養です。光で分解されてしまうため、保管には注意が必要でしょう。

1日の推奨摂取量は、妊婦が480μg(=マイクログラム)、妊婦以外は240μgが目安です。

葉酸はこんな働きをする

葉酸は、造血と成長のサポートだけでなく、動脈硬化の予防にも役立っています。さらに、ビタミンB12とともに赤芽球を合成、正常な赤血球を生成するサポートもしているほか、補酵素としてタンパク質や核酸の合成に関与しています。胎児の成長はもちろん、皮膚や粘膜の健康にも欠かせない栄養素といってよいでしょう。

動脈硬化予防としての働きには、ビタミンB6とビタミンB12が欠かせません。この2つのビタミンが一緒にホモシステインを代謝することで、血中のホモシステイン値が下がります。ホモシステインはアミノ酸の一種で、必須アミノ酸の一種であるメチオニンを代謝するときに生成される物質です。動脈硬化リスクの高い物質でもありますが、葉酸などで代謝されれば身体にとって悪いものではありません。

また、血中ホモシステイン濃度が高いと、脳卒中、血栓塞栓症のような血管疾患や骨粗鬆症、炎症性腸疾患、アルツハイマー病、糖尿病、妊娠合併症、甲状腺機能低下症などの疾患を引き起こすといわれています。

現在、葉酸はビタミンB6、ビタミンB12で補完すると血漿中ホモシステイン濃度を効果的に低下させるといわれています。多くの研究で、1日量400~1000μgの葉酸、1日10~50μgのビタミンB6、1日50~300μgのビタミンB12が血漿中ホモシステイン濃度の低下に使用されています。

葉酸はRNAやDNAの合成、タンパク質代謝にも必要とされています。さらに、抗体活性と抗体産生を増大させ、易感染性を減弱させます。葉酸欠乏の改善は高齢者の免疫系を強化する助けとなります。神経管の正常な形成にも必要で、特に妊娠希望の女性や妊娠初期(妊娠最初の3ヵ月間)の女性では十分な葉酸摂取が大切です。

ほかにも、葉酸は心臓欠陥、口蓋裂、尿管異常、四肢欠損症等の胎児異常を防ぐ可能性があります。

葉酸の多く含まれる食品

モロヘイヤ、ほうれん草などの濃緑色野菜の葉、ブロッコリー、レバー、ビール酵母、全粒穀物、アスパラガス、ライマ豆、レンズ豆などに多く含まれています。推奨量240μgの目安はとうもろこし1本です。各食材に含まれる100g中の葉酸の量は、以下の通りです。

【動物性食品】

  • 鶏レバー…1,300μg
  • 牛レバー…1,000μg
  • 豚レバー…810μg

【植物性食品】

  • えだまめ…260μg
  • モロヘイヤ…250μg
  • 干しシイタケ…240μg
  • ブロッコリー…120μg
  • ほうれん草…110μg

葉酸の過不足がもたらす影響

葉酸の不足は、巨赤芽球性貧血(きょせきがきゅうせいひんけつ:赤血球になる前の赤芽球が未熟なまま大きくなり、赤血球になる前に壊れてしまい貧血を引き起こすこと)を招きます。血液検査ではMCV(平均赤血球容積:へいきんせっけっきゅうようせき:Mean Corpuscular Volume)の値が高くなります。妊婦が葉酸欠乏症になると母体が貧血になるだけでなく、胎児の神経管閉鎖障害や無脳症のリスクも懸念されます。

妊娠中の女性は、特定の組織(胎盤、乳房など) における分布量が増え、胎児もDNA合成に多くの葉酸を必要としています。そのため、普段の約倍近くの葉酸摂取が推奨されています。

医療機関により、1日400㎍の葉酸摂取が処方されることが多いです。特に、多胎妊娠や若年妊娠、あるいは出産後すぐの妊娠などにより、葉酸貯蔵量が減少している女性は、このような予防措置なしでは、欠乏状態に陥りやすくなります。

また、ホモシステイン値も高くなります。

通常の食事で葉酸を過剰摂取することはほとんどない

葉酸の許容上限摂取量は、長期で400μg、短期で700μgとされています。通常の食事で過剰摂取をするケースはほとんどありません。ただし、薬などで過剰摂取をしてしまう可能性はあります。その場合は、神経障害や発熱、皮膚炎などを起こすことがあります。また、継続的な多量摂取で亜鉛の吸収を阻害する可能性も指摘されています。薬やサプリメントは用法・用量を守り、何かおかしいと感じたら診療を受けましょう。

以下に当てはまる人は葉酸を積極的に取り入れるとよいでしょう。

  • 貧血気味の人
  • 妊娠中・妊娠を考えている人
  • 授乳中の人
  • 野菜が嫌いな人
  • 動脈硬化を予防したい人
  • 肌をすこやかに保ちたい人

葉酸の賢い摂取ポイント

葉酸は熱に弱く水に溶けやすいため、サラダや納豆など非加熱で食べられる食材を積極的に取り入れましょう。また、ビタミンCによって活性型に変換されるため、果物と一緒にスムージーにして摂取するのもよいでしょう。

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